73/106
幕間3
神父様、俺は罪を犯しました。
赦されざる罪です。
死ねば我が魂は地獄に堕ちるでしょう。
「わが子よ」
神父様の声は、深く、優しく響いた。
「償えぬ罪などありません」
その瞳は、その薄い色の目は、神の愛に溢れていた。
「人が為せること、それら全ては主の御心の内にあります」
その愛は、俺には眩しすぎる。
「主は決して貴方を見捨てません。全ての罪は必ず赦されます」
ですが、俺のした事は
「私も、同じ罪を犯しました」
地を這っていた俺の視線が上がる。
「そして、赦されました」
だが俺は、違う。
同じ状況になれば、再び罪を犯す。
罪を犯してしまうだろう。
俺は弱い唯人だから。
「わが子よ、為すべきことを」
俺が為すべきこと?
いつしかひざまづき、祈りを捧げていた俺の頭に、聖なる水が注がれる。
「全ての罪は赦されます。貴方は今、新たに生まれたのです」
その一瞬、俺は神を感じた。
俺の心の、魂の中に、神は居たのだ。
罪を犯した後も。罪を犯したその時ですら。
俺はフランシスコの名を与えられた。
この地に、初めて神を伝えた御方の名だ。
俺はこの地に、再び神を広めなくてはならない。




