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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第七圏 暴力の迷宮
77/106

第七圏 暴力の迷宮10 -手紙-

俺宛に小包が届いた。

小さいワリに重い。

送り主は、板倉健吾--って誰?


小包を開けると、中から重い箱と封筒が出て来た。

箱は、何やら封印めいた飾りが付いている。これを開けるのは後にしよう。

封筒を開ける。


達筆なその字を見た瞬間、送り主の見当が付いた。

ナツの親父さんだ。


--


君には悪いことをした。

何も知らぬ君に、継がせてしまった。我々の神を。

何のことか分からないかも知れない。

夏海に聞いてくれ。あの子が全て説明する。


我が家は、代々この神を受け継ぐ為に在った。

私の人生、私の妻の人生もまた、幾分かはその為に在ったようなものだ。

それを不幸だと、私には思えない。

私にとってそれは自然なことで、それこそが人生だった。

だが、夏海はそうは思えなかったようだ。


神は、受け継ぐこと、続けることが肝心だ。

祭祀をこれまで通りに続けて行くこと。それが何より大切なことだ。

だが、もう良い。


私の上の代の者は、もう全て他界した。

私の下の代の者には、もうこのような人生は不幸に思えるのだろう。

我々の神など必要ない、そう夏海が思えるなら、それで良い。

神が居なくても幸せなら、それで良い。


君も夏海も自由だ。

継ぐも絶やすも自由にしてくれ。

君に継がせたのは、単なる私の我儘だ。

ただ私は、継がせられる者が、君が現れてくれて、嬉しかったよ。

ありがとう。


その箱の中に、御前様がいらっしゃる。

我が家が代々、受け継いで来た神だ。

それを継いだ家が津本となり、継いだ者が親父となる。

何のことか分かるまいな。夏海に聞いてくれ。


夏海を、私の娘を、宜しく頼む。


--


箱を開ける。

箱の中に在る物を見て、全てが判った。気がした。

これが御前様。

400年、此れを受け継いで来たのか。


親父さん。申し訳ありません。

此れは、好きにさせて頂きます。


ちなみに娘さんは、宜しく頼まれても困ります。

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