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最強騎士への悪あがき

ガナルと戦わなくてはならなくなった仁はガナルの特徴をサナに問う。サナが言うガナルの特徴はどれも最強で⁉︎

「なあサナ、ガナルってどんなやつなんだ?」

「あなたそんなのも知らないの?」


当たり前だろう。俺は異世界から来たのだぞそれで知ってたらガナルは世界的に有名なんてレベルじゃないぞ。


「ガナル=エスティア、彼の父ヨルド=エスティアは近衛騎士団団長の実力者。いわゆる彼は子供の頃から英才教育を受けて来たのよ。」

「そんな奴が何でA組じゃないんだ?」

「彼は四属性しか使えないのよ。」

「四属性も使えるのか!?」

「いいえ、四属性しかよ。A組は五属性使えて当たり前それに合わせて剣も上手でないといけない。」


おい、そこまでのレベルなら早くモンスターを倒しにいけ。


「四属性使えてもまだまだなんてやる気なくなるよな。」


俺だったら冒険者とかやめちゃう。英才教育受けて来ても半人前呼ばわりとかほんと辛すぎだろ。


「ええ、普通の人はね。でも彼はやる気をなくしてないわ。何故だか分かる?」

「わかったぞ。ガナルにはアカデミーに好きな子がいるんだろ。」

「そんな不純な動機じゃないわ。どちらかといえばガナルはモテているわ。告白されても全部断ってるらしいけど。」


一瞬でガナルが嫌いになった。なんだよ告白されて断るって、俺なんか少し女子と喋れただけで嬉しいのに。


「理由はね、競技会にあるの。競技会の報酬はね自分の好きな属性を拡張できるポーションなの。」

「拡張?どういうことだ。」

「簡単に言えばね、そのポーションを飲めば誰でも属性を手に入れられるのよ。」

「じゃあガナルはそれで持っていない属性を身につけてA組に上がりたいってことか?」

「多分ね。ガナルの親はすごい厳しいらしいし、A組になれとしつこく言われていると思うわ。」


親が医者で過保護だと子供に医者になれよと言うのと同じか。そういうやつは大体グレる。で、熱血教師が家に乗り込んでくるパターンだ。

正直言ってそんな教師嫌だよな。現実にいたら即退学したくなるレベル。


「色々大変なんだな。ちなみにガナルの攻撃の特徴教えてくれるか?」

「ええ、彼は火、水、土、風の四つの属性を持っているわ。そして彼が使う剣はソードリアル。」


少しはネーミングセンスがマシになったみたいだな。ということは雷が使えないのか。


「ソードリアルっていうのは何だ?」

「近衛騎士団トップ層でも持っているのが珍しいと言われる剣よ。多分親から貰ったんじゃない?

特徴はその剣によって受けた痛みは何倍もに感じるの。簡単に言えば少しかすっただけでも、腹を思いっきり刺された並みの痛みになるわ。」


やばすぎだろ。なんなのほんと今すぐモンスター倒しにいけよ。


「やばくね。なあサナ今から剣の修行をつけてくれないか。流石に何もしないで行くと死ぬ気がする。」


テストの前日はノー勉でいけるかもと謎の余裕があってテスト当日クソ不安になるとかありがちだよね。こんくらいでいけるかもって思う時は大体いい点取れない。


「嫌よ。なんで私が。レイにでもつけて貰えば?」


こいつ他人事のつもりで。まあ他人事なんだろうがでももう少し協力的になってくれてもいいじゃないか。


「わかったよ。お前に教えて貰っても強くなりそうにないからレイに教えてもらうわ。」

「何ですって!そこまでいうなら教えてあげるわよ。ただし試合に負けたら許さないからね!」


チョろ。


「わかった。よろしく頼む。」



それから俺は毎日のようにサナに剣術を教えてもらった。サナはふつうに教え方が上手く多分剣道部レベルには強くなったと思う。ん?剣道部レベルが異世界で通用するかって?するわけないでしょ。


「なあサナ試合勝てる気がしないんだが。」

「あなた前日に何言い出すの!私が教えたのよ、勝たないと許さないわ。」

「だってよたいして剣術上手くなってないし、魔法も使えないんだぞどうすりゃ勝てんだよ。しかもクラスメイトが話してるの聞いたんだがなガナルが傷をつけているのを見たやつはいないって言うじゃないか。しかもその後に神崎が泣きながら許しを請うに一万円とか言ってたぞ!」


話を聞いて地味にショックだった。クラスメイトにさえも応援されてないなんて。ていうかなんか異世界に来てもクラスで喋んのレイとサナくらいなのだが。ぼっちなのかな?いいやまだ話し相手がいるんだセーフなはず。


「あらそれは気の毒ね、ちなみにガナルが負けるに賭けてた人はいたのかしら?」

「それ聞くか?」

「結果がわかるから聞かないでおくわ。まあガナルが傷を負ったことがないというのは本当よ。彼の剣術は本物よ。魔法と対等に渡り合える存在。

まああなたが勝てると私も思ってないわ。」


ついに師匠枠にも見捨てられました。


「属性がなくても魔法が出せるみたいな便利な機械はないのか?このままじゃただ殴られに行くだけだぞ。」

「魔道具のこと?一応あるわよ。使用も許可されてるけど特殊なのしかないわよ。」

「それでいい貸してくれ!」

「私は持ってないわよ。」

「じゃあ誰が」

「レイよ、彼女は魔法が使えないのを気にして魔道具集めが趣味なはずだったから。」


レイほんとぼっちだな。いや魔道具集めがぼっちには繋がらないか。でもレイが魔道具集めとか想像しただけで悲しすぎる。


「わかったありがとな。じゃあ今からレイのとこ行ってくるから。」

「はいはい、いってらっしゃい。」


流石にアカデミーが終わってからサナと三時間ほど修行したんだ、普通のやつなら家にいるだろう。まあ友達と三時間おしゃべりしてまだアカデミーの中とかはあり得るかもしれないが、自称勇者の友達ゼロさんがお喋りなんてありえない。



レイの家の前に来たのはいいものの十分ほどうろうろしていた。だって女の子の家に来るの初めてだし前は怖いお父さんに追い出されたし。

勇気を出せ神崎仁、ここで少し恥ずかしいのと明日恥かくのどっちがましだ。もちろん前者。


「あ、あの神埼仁と申します。レイさんはいらっしゃいますか?」

「え?仁?今行きます!」


階段を駆け下りる音が聞こえてくる。俺が来てそんなに嬉しいのか。もしかして…

いや違うな多分レイのことだ友達が来ているのが嬉しいのだろう。

私服が可愛らしく少し色っぽいレイが階段から降りてき…こなかった。

急いで駆け下りて来たのは謎の黒マントに包まれ黒の帽子を被ったレイだった。

こいつ黒ずくめの組織にでも入りたいのか?

俺も新○のように小さくされるのか!


「仁こんにちは。何の用ですか?」

「よう、その変服装に突っ込みたいところだが時間がないんだ聞いてくれ。」

「はい?」


俺はガナルと戦いはなくてはならないこと、普通に戦っても勝てないので魔道具に頼ることを話した。


「魔道具ですか?私が持っているのは特殊なのしかありませんよ。」

「例えば?」

「つむじの面積が異常に大きくなる魔道具とか。」


なんだよそれ。せめて小さくしてやれよ。小さくなったらどこの育毛剤よりも売れんぞ。


「他には足の臭いを倍増するポーション」

「いらんわ!」

「あとは足が少しだけ早くなるポーション、痛みを共有するポーション、力を倍増させるポーションなどですね。」


痛みを共有なんて使い道ないだろ。ましなのは力を倍増させるポーションか。ん?待てよ。

ガナルは一度も傷がついたことがないんだよな。

てことは痛みを一度も味わったことがないってことで、もし自分が放つ攻撃から生じる痛みを共有されて自分に返って来たときに耐えられないんじゃないか?


「その痛みを共有するポーションをくれ!」

「わかりました。」

「念のため詳しい効果を教えてくれるか?」

「まず試合の前に飲みます。そこから五分間はどんな攻撃を受けても自分が痛みをくらうのは変えられませんが、その分と同じ痛みを攻撃して来た相手に感じさせることができます。」

「五分間だけだな。結構いいアイテムじゃないか。」


レイに頼って本当によかった。これでまだ勝算が見えてきた。この子はふつうに優しい子だ。

少し厨二病なだけで友達がいないだけだ。

これからはもっと大切に接しないといけないな。


「ただしランダムで一つの属性が一生覚えられなくなるという副作用があります。」

「え?」


「ランダムで一つの属性が一生覚えられなくなるという副作用があります。」

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