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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第五圏 憤怒の迷宮
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第五圏 憤怒の迷宮6 -武士-

地下4階、未探索領域。

以前、米軍が全滅寸前になった場所だ。

凄まじく強力な怪物が出た場所だ。

政治レベルの交渉により、先に日本側が探索する権利を得たらしい。


誰だよ、そんな余計な交渉しちゃうの。

そういう危ない領域は、米軍にお願いしちゃいたい!

あ、俺は米軍パーティにも入ってるコウモリ男だった。

どっちにしても詰んでるってコト?


いや、この前みたいに、トウが米軍パーティに入ればヨイ。

だがそうなると、ナタリーかキャリーというグラマー美人が犠牲になるかも知れない。

それは人類にとって、特に俺にとって大きな損失である。

特にナタリーは何かと、その、積極的な接触が、ねぇ。


このように俺が人類の得失に想いを至らせている間に、地下4階の扉が目の前である。

地下1階で発見した鍵を使う。

後は神様仏様ご先祖様!

どうかこの俺を、お守りください。

タダやトウなら犠牲にして構いません。


扉が開き、閉まる。

警報のような音が鳴り響き、複数の足音が近づいて来る。

鬼のような影が見えた。


鬼の角と思ったのは、兜の飾りだった。

目の前に現れたのは、戦国時代を思わせる鎧兜を装備した武士。その後ろには、十体近くの人型。

だが一瞬、奴等は俺達を見失う。

影を見た瞬間、隊長の指示で俺達は左右に分かれ、壁に張り付いたのだ。


たたらを踏んで立ち止まる怪物の群れに、俺達が襲い掛かる。

lá-muur-ɔː(大壁)

ir-stem(沈黙)

ɔː-hi-con()centração()

後衛の3人が呪文を詠唱する。

だがそれだけじゃない。


ɔː-zái-ir(大滅)

俺が広げた巻物から魔法が発動する。

全ての怪物が劫火に包まれる。

隊長が飛び込み、長剣が武士の胴を貫く。

ナツの長剣が腕を薙ぐ。


先手を取り、怪物の最前列の武士は半減。後続も被害を受けたはずだ。

だが、やはり奴等は強敵だった。

なぜ米軍前衛3名が殺られたか、それは1体の化物に依るものだった。


暗闇に白い目だけが浮かぶ。

その目が俺を見据える。

次の瞬間、ざっくりやられた。俺の盾が。


そいつの刃が盾に当たったのは、偶然だ。

次の巻物を取り出そうと懐に手をやった動き、それが俺の命を守った。

だが、左腕は衝撃に痺れて動かなくなる。


返す刃が閃き、俺の首に迫る。

ヤバい。

盾も向けられない。

避ける余裕もない。

その時、ナツが飛び込んできた。


ナツはそいつに、身体ごと盾をぶつけ。

次の瞬間、ナツの左腕が飛んだ。

俺の首の替わりに。


大量の血が、肩の動脈から噴出する。

辺り一面が血の海になり、ナツは蒼白となった顔で、それでも相手を睨む。


巻物が俺の手の中に有った。

これが、目的の巻物かどうか確かめてる暇は無い。

運を天に任せ、俺は巻物を広げる。

ir-kras()sen-kiuɑ()


ナツの切り落とされた腕が光りを放ち、その光が左肩に集まる。

光が消えるより前に、ナツはそいつの剣撃を盾で防ぎ、右手の長剣を振るった。

そいつが土に還る一瞬、動きが止まり、その正体が判った。

忍者。

黒い布だけを纏い、防御を捨て、全てを攻撃に振り向けた暗殺者。

その姿は、重力に引かれ粉々となった。


ɔː-hi-con()centração()

俺が広げた次の巻物が呪文を詠唱する。

1体、また1体と人型が倒れていく。

火と鉄と音が収まると、そこに立っていたのは俺達だけだった。


貧血を起こし、倒れそうになる俺を、ナツが支えた。

その目は俺を見ておらず、常に周囲を監視--していなかった。


ナツの視線の先には、血まみれとなり、動かなくなった隊長の身体があった。

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