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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第九圏 裏切の迷宮
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第九圏 裏切の迷宮5 -裏切-

「ひでぇヤツだ。お前は」

トウが言う。

いかにもトウらしい、軽い感じで。


「あやうく殺されるところだった」

だってお前。

「色々、呑み会にも誘ってやった恩を、仇で返されそうになった」

お前は。

「まぁ、最後の最後で思い留まったのは、評価してやっても良い」

お前なぁ。


「強~烈だぜ。お前の"加速"ってヤツは」

俺はがっくり膝を付いた。

盗賊の心が無ければ、貧血を起こしてたところだ。


「どうやって、自分を取り戻した?」

ナツが尋ねる。

そう。それ!

俺もそれ聞きたい。


「ん~なんか心をな、分割して、片方を勝手に動かさせておくんだよ」

"極大消滅"を唱え終わる直前、もう一方の心が口を閉ざし、巻物を広げたらしい。

つまり二重人格?

「違う、とも言えない」

本人にも良く判らないらしい。


でもそんなコト、良く出来るなー

「流石はNSAのエージェント」

「知ってたのか」

!?


え、NSAって。

「一般社団法人、日本サーフィン連盟」

違うよ!


「米国家安全保障局。つまりトウは米国のスパイよ」

トウが?

何かといえば呑み会開いて、おやぢギャグ言ってるこの男がスパイ?

スパイならマティーニのハズなのに、こいつこの前ホッピー呑んでたよ。

しかも、中身お代わりしてた。

米国は、人選を間違えている。


陸自(ウチ)の司令、いよいよとなったらアンタの口、封じる気みたいよ」

「お~ぉ、おっかないねぇ」

ナツそれ、言っちゃいけないコトなんじゃないか?


「アンタ、司令とトウ、どっちの味方する?」

トウ一択。

「でしょ、アタシも」

「これはこれは、どうもどうも」


「言えるウチに言っとく。トウ、色々ありがと」

ナツがニッと笑う。

「どういたしまして。こっちも楽しませて貰ったよ」

同じようにトウが歯を見せる。


「さて、いよいよ最後の玄室ね」

あれ?

俺には、ねぇ俺には?

「アンタには未だ早い」

えー


ナツが隊長を、俺がタダを、トウがミズの身体を担ぎ、通路を進む。

その先には、最後の玄室がある。

第九圏 第4円 ジュデッカ。

そこは一番下で一番暗く、光り輝く天界からは一番遠い。


神に対する裏切者(イスカリオテのユダ)の地獄だ。

次回は7/29頃に投稿する予定です

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