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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第一圏 辺獄の迷宮
7/106

呑み会 一次会 -入隊-

「それではミズの復活と、コウの参加を祝って」

「「「乾杯~!」」」

コウって誰?

俺?


ミズさんの復活から1日経ち、全快した彼女を含めて俺達は基地内の居酒屋(ぱらいぞ)に集まっていた。

メンツは俺、ミズさん、タダ君と、ローブの眼鏡男ことトウ氏。

キンキンに冷えたジョッキに、これまた冷えひえのビールちゃん。

く~~っ!染みる~っ、五臓六腑に染み渡る~っ。


昨日、ミズさん復活の後で司令官に説得され、探索に参加することになった。

復活するための装置は、箱の中の金貨を必要とする。

俺が箱を開けたから、ミズさんは復活できたらしい。

合ったとき既に死んでいた"彼"も、別の分隊が探索して回収したと聞いている。


鍵師の技を必要としてくれる人がいるなんて、思ってなかった。

人類を超えた文明に触れるなんて、想像もしてなかった。

その上、仕事も、出さなくちゃいけない報告書も、気にする必要は無いと言って貰ったし!


怪物は怖いけど、復活できるなら我慢する。

完全に死んでいたはずの彼女は、ビールに頬を染め、朗らかな笑みを浮かべていた。

ミズさん、身体はもう大丈夫のようですね。


「ミズって呼んで。この小隊では、お互い呼び捨てタメ口が慣わしなの」

「タダは先生と呼んでるし敬語だけどな」

「しかたないじゃないですか、担当教官ですよ! 僕の卒業判定する人ですよ!」

3人とは、既に名刺交換済みだ。タダ君--タダは名刺なかったけど。


ミズ--鍋島瑞希さん、熊本大学 文学部 歴史学科 教授。

タダ--寺沢忠志君、同4年生。

トウ--立花藤次さん、九州大学 理学部 数学科 准教授。

正直、そんなアカデミックな方々とは思わなかった。

トウは丸眼鏡に長い髪を後ろで縛った自由人な感じだし、ミズはつややかな黒髪で妙に色っぽくまるで熟女パ…いやなんでもない。


皆の呼び名は、名前の上2文字を取って呼んでいるらしい。

俺は益田浩二だから、コウなのか。

俺も含めて4名とも民間人だが、便宜上、入隊して自衛官になっている。

けど4人ともまあ、迷彩服が似合わないことと言ったらもう。


「隊長だって、"先生"で良いって言ってたじゃないですか」

タダの言い訳は続いていた。

「そもそも僕は、先生に比べて段違いに若いんで…すか…ら」

急に居酒屋に冷気が立ち込め、タダが口ごもる。

ミズの目が怖い。とても怖い。


「それにしてもコウ、よく入隊してくれた」

トウ、GJ!

よくぞ、この凍りついた雰囲気の中、話を変えてくれた!

「そうよねぇ、私だったらとても出来ないわ」

え?

だって皆さん、入隊してるよね?


「ま、ありゃ半ば騙されたな」

「司令官の口車に乗せられました」

「まさか、怪物と戦うなんてねぇ」

あれ?

聞き捨てならない言葉がある。

司令官の口車?


「あー、この顔は乗っちゃいましたね口車」

「人知を超えた文明の研究として勧誘されたけど、やってるのは戦闘だしな」

「ホントよね、死んだら復活できるとは限らないしねぇ」

更に聞き捨てならない言葉がある!

復活できるとは限らない!?


「あー、聞いてないって顔ですね」

「成功率は、ワリと高いんだけどな」

「私は幸運だったわ。今回ので2階級特進ってするのかしら?」

聞いてない。

聞いてないよーっ!


呆然とした俺の目に、TVのニュースが映った。

『東京都練馬区に住む会社員、益田浩二さん(38)が、旅行先で消息を絶ったとの発表がありました』

なんですとーっ!

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