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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第七圏 暴力の迷宮
71/106

第七圏 暴力の迷宮6 -加速-

第3の環、男色の環。

ヤだ。イヤすぎる。

もしそのテの怪物が出てきたら、撤退しよう。

いや、後ろを見せるもの怖いな。


「状況を開始する」

うぇー


--


"A Dio"

「神」と書かれた門を潜る。

と、いきなり悪魔の群れに遭遇した。


ir-stem(沈黙)

タダが素早く詠唱する。

悪魔は口をパクパクさせるだけで、声が出せないでいる。

やるじゃないか、タダのくせに!

そこに、隊長とナツが飛び込んで蹂躙。

俺も1体倒した。


俺が倒した悪魔は胸の部分が盛り上がっており、身体は鱗に覆われてるが、ちょっと艶かしい。

悪魔にも女性って居るの?

「居るんじゃないですか?魔女って言うくらいですから」

そう言えば、ウチ(分隊)にも1人居る。美魔女が。


この環は、第1の環と似た作りになっていた。

狭い通路が伸び、所々に玄室が在る。

但し、通路の下にはマグマがボコボコ言ってる。

もし落ちたら一巻の終わり。復活させようにも、骨まで溶けて残らない。


すみやかに通路を通り過ぎ、玄室に迫る。

扉が開き、閉まる。

怪物は居なかった。


扉は、入ってきた所を含めて3箇所。

1箇所は開けることができず、もう1箇所の前で構える。

「前進する」

扉が開き、閉まる。


鱗が見えた。

だが、悪魔じゃない。

もっとでかい。

「防御!」

隊長の声が響き、条件反射的に盾の後ろに身を隠す。

あ、トウが俺の後ろに隠れた。ズルい!


劫火、いや焔で作られた竜巻が、俺達を襲った。

俺は半死半生。トウはもうヤバい。

ir-kras()sen-kiuɑ()

lá-muur-ɔː(大壁)

タダの"全快"でトウは命拾い。

ミズは俺を見捨てて"大壁"。ひどい。


盾から目を開けて見ると、龍が居た。

ドラゴンだ。

いつぞやの子供竜、コドモオオトカゲとは違い、可愛げの欠片もナイ目。

そして牙の中から覗く焔は、比べ物にならない程の凶悪さ。


「tʃ-kɔ́ː-con()centração()

トウは1日1回のみの呪文、氷斬を詠唱。これは効いたっぽい。

ナツが飛び込み、刀を横に薙ぐ。

カィンッ!

げっ、刀が折れた。


すかさず脇差に持ち変えるナツ。だが攻撃力低下は否めない。

一方、俺の突きは、上手く鱗の隙間に入った。

だがなんせ小剣、効果はそれほどない。

その上、龍の目が俺を捕らえた。


よくもやりおったな、ワシは怒っておるぞ。

そんな目で俺を睨む龍。

いや、どっちかって言うと、トウの呪文の方が効いたんじゃない?

俺を的にするのは、不合理だと思うなー。


だが無理を通せば道理は引っ込む。

敢えて不合理を押し通し、龍は俺に焔を吐くべく、息を吸い込む。

狭い通路に逃げ場はナイ。

とはいえ、このまま丸焼けになるワケにはいかない。


俺は龍に向かってダッシュ。

龍自身の尻尾を盾にする。

自分の焔で、尻尾を丸焼きにするがヨイ。


グォン

焔は吐かれず、尻尾が振り回される。

そりゃまーそーだよね。

そんなバカじゃないよね。


幸い、尻尾と通路の間に隙間が開き、そこに滑り込む。

龍は俺1人を目の仇にして、跳ね飛ばそうとする。

そうはさせじと逃げ回る俺。

ランニングノルマのおかげか、脚がつることは無い。

だが、次第に追い詰められていく。


「イァアアッ!!」

気合一閃。

隊長の"悪魔の剣+3"が龍の胴を貫く。

貫かれた部分から、土に還っていく龍。


まだ生きている龍の頭部は、俺を見据えながら巨大な口を開けた。

喉の奥に渦巻く焔。

それが、スローモーションのように、俺に伸びて来るのが見えた。


死の直前、時が引き伸ばされ、全てが遅く見える。

そんな話を良く聞く。

今の俺が、正にそうだった。

だが、1つだけ違う部分があった。


俺は動けたのだ。


引き伸ばされた時の中、俺だけがゆっくりと動いている。

手足に全力を込め、龍の胴を飛び越え、尻尾を蹴り飛ばし、龍の頭部に向かった。

空手で言う三角飛びだ。

迫る焔をギリギリでかわし、通路に転がる。


ギンッ

龍の瞳だけが俺を追う。が残念、時間切れだ。

その瞳ごと龍は頭部まで土塊に還り、崩れ落ちた。

"コドモオオトカゲ"については、「第五圏 憤怒の迷宮1 -禁魔-」参照

次回は7/8頃の投稿です。

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