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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第五圏 憤怒の迷宮
48/106

第五圏 憤怒の迷宮7 -割符-

隊長が、死んだ?


呆然と立ちすくんでいると、頬を張られた。ナツに。

「しっかりしろ!」

右頬を打たれた後、左頬も打たれた。

差し出してないのに!


「本玄室を探索後、出口まで後退して隊長を復活させる。その前にコウ、箱を」

隊長の遺体を抱え、ナツが指示を出す。

そして、目の前には箱。俺の仕事。


隊長が死んだ動揺を抑え、箱の前に座る。

細く息を吐き、吸う。

迷宮内では、俺は何故かすぐに落ち着くことができる。

何故かは判らない。判りたくもない。

まるで、俺の心は壊れているようだ。迷宮内限定で。


ただ、そのことは役に立つ。

鍵穴に差し込む針金が震えることも、焦りも、悲しみも無い。

ただ箱と俺、いや俺の持つ針金だけが其処にある。


カタリ

手ごたえあり。


中に入っていたのは、鎧と長剣、妙な形をした剣?、そして金貨だった。

なんだこの剣?

剣の持ち手は付いているが、バカにでかい柄から、5本の剣が延びている。

こんなの振れるのか?


道具などを回収した後、玄室を探索した。

すると、地下1階で見たのと同じような祭壇が有った。

祭壇に飾られている遺物は、石のような物体。

「僕が取ります」

タダが声を上げた。


そう、誰かが罠にかかる場合、彼が最も代替が利く。

冷静な、冷酷と言っても良い俺の心の一部が、そう告げる。

いや、冷酷ですらない。

感情が存在せず論理だけで動く部分。それが、迷宮に入ると俺の心の中で目覚める。


タダがその遺物を取り上げ、何事も起こらないことに、俺の心の多くの部分は安堵する。

良かった、タダ先生が亡くなったら、誰が俺に女性自衛官を紹介してくれるとゆーのか。

そんな心のおちゃらけた部分が、声を上げる。ちなみにその部分は、迷宮外でも元気いっぱい。


閑話休題。

「出口まで後退する」

ナツ分隊長代理の指示に従い、俺達は後退を始めた。


--


lá-leven(復活)

隊長が無事に復活して、ようやく一息つけた。

ありがとう! 拝金神父の劉さん。

金にはガメツいが、仕事はできる。


ir-kras()sen-kiuɑ()

ミズの魔法で全快した隊長は、俺達を見渡し、1人も欠けてないことを確かめるとニヤッと笑い、ナツから報告を受ける。


「さて、こいつは何だろうな」

カークが、タダが取って来た石を見ながら言う。

万一に備え、遺体捜索の用意をしてくれてたらしい。

米軍パーティが全員集合している。


「おそらく、あそこの部分よ」

ミズが指差す先には、地獄門があった。

迷宮の入り口。"汝ら此処に入る者、一切の望みを捨てよ"と書かれた門だ。

色々な字が書かれた部分の上の方。一箇所、文字が一部欠けている部分があった。


「あの欠けた部分は"CITTÀ"。後ろの"DOLENTE"と合わせて、憂いの都(ディーテの市)を示す言葉よ」

「そうか!」

どゆこと?


「地下5階の閉ざされた門、あれは『神曲』ではディーテの市の門に当たるわ」

つまり、とミズは説明する。

「"CITTÀ"の文字が欠けているから、私達はあの門を通れない」

ならば。

「この石を在るべき場所に戻せば、多分」

通れるようになるのか。

「多分ね」

ちょっと自信が無さそうなミズ。


まぁ良い。やってみるだけだ。

そしてそれでも通れなかった場合は

天の岩戸作戦(最終手段)が発動されるのだ。きっと。

"地下1階で見た祭壇"については、「第一圏 辺獄の迷宮3 -脱出-」参照

"門"については、「第二圏 肉欲の迷宮3 -降下-」参照

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