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ウラオモテ  作者: 美亜
4/7

2/ 2010年7月31日

 夏休みに入って一週間、早朝のほの暗い音楽室のピアノに指を走らせる。頭の中でテンポを刻みながら、ゆっくりと。インテンポの半分くらいの速さ。ペダルは踏まずに、まずは確実に音を追って手に染みつかせていく。一番のサビが終わるまで確実に弾いていく。ドラマティックな『桜日』の曲調。

 私たちは、ピアノ伴奏の練習具合をチェックされていた。部活が始まるまで、私たち以外の部員は音楽室から締め出されていて、机は端に避けられている。合奏隊形のままの椅子だけが聴衆だった。

「うん、一週間でここまで弾けるんだったら問題なしかなー」

 私の後ろから川本先生が告げる。

「Cからちょっと荒いから、次までに修正しとき。あともうちょっとテンポ上げても大丈夫だと思う」

 私は譜面のCの記号に、傍に置いてある短い鉛筆で丸と日付をメモする。七月二八日。

「大変だったんですからね、これ。何で私にこっち当てるんですか」

「え、気分?」

 抗議したけどはぐらかされる。自由曲を弾きたいだなんて一度も言ってないのに、何故か私に決められて良い迷惑な気がしなくもない。課題曲――卒業式にも弾く伴奏のほうを、私としては弾きたかったし。

「気分って……」

 くすくすと美果も笑いながら言う。「陽ちゃん先生、適当過ぎー」「あんたら、みーんな課題曲希望なんだもん」「だって先生、これどう見てもやたら難しいじゃないですか……」当てられる私の身にもなってほしい。

 定番の卒業ソングが学年の合唱コンクール恒例の課題曲で、そっちは大した難易度にも思えない。けれど、クラスごとに決められる自由曲は流行りのJ―POPを合唱曲用にアレンジしたものになってしまった。そのせいで、正直私の手には負えそうになかったのだけど、決められたら弾くしかない。

「じゃ、次。美果お願い」

 先生に言われて、ピアノの席を美果に譲って、譜面をのける。それから私は、ピアノの大屋根に頬杖をついた。

 美果が課題曲を弾き始める。殆どインテンポでスラスラと弾きこなしているように聞こえるけれど、何だか平板で歌いにくい感じ。少しつっかえたり、ミスタッチがあったり。

 私たちのピアノのレベルなんてそんなものだ。それでも、そもそも弾ける人が私と美果と、あと麻由くらいしかいないから仕方ない。

 手を挙げたのは私たち三人。伴奏できるのは二人。オーディションの結果が、私と美果。

 出来過ぎている。実力で選んだとか先生は言ってるけど、だからって私と美果を選ぶのは奇妙。一番下手だったのは私のはずだ。なのに、先生は麻由を落とした。

 美果は一通り弾き終えた。もう全部弾けるようになっている。私は少し情けない。譜面を見る限り、自由曲で難しいのはここからに読めた。

「うん、オケオケ。美果も問題なし」

 そこまで言って、先生は私の後ろ、音楽室のドアのほうに目を向ける。「まーしーろ!  覗かない!」見れば、真白がドアのガラス窓に張り付いて、無理矢理横目で様子を伺っている。顔が変に歪んでいて滑稽で失笑モノ。羞恥心は無いんだろうか。見つけられた真白は、すぐに顔を引っ込める。「まったく……」先生も笑みをこぼしている。

「二人ともだいぶん弾けるようになってるね。凄い凄い」そして、声のトーンが少し抑えられる。「やっぱり自由曲はマコにしといて正解だった」

 ここだけの話、らしい。

「B組がこれ選んだ時はどうしようかって思った、正直」

 最初から私に弾かせる気だった? 考えすぎかもしれないけれど、そうも思えてくる。

「私は反対したんですよ、伴奏難しいのすぐわかりましたし」

「よな、『桜日』だけは弾きたくないなって思った。私だったら辞退してるし」

 私と美果は口を揃えた。

「マコなら何だかんだ弾けそうだもんねー」

 冗談めかして先生が言う。

「それって先生、押し付けやすかったってことですか?」

 何だか「私」の気配を感じてしまう。優等生で良い子な「私」の投影。

 先生は大きく首を横に振った。

「いんや、マコしか無いなーって。この曲ぴったりじゃん?」

「あ、それわかる」美果が思い出したように私のほうを見て言う。

「え?」

「ほら、雰囲気」「それそれ」「スラっとしてる感じっていうか、クールな感じ?」「陽ちゃん先生もそう思ってたんだー」ピアノを挟んで、私そっちのけの会話。

「まあ弾けるなら良いんですけど……」

 喜んで良いのか、顔が少しひきつる。この曲は私のイメージ、孤独で切なげな冬の渡り鳥。鳥なんて出てこないけど。決して嫌いな曲ではないけど、寂しくて冷たい歌。冬の陽射し。桜というより雪、それか氷。

 また二人して私を見て、そうして顔を合わせて笑い出す。釈然としない。第一、雰囲気で決められたのなら落とされた麻由に悪い。ただでさえこっちは複雑なのに、これでまたややこしくなったわけなのだし。

「さ、九時来るし部活しますか。マコ、戸開けて」

 川本先生が気合を入れるように手を二回、打ち鳴らす。ドアからこちらを覗き込む顔が真白一人から、三人にまで増えていた。全員二年生。何だかその可愛らしさがうらやましい。歳は一年も違わないはずなのに。 

 音楽室のドアの鍵を開けるときに、さっと見渡す。三年の姿が少ない。麻由もいないし、後輩たちばかりがしゃがみ込んで待っていた。

 後輩たちと蝉の声が飛び込んでくる。

 

「あいつら意識低すぎ」

 卵焼きを頬張る。

「だいたい何なん、理沙まで遅れてくるとか」

 結局、部の開始に間に合った三年生は私たちを含めて四人。うち一人は真面目なだけで口もきけない戦力外。部長まで遅刻。愚痴りたくもなる。

「まあ仕方ないよ、朝弱いんだし」

 美果はメロンパン。

いつもの音楽室の裏で、二人だけのお昼休憩。座り込んで言いたい放題。

「九時集合で朝弱いとか……」

 そんな固くないはずの卵焼きを思い切り噛み締める。味はしない。

「うちら八時に来てたもんねー」

 軽く受け流される。美果はもう諦めている風だった。

「早く来すぎだよねぇ」

 自分たちのことなのに笑ってしまう。八時なんて野球部も来ていなかった。私たちらしいよね、なんて慰め合う。

「午後って合奏できるん?」美果が聞く。

「ああ、するらしいよ。県大会までもう一週間切ってるのにね、こんな調子。練習が必要な人ほど来ないしさ、本当この学年だけ纏まらない……」

 答えながら苦笑してしまう。合奏できること自体が珍しいなんて、どうかしてる。

「金管どうにかならないんかな、せっかく私ら吹いてもバックがあれだと悲惨」

「言えてる。音狂いすぎ」

 美果の言う通り、悲惨だ。私たちの最大の弱点だ。何吹いているのかあやふやなくらいに下手。旋律を支えられて無い感じ。特にトロンボーン。

「せめて抑えてほしいよね、真琴のソロなんだから」

「二楽章からの主役はフルート、先生も言ってたのに」

「待って、その日、楓たちいたっけ」

 私は思考を巡らす。

「……いなかったね、たぶん」

「いっそあいつら、県大休んでくれないかなぁ。二年のほうが絶対巧いって」

 舌打ち。美果は食べ終わったメロンパンの包装をビニール袋に突っ込む。私もお弁当の最後のおにぎりを食べ終わって、ナップサックのなかに片づける。

「それ! 絶対そう」真白とか。あの子のトランペットはそれなりにしっかりしているし、断然、三年の恵美なんかより上手い。

「なー、そう思うじゃん。来年はきちんと纏まるんだろうなぁ」私は嘆く。

「この学年、異物紛れすぎだもんね」

「異物って」美果の言う通りだけど、実際ハジかれてるのは私たちのほうだ。

「私らが言えない、かぁ……」

 部活を真面目にしない人たちと、私たち。どっちがより「異物」なんだろう。

「あいつらからしたら、ねぇ」美果はそう言って、ナップサックから一冊のハードカバーを私に差し出す。「これ面白かった」

 タイトルは『地獄考』。地獄に迷い込んだ生きた人間たちが、次々と奇怪で残虐な「鬼」に嬲り殺されていくスプラッターホラー。

 私は受け取って、その黒々とした表紙を見つめる。血塗れの腕が何本も絡み合って転がるピンクと赤のイラストがまた綺麗だった。

「そんなのまだ隠し持ってるとかな、やっぱ真琴って黒い」

 黒い、とか私たちの間では褒め言葉だ。

「えー、美果に言われたくないんだけど、悪女さん」

「はいはい、どうせ私のお腹は真っ黒ですよっと」

 茶目っ気たっぷりに拗ねて見せる美果。

「認めた。さすが」

「何よもう」

「趣味は読書なんでしょー」

「真琴もヒトのこと言えないでしょうが」

 確かに趣味の欄があれば読書と書いている。それか映画鑑賞。ジャンルまで書かなくて良いから助かるのはお互いさまだ。

「ま、私は大概イカれてるだけだからさ」

 口癖。美果のほうは、ぶっ壊れてる、に変わるだけで中身は大差ない。

「うん、頭カチ割ってネジ飛んでないか調べてみたい」

 真顔でじいっと見つめられる。獲物を見定める猫の眼。

「ちょ、そんなことしたら死ぬから」

「大丈夫大丈夫。ネジ締め直すから元通り」

 遊び過ぎて壊れた玩具を修理するかのよう。笑い声は明るい。

「……物理的にネジ締めないでね?」

「え、釘とかのほうが良い?」

 きょとんと首を傾げられる。たぶん玩具じゃなくなった。

「言ってない。でも釘のほうがまだマシか、ネジより痛くなさそう」

「謎基準……」

「死ぬときはあっさり死にたいしな」

 殺すときはじっくり痛めつけたいけれど。

「自分勝手やなー」

「自分だけは苦しみたくないじゃん」

「そうだけどさ」

 私は肩をすくめて、一呼吸置く。

「ね、美果。……地獄ってあると思う?」

 地獄について考えるから、『地獄考』。私も考えてみたくなったのだ。本当に人間は地獄に堕ちるのか。堕ちることができるのか。

「その本みたいな?」

「そうそう」

「あってほしい、かなー」

 さっきまで照っていた夏の陽射しが嘘のように冷たく感じられる。美果を見ていると、たまにそんな気分になる。

「こういう地獄なら行ってみたいよね、鬼になって」

 少し意外だけど、彼女らしい答えだった。

「延々殺せるとかむしろ天国よね」

 私はそう言って相槌をうつ。生者にとっては地獄、でも鬼にとっては天国。きっとそんな場所だ。

「しかも好き放題にできるし、道具にも困らないし。最高」

「同じ人何回でも殺せるもんな、死んでるから」

 ネジとか釘にはない重さを、私たちの言葉が含んでいく。

「針の山で串刺しにした後に硫酸のなかに落としたり……」

 彼女は私にかぶりを振った。

「だから地獄考、なんだ」

 ようやくわかった、と察しがついたようだった。

「地獄に堕ちた人に、そのための苦痛をあげて……」

「そう。だからこの本を最後まで取っておいたんだ」私は種明かしする。種といっても大したものでもない。ただ、

「地獄なら、あの人たちもきっと堕ちていくだろうからさ」

 それだけのことだ。死んだ後に永劫の苦しみを与えてくれる鬼を、だから私は信じたい。家族やクラスメートの顔が次々に浮かんでいく。それは、きっと美果も同じはずなのだ。きっと美果は今、あの人――美果暴力をふるい続けて、部活にも来させようとしない義父――の顔を思い浮かべてるんだろう。

「良いな、その本。もっかい貸して」

 思った通りに、彼女は私に向かって手を差し出してせがんだ。その手に私は『地獄考』を渡した。

「あげる。私はまた買うから」

「でもこれって……」

 嬉しそうにしながらも躊躇っているようだった。

「良いの良いの、わかってくれるだけで嬉しいんだから」

 ハードカバーから手を離す。美果は、ありがとう、と最近のなかでも一番の笑顔になったように見えた。

「でもさ」

 美果は『地獄考』をナップサックのなかに再び仕舞いながら、何気なくぽつりと言った。

「もうこの世も地獄だよね。きっと本当の地獄ってもう見てる気がする……」

 この世も地獄、美果にとっての。家のなかで彼女は地獄を見ているのか。殴られながらか、仕事でも押し付けられながらなのか。

 この世こそ地獄。私は少し考えてみる。息苦しい社会、虐げられる弱者、事細かに共有されて徹底される規則と倫理。

「そっか、もう私たちは地獄にいるんだ」

 私は自分でそう言って、不思議と納得した。想像されているよりずっとリアルな地獄。美果は横髪を指にくるくると巻き付ける。

「いつかさ、鬼になってみたいよね」

「……そうだね」

 ねぇ、その本返して。もう一回読みたいから。

言葉にならない私の思考。鬼、だから鬼。罪人を裁く正義のための鬼。決して鬼は悪じゃないんだ。だからいつも怒った顔をして、生者を追いかけまわして、惨たらしく殺す。

 お前の命の価値はそんなものだ、そう告げて。この世の正義と悪が本当に映し出される場所が、地獄なのだ。

 またすぐに買おう。読み直さないと。

「真琴。これいる?」

 美果が自分のナップから一冊の文庫本を取り出してつまむ。ブックカバーがかけられているから表紙は見えない。でも何の本かはわかる。

「ペインキラー?」

「の、三巻。いよいよ拷問魔、学校を襲うんだけど」

 そこで美果は口をつぐむ。

「真琴にあんなの紹介されたんじゃ、ね。『地獄考』のほうが断然、重いし面白いし。これじゃあ刺激足りないよね」

 図星だった。

「そんなことないよ? それだって最高にグロいじゃん」

 否定。面白いし最高にグロい。悲鳴を聞きたいだけのために殺す主人公は、私たちの趣向にぴったりのシーンを提供してくれる。きっと三巻もそのはずだ。なのに。

「ま、一応渡しとくよ。交換の約束なんだし」

「うん、ありがと。また読んだら返すから」

「うん、返して。ホント言うとあげたいけど、私、今お金ないんだー」

 私は笑顔で受け取る。微妙な罪悪感みたいな、ぐしゃぐしゃした感じがした。美果に隠し事なんていつぶりだろう。『ペインキラー』に奇妙なそぐわなさを感じるなんて、言おうに言えない。今朝まで、貸してもらうのを楽しみにしていたのに、今は全然そんな気がなくなっている。

「いつか本当の地獄に堕ちてみたいな……」

 美果は港の見えるほうに向かって言った。

私に向かって言っているわけでもない。ただ空中の一点を見つめているだけ。

 地獄に堕ちれば、私たちは嫌いなひとたちに復讐できるかもしれない。いっぱい殺せるかもしれない。美果も同じように考えている。

 私はそう直感した。

 微妙な空気のはず。けれど私は不思議な安心感のようなものに包まれている気がする。

 ナップを背負って立ち上がる。ボウ、としてしまった美果には触れないほうが良いことはわかっていた。たぶんだけど、彼女は鬼としてもう一度あの本を読み返す。その前に地獄を見つめ返していたいのだろう。

間違いなく、私たちにとってここは既に地獄だ。

 先に行ってるね、と私は小さく言った。

 と、音楽室に先に戻ろうと北側の廊下の角を曲がった時に、いきなり小さな影が私の胸元に現れた。うわ、と変な声が出て身を引いてしまう。

「あ……」バツの悪そうな麻由がそこにいた。

 え、立ち聞き? まためんどくさいことを。

 振り向くと、私の声に気が付いた美果も後についてくる。

 うわぁ、かなり嫌な予感。

「え、あ、ああ、うん、あはは」麻由は引きつった、どこか壊れたような笑い声を立てている。美果の顔色は窺わないことにした。

「ちょっとメグちゃんが呼んできて、って。マコちゃんを」

 わかりやすく挙動不審。聞いてもいないのに、麻由は一人必死だ。

「っていうか、皆音楽室に集まってって……」

 楽器の音は何もしていない。それどころか話し声すら聞こえてこない。ただ、麻由が恵美にパシられたことだけは間違いない。

 もっと嫌な予感。恵美が私を呼び出すとか。

「それでそこにいたの?」

 後ろから刺すような詰問調。

「いつから?」

 美果はストレートに聞いていく。

「えー、何か邪魔したら悪いかなって……」

 あはは、と乾いた笑い声と一緒に麻由は後ずさる。この二人だけの時に何があったのかは私は知らないし、知りたくもないけれど、いつからか麻由は酷く美果のことを怯えるようになった。くるりと軽やかに踵を返すと、小走りに音楽室へと逃げ込んでいく。

「行こ。とりあえず」

 ため息一つ。私は美果の手を軽く引っ張って歩き始める。麻由の立ち聞きより、恵美が部員を集めて何をしようというのか気になった。部長でも何でもない、ガラの悪いサボり魔の癖して態度だけは大きいのだ、彼女は。

 音楽室に入る。すぐに変な空気を察知した。

 一様にこっちに視線が向けられる。今日来ている部員は全員集まっているようだった。合奏隊形の椅子まで窓際にどけられて、地べたに座った二〇人にも満たない部員たちは小さなグループごとに塊をつくりながらも、教室中央を中心に歪な図形を描きだして向き合っていた。

 川本先生はいない。

 恵美だけ、窓際の椅子の上にしゃがんで運動場のほうを眺めている。どう見ても機嫌悪い。後は俯くか、私のほうを見るかしている。状況が読めず不安げな一年生の囁き以外、まったくの無言。誰も楽器すら持っていない。

 裏口から入ってすぐピアノのそばに、理沙と双葉、麻由が座っていた。こっちを見て理沙が手招きする。部長の肩書が情けないほどに慌てた様子だった。心配そうな目で何かを訴えかけてくる。

 私はあえてピアノの椅子に座って、脚を組んで頬杖をついた前傾姿勢をとった。美果は私と理沙の間の地べたに座る。ナップサックはすぐ足もとに置いた。

 沈黙。不気味。

 明らかに私を待ち受けていた雰囲気。ちらつく視線は全て私と恵美に向けられている。私たち抜きで話し合いが進んでいることなんていつものこと。そもそも、生徒だけの集まりには呼ばれないのだから仕方ない。そっちのほうが普通になりつつあるのに。

 恵美の視線だけが、私に飛んでこない。呼び出すくらいならそっちから切り出せよ、と言いたくなる。

 あと私を見ようとしてこないのが二人。小野寺さやかと、菅原楓。恵美といい、タチの悪い三人が今日に限って揃っている。

「何これ、何の集まり?」

 黙りっぱなしにも嫌気が差して、切り込んでみる。遠慮なく。一通り見回す。戸惑いと不安の顔がほとんどだ。何の集まりなのか把握すらしていない部員のほうが多そうだった。

「ねえ理沙、これ何の集まりなん?」

 さらにカマかけてみる。無言。ただただ心配そうな目で見つめてくるだけで、何かを言いかけてやめる。神経質そうに瞬きを忙しなく繰り返している。

「マコちゃん」

 返答したのは楓だった。雰囲気にそぐわない大人しい呼びかけ。けれどこいつが一番黒い。悪い意味で。

「何?」

 声が低くなる。自然、目元にも力が入る。

「いや、マコちゃん、期末テストのことなんだけどね。何点だったのかなって」

 ここでも、それか。うんざりするのにも飽きた。

「それ、公開する義務ある?」

「ううん、無いけど……。噂になってるの知ってるよね」

「何の噂」

「今までカンニングしてたんじゃないかー、とか」

 何気ない言い方。目が泳いでいる。

「それ、信じてるわけ」

「ううん、わかんない。だから確かめようと思って。それで双葉から聞いたんだけど」

 私は横目で双葉を睨む。案外カンニング説も双葉が言い出したのかもしれない。同じ生徒会の仲間どうしの繋がり。副会長と書記。

「マコちゃん、期末で五位以内に入ってなかったんだよね?」

「それが?」

「この前の中間の合計って何点だったっけ」

「忘れた」

「一人だけ中間、四九〇台がいたよね。あれマコちゃんでしょ」

「かもね」もちろんそうだ。

「で、期末何点だったのかなーって気になってるわけ」

「点数知ってどうするの」

「うーん……。言いにくいんだけど」

 楓は口ごもる。正確には口ごもったふりをしている。私も知らないふり。

「あんまり成績落としてるんだったら、部活に来させてあげられないなって」

 それが本題か。

 何かにつけて私は楓たちから目の敵にされる。派手で可愛くて元気の良いグループ。生徒会役員だったり学級長だったり、成績上位者だったり。

 去年松沢からピアノ伴奏の席を奪った時も、呼び出されて散々悪態をつかれた。そのおかげで私は「転んで」右の薬指を折ったのだけど、ギブスの上から鍵盤を叩いて解決した。

 この人たちは私に実力で勝てない。人気だけある木偶。偶像。

「うちの部活の規則だよね、勉強優先っていうの」

 こんな時だけ副部長の肩書で規則を持ち出してくるご都合主義者。

「そんなのもあったっけ」

「うん、実際それで真白とか出てこれない時期あったじゃん」

「あー、去年の二学期の」

「そうそう。なー、真白」

 急に楓から矛先を向けられた真白が、たじろいで身を震わせる。カラスに追い払われる雀みたい。

「あ、はい先輩っ。中間で思いっきり平均割って、数学と歴史壊滅しちゃってー、何点だったっけ」

 場違いな明るさを隣の菜々に向けようとして睨み返される。知らない、と一語ずつにアクセントの小声。

「合計で二〇〇くらいだったかなー、って」

 どんだけレベル低いんだよ、こいつ。二〇〇まで落としたら平均どころか底辺だ。

 あ、そうしたら私ヤバいのか。底辺層の分布なんて知らないし、本当に何位なのかわからない。今回の平均何点だったっけ。

「うん、それくらいだったよね。で。

 マコちゃん今回何点落としたん?」

 この前の中間から二四六点ほど。こんな下げ幅も珍しいだろうな、と思いつつも、私は肩をすくめて知らないふり。答えない。ちょっと笑みを浮かべながら、余裕の表情で。

 結局私の成績については、川本先生は不問とした。あの日から、何の話もしていない。

 成績の急落させるか、提出物をまともに出していないと、あの先生は容赦なく停部にしていく。だいたいは一週間か、長くても一ヵ月。改善の見込みと許しが出るまで部活には出させない。まずは勉強しなさい、と先生はよく言う。学生の本分は勉強でしょ、とも。

 でも、もう蒸し返される問題でもない。

「お前だけ特別扱いなのが気に食わないの、みんな」

 膠着した重苦しい空気を、今度は恵美が引き裂いた。

「お前さぁ、先生に好かれてるからって調子乗ってるじゃん。だからうぜぇってこと」

 小野寺まで口を挟んでくる。こっちのほうが表面上トゲトゲしい。対して恵美はぽつぽつと言葉を繋げていく。

「双葉」

「ん?」

「こいつの点数、何点くらいなん」

「……最高でも三九〇」

 少し教室の空気が変わった。囁き、息をのむ音。どこかから、先輩が、という声だけ聞こえた。

 二人は淡々と受け答えをしていく。

「この前の中間、こいつの点数は」

「えっと、四九〇くらい」

「一〇〇は落としてるんよな?」

「まあ、そうなるんじゃないかな。これ私たちが勝手に情報集めてるだけだから、あんまりはっきりわからないけどさ」

 双葉はいつでも逃げられるように言葉を選ぶ。力関係が歴然としている。

「で、こいつ最近宿題出してないんじゃね?」

 突然言い当てられた。首に手が巻き付いてきたような気がする。誰も触れてこなかった事にまで恵美は手を出してくる。

「それは私知らない」

「とぼけんな」

「……ちょっとメグちゃん落ち着こう?」

「あ? こいつだけ見逃せって? 停部だろ、普通。この中で停部になった奴って真白だけじゃないよな? ウチも二回か三回やられたし」

 何人かがうなずく気配がした。ならもう退部してろよ、どうせあんまり出てこないんだから。

「理沙も一回、提出物出してなくて停部になったよなー。あれ去年の夏休み明けだっけ?」

 小野寺がわざとらしく、理沙に問いかける。

「さやちゃん、ちょっとそれは……」

 飛び火。理沙も困り顔。

「部長でも停部なのに、赤木だけ贔屓ってそれおかしくね?」

 恵美の言葉に、教室中が再び沈黙する。

 ようやく、恵美は私を見た。何度も何度も、まだ小学生だったころから攻撃し続けてくる小さな眼。もう見慣れてしまって怖いとも思わない。

 鬼って、結局そう。無慈悲に罪人を裁く。

「二五〇」

 ここはきっと地獄。

 私ははっきりと、得点を告げた。

 音楽室が息を吹き返した。驚きの声、疑いの声で溢れた。構わない。

「だから何? 今さら停部にするわけ? 私がそんな点数のバカになったと本気で思う?」

 私は椅子から立ち上って挑戦的に全員を俯瞰した。黙りっぱなしはもう嫌だ。逃げるのも隠れるのも。あんまりにもストレートな私に恵美は目をそらす。小野寺は笑い出して、楓は静かに、と繰り返す。どうしてこの人たちはこんなにくだらないことで、いちいち盛り上がっていられるんだろう。随分と滑稽だ。

「恵美、これで良いわけ?」

 ざわめきの中でも聞こえるように、はっきりと言う。

「……んな点で部活来てんじゃねぇよ!」

 吐き捨てるような一喝だった。彼女も立ち上がる。ざわめきが一気にかき消される。また沈黙。さっきからざわめいたり静かになったり、落ち着きのない人たちだ。

「ちょっと先生呼んできて」「はい」双葉と真白のやり取りが聞こえて、視界の端を素早く影が通り過ぎていった。私はもう一度見まわしてから、椅子に座り直す。恵美もそれ以上は突っかかってこなかった。相変わらず、椅子の上にしゃがみ込んで、髪をいじり始める。私も脚を組む。 

 もう誰も喋りださなかった。

 点数を知らせるのは美果以来のことだった。誰もそんな、ありえないほど低い私の点数を想像していなかったに違いない。集めた恵美にしても。

 美果はずっと黙ったまま、床だけを見ていた。ざわめきの中にも混じらなかったし、何もかも知っているのに何も発言することは無かった。期待はしていないけれど、でも少しくらいは助けてくれたって良かった気もする。

 少しして息の荒い真白が帰ってきた。その後ろから川本先生が顔を出す。

「ね、説明。部長」息をきらせながら、先生は理沙に向かってぶっきらぼうに言う。「それからマコ、メグ。あんたらも椅子から降りなさい」有無を言わせない口調。私は渋々、美果の隣に正座する。恵美は降りない。ずっと髪をバサバサと手串で梳いている。「恵美」二回言われても無視を決め込んでいた。

 先生は、いつも合奏の指揮をする時に使う大きな木の椅子に腰かけた。ギィ、とそのはずみで軋む音がした。私たちはその方に向き直る。

「りーさ」

「あ、えーっと」

 ようやく理沙が立ち上がる。

「マコちゃんの期末の点数が凄い落ちてるなーって……」

「あと提出物も」

 小野寺が余計なことを付け加える。川本先生は腕を組んで椅子の背にもたれかかる。

「それで、今度は停部の話も出て……マコちゃんが二五〇点とかで」

 しどろもどろすぎて、見ていてまどろっこしい。話を聞いていたんだろうか。

「理沙、もういい」手で払う。理沙は萎れるように座った。「まあウチも把握してるんだけどさ」そのまま、その手で首の後ろを掻く。

「マコからも話聞いたし、先生方とも話し合った。それでこの話はおしまい。それで、停部って何?」

 今度は側の教卓の引き出しから、傷だらけのバチを取り出してもてあそびはじめた。

「陽ちゃんなぁ、そいつ停部にしないん?」

 恵美が髪から手を離して言った。

「しない」

「何で」

「する理由ないから」

「は? 状況理解して言ってる?」

「メグ、ウチに向かってその口のきき方は何」

「知らねーよ。陽ちゃんこそ何特別扱いしてんの、そいつなんか」

 そいつなんか、か。

「ねぇ? いい加減にして」

「私らはあんな簡単に停部にしたくせに」

「それとこれとは別問題」

「そうやってまた庇う。それがおかしいって言ってんの。そいつお気に入りだから? 抜けられたら困るん?」

「マコを特別扱いする気なんてないんだけど」

「してんじゃん」

「成績だけで判断してないもん。マコにはマコの事情があるってわかるよね?」

「事情って何」

 事情、先生も良く知らないと思う。

「言えない。こういうことは皆の前で言っちゃダメなの。皆それぞれ事情あるでしょ?」

 誤魔化しだ、こんなのは。

 口をつぐんだ恵美は、椅子を蹴飛ばすようにして立った。

「だからって贔屓かよ」

 そう言い残して、足音荒く音楽室を出て行く。「恵美!」先生の静止もまるで意味をなさない。

「あーもー。楓、呼んできて」

 先生は天井を仰ぎながらそう言った。けれど、楓は動かない。

「先生、私もおかしいと思います」

「はぁ……楓まで、何なの」

「二五〇点が本当なら、順位も点数もかなり落ちてるはずですよね」

「うん、落ちてたね」

「マコちゃん、提出物も滞納してるんですか?」

「……マコ」

 バチが私を指す。

「一ヵ月ぶんくらいでしたっけ」

 聞かれたことだけ、事実だけを答えた。また変なざわめき。囁き声というより、空気がほんの少しだけ揺らいでる感じの。

「先生、それって停部になった他の人より酷くないんですか?」

「かもしんない」

「だったら停部にするのが規則なんじゃないんですか」

「楓、さっきも言った。事情」

「はい。でも事情って、マコちゃん部活には毎日来てますよね。いつもと変わらずに」

「良い? それ以上首突っ込まない」

「あとこれ、麻由から聞いたんですけど」

 ああ、もう。今度は麻由まで。楓は止まる気がないらしい。

「B組の合唱の伴奏、マコちゃんと美果ちゃんに決まったらしいですね」

「それ、関係ないでしょ」

「でもこれも、マコちゃんを特別扱いした結果なんじゃないんですか」

「してない。実力で選んだらそうなった」

「でも先生……」

 麻由が必死に何かを言いかけて、やめる。だいたい察しはついた。

「私、麻由のほうがマコちゃんより伴奏上手だと思うんですけど。B組の目の前で弾かせて選んだっ聞きましたけど、そう言ってる子、他にもいました」

 楓は頑として態度を変えない。

「その子たちにはそう聞こえただけ。ウチはウチで選んだ」

「でも」

「楓、しつこい。そんなに信用ならないわけ?」

「そう見えるってだけです。先生、今回の県大だってマコちゃんにソロあてましたよね」

「それもマコの実力」

「実力があるから、停部にしないんですか」

「違う。停部にはならないし、マコだからそうしないってわけじゃない」

「じゃあ先生、皆に聞いてみます? 先生がマコちゃんに甘いかどうかって」

 ふざけんな。知るか!

 ――私がそう言おうと息を吸い込んだところで、双葉が割って入った。「楓ちゃん」

「言いたいことはわかるけどさ、落ち着こ? 今揉めて真琴が県大出れなくなったらどうするん?」

 介入されて、楓がわずかに気色ばむ。

「美果ちゃんが吹けると思うけど」

「美果ちゃん、あんまり部活出てこれないの知ってるよね?」

「なら薫が吹けば?」

 聞き捨てならない。私どころか美果まで見下しているように聞こえた。薫のことだって適当に言っているようにも。私は薫の顔を横目で確認した。と、

「先輩」

 薫がはっきりと言葉を出した。掠れているけれど、しっかりとした声で。

「私、真琴先輩が吹くのが良いと思います。それに私は先輩方のようにうまく吹けません」

 じい、と静かに薫は楓を見つめる。それ以上の言葉は出てこない。語気を荒げているわけでも、慌てているわけでもない、真剣さに満ちた澄んだ言葉だった。

「私も真琴が吹かないといけないと思う」

 美果が弱々しく、呟くように言った。

「だって私、お家の問題で県大に出れるかもわからないから……」

 顔はずっと伏せたまま、自信なさげに。演技だとわかっているのは私くらいなものかもしれない。お家の問題、頭のなかで反芻する。

 あっさりと切り返された楓は、自然にもう一人のフルートパートに目をやる。彩。釣られた何人かも、彩に注目する。

「彩ちゃんは」楓が言ったか言わないかのうちに、彩は目を丸くしながら必死に首を横に振り始めた。入ったばかりの一年生がソロだなんて、どうしたって無理がある。

 良かった。まだ私にも味方がいた。

「楓、良い? 気が済んだ?」

 川本先生が少しだけ安堵したように問いかけた。「先生、でも――」言いかけて、口をつぐむ。

「楓の言いたいことは良くわかったから……」

 先生はさらになだめる。楓は「わかりました」と、さっぱりと微笑みになってうなずいた。「ごめんなさい、先生」さっきまでの勢いはどこかに消えて、殊勝に謝る。私への謝罪はないけれど。

 小野寺が、不意に鼻で笑った。

「じゃ、ウチがメグ呼んでくる」

 誰にも頼まれていないのに勝手にその役を買ってでると、当たり前といった雰囲気で軽やかに教室を出て行ってしまう。

 でも先生まで楓の言いたいこと、良くわかった、なんて。

「他、ウチに言いたいことある人、いる?」

 きっぱりと先生が問い質す。誰も、声も手もあげなかった。

「理沙、あとよろしく」川本先生も立ち上がる。もう話すことは何もない、と言いたげな顔。

「午後練の時間、とっくに過ぎてるから」

「先生今日の合奏は」

「良い。セクション練に変えて。木管は双葉、金管は理沙が仕切って、いつも通り金管が中で木管が外」

「はい」

 矢継ぎ早に指示を飛ばして、機嫌の悪さを隠そうともしない先生に、おどおどするだけの理沙。部長の弱さはこういう時に出る。理沙は誰の肩も持たない、持つ勇気もない。だから楓も双葉も、私たちも一緒にまとめられる、ということになるんだろう。敵もいなければ、かと言って味方も少ない。

 敵だらけの私とか楓とかとは、まるで違う中庸さが、私にもあったら良かったのに。

 川本先生に話しかけたかったのだけど、やめた。今、先生と話してはいけないように思えた。実際に特別扱いされていることくらい、わかっている。今さら指摘されるまでもなかった。

 でも。

 皆腰を上げて動き始める。不穏な空気が薄まっていって、後輩たちの明るい声もそこかしこから聞こえ始めた。楓は何食わぬ顔して、金管の人たちのなかに混ざって、トロンボーンを組み立てながら談笑している。健気な楓の取り巻きたち。

 フルートと譜面台を持って、南側の開放廊下に出る。私の後を追うようにして、薫が来て、一人分のスペースを空けて隣に立つ。上目使い。私はにっこりと感謝の気持ちを表す。はにかんで一礼。言葉は無い、いつもと同じ。

 この子が見ている「私」は、本当に私?

 私が二五〇点だったことを、この子はどう思ったんだろう。何かの手違いくらいにしか思ってないんじゃないか、そんな風に思えた。

 真琴先輩、クラここで良いですか。そう聞いてくる菜々もいつもと変わらない明るさ。うん、そこでオッケー、音合わせといてー。私も変わらない。

 この子は、私に話しかけたの?

双葉が音楽準備室のほうから声を張り上げる。真琴―、ちょっと代わりにやっといてー! 理沙と何か話している。楓たちと先生とのパワーゲームの調整に忙しいんだ、きっとあの子は。麻由は、そんな双葉の後ろにべったりと貼りついている。

 何かおかしなことが起こった気配なんてま無くなった、部活の日常。ちょっと背伸びしたり駆け引きがあったり。練習に手を抜いても、皆、日常を精一杯に生きている。

 私は。「私」は。

 美果がナップサックを持って、音楽室から出てきた。ごめん真琴、私もう時間だから家に帰らなきゃ。またお家の? そ、あの人。うん、そっか、気を付けて。手を振って、美果は廊下を駆けていく。

 私は、ここにいるの? いられるの?

 譜面に向き合う。「イカロスのための組曲」第二楽章Canzone、私に与えられたBからのフルートソロ。この曲のなかで一番大事なところ、と先生は言った。この楽章はフルートのためにあって、この組曲のなかの聴かせどころは第二楽章だ、とも私にだけ教えてくれた。

 本当に私に?

 木管のメンバーはまだ準備中だった。けれど私は軽く眼を閉じて、フルートを構えた。


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