革命
「最終試合A組ラン対D組神崎開幕です!」
どうしてこうなった。まず俺は朝起きて寝坊して走ってきた。そしたらまあ防具忘れるよね。
いやおかしいだろ!なんで忘れたんだよ昔の俺。
二度目だよ。もう面白くないっての!
うわーランさんがなんかこいつやる気あんのみたいな顔で見てくるよ。めっちゃやる気あったけど睡魔には勝てないんですわ。
「もう始めていいかしら?」
「え?待ってって言ったら待ってくれるんですか?」
まあ時間があったとしても何も対策は練れないんだが、でも言い訳くらいは考えつく。
いやダメだろ!昨日リンネのために勝つって決めたんだろ!ていうかここで諦めたら何のためにソードリアルの痛い攻撃を耐えたんだよ。
「もう待っても何もなさそうだからいくわよ。」
「え?あ…はい。」
目の前からランの姿が消えた時後ろにいると気づくのに時間を要した。後ろにいると気づき振り返った時にはもう詠唱を終えていた。
「あなたは大した装備でもないし魔法にも耐えられないだろうから上級魔法は使わないであげる。でも少し痛いくらいは我慢しなさい。これが何の準備もしないで決勝戦に挑んだ罰よ。」
ランの俺に向けた手から炎が出る。それを避けようと右に飛び出したが完全に逃げ切れなかった。左肩に炎が乗移り激しい痛みに襲われる。炎を急いで払ったが火傷をしていてすぐには動かせそうにない。
「どこが手を抜くだ。左腕大火傷なんですけど。」
「肩だから大丈夫よ。」
「そういう問題じゃねぇ!」
「そんなに騒げるなら魔法の威力を上げるわ。耐えてね。」
それからランによる一方的な試合が続いた。俺は幸運により四回の魔法をすべて避けた。まあうちの二回は体のどこかにあたりクソ痛いんだが。
何かないのか。この状況を打破できる何かは。
俺を痛めつけている当の本人ランは観客席の方を向いている。まるで俺との試合なんてどうでもいいかのように。あんたこそ真剣になれや。そりゃ俺は弱いからやる気無くなるのはわかるけどよ。よそ見すんな。
てかどこみてるわけ。うわなんか微笑み出しやがったし。俺はこんなに耐えてるっていうのによ。
ランが微笑んでいる方向を見ると微笑み返している爽やか系イケメンを見つけた。多分ランの彼氏だろあれ。
たく羨ましいよな。五属性全て使えて最強と呼ばれイケメン彼氏もいるって。俺なんかレイにもらったネタポーションと剣道部並みの剣術のみ。そして恋愛イベントが全く起きないときた。理不尽すぎだ。差別だ。
こういう奴は現実世界にもいたさ。恋愛の方が勉強なんかよりも大事で青春に命かけてますみたいなやつ。こいつも同じく冒険者よりも恋愛を重視しているのだろうか。まあそうだろうな。そしたら試合中によそ見するのも頷ける。全くリア充は爆発しろ。
いやそれを逆に利用するっているのはどうだ?
確かレイからもらったポーションに。
やっぱりあった。
「なあランお前の負けは確定した。大人しく諦めろ。」
「ぬかせ。私が勝っているのは明確だろう。」
「今はな。なあランこのポーションなんだと思う?」
「知らないな。見たこともない。てことはただの雑魚ポーションだろう。私は騙されないぞ。」
「普通に使えばこのポーションは使い道のないゴムだ。だけどね嫌がらせにおいては最強なんだよ。このポーションはかけられたやつのつむじの面積が広くなるんだ。その意味わかる?今お前が微笑んでいた彼氏らしき人にハゲを晒すってことだよ。」
「あなた最低。」
ほんと最低だよ俺は。異世界に行ってこんな勝ち方とか最低最悪だよ。でも俺は支えてくれた人達に答えたいからだから勝つんだ。どんなに卑劣なやり方だとしても。
「私があなたが動けない早業で倒せばいいだけの話。」
「おいおい落ち着けよ。俺にいま勝てたところで意味なんかないぜ。なぜ俺がポーションをお前にかけると決めつけてる。俺の仲間がお前にかかる可能性もあるんだぜ。」
「そんな…でも私はクラスの代表で、でも別れられるのは…」
「おいおい降参に抵抗があるならこうしよう。俺があんたを剣で切りかかるからそれでやられたふりをしろ。」
「それはそれで…」
「お前五属性があるなら解放するポーションなんかいらないだろ。なら今は恋愛を大切にしろよ!」
「え?あ…もうわかったわよ!」
「いくぞ!」
俺はランに斬りかかった。
「わーやられたー。」
演技下手すぎだろ!
「ランがあんな負け方するなんてどんな魔法だ。」
「あれは人の活力をうばう上級魔法ではないか?」
全然違います。ただのゲスの脅しです。
「ついに勝者が決まりました!何と意外すぎる。D組神崎!」
観客は俺のことをすごいやつだと勘違いしているので歓声が大きい。
でも嬉しいな…ここは乗っかっとこう。
「俺が最強だ!!」
「ならこの攻撃も耐えろよ。」
え?




