WG報告 -悪魔-
このWG報告シリーズは、ファンタジーをSFにこじつけようとした結果です。
ストーリには関係ありませんので、読まなくても大丈夫。
第4回 怪物に関するワーキンググループ
迷宮内で遭遇する怪物は、倒した後に土に戻る。これは土内にあるナノマシンが怪物の本体であるためと考えられる。
今回、倒した後も土に戻らない怪物、通称「悪魔」のサンプルを入手した。
そのサンプルに対する事実の整理、及びそれに基づく仮説を提示する。
1.解剖結果
サンプルである手及び頭部は、ヒトに類似した構造である。ただし、以下の通り差異が見られる。
a.鱗で覆われた皮膚
b.左右に開く(ネコ状の)瞳孔
c.逆転した網膜と視神経
特に逆転した網膜と視神経は脊索動物門では有り得ず、(タコ及びイカなど)軟体動物門で見られる構造となっている。
鱗で覆われた皮膚はかなり強靭であり、ワニ及びカメと同等の硬度を持っている。
左右に開く瞳孔と、逆転した網膜と視神経の位置は、眼球の性能がヒトを上回っていることを示唆している。
一方、脳は大脳、間脳、脳幹、及び小脳という領域、大脳皮質の脳溝の位置、神経細胞レベルまでヒトと同一である。このため、当該サンプルはヒトと同様に思考する生物であり、意思疎通ができた可能性がある。
2.細胞内構造
細胞内の構造はヒトと同一であった。
染色体はヒトと同じ22対であり、性染色体がXYであったことから、男であると考えられる。
3.遺伝情報
DNAの塩基配列を解析した結果、約14%がヒトと異なっていた。
ヒトと異なる配列を分析した結果、一部に他哺乳類及び爬虫類の塩基配列との類似が見られた。
但し、約3%の塩基配列は完全に独自の配列であり、塩基配列データベース内には類似の配列が存在しない。
なお、Y染色体ハプログループはR1b。これは西及び南ヨーロッパに顕著に分布している系統である。
一方、ミトコンドリアDNAは完全にヒトと同一であり、ハプログループはD4。これは日本人に最も多い系統である。
4.仮説
どのような進化論も、核DNAのみ14%の差異を選択的に発生させることはできない。
上記1~3の事実からも、当該サンプルはヒトの核DNAに他哺乳類及び爬虫類の塩基配列を導入し、更に独自の塩基配列を導入して作られた人工生命であると考えられる。




