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ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第一圏 辺獄の迷宮
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第一圏 辺獄の迷宮3 -脱出-

2人、2人もだ。

1時間も経ってない内に、2人も死んでる。

此処はいったい何処だ。本当に日本なのか?


ミズさんの遺体は、ローブの眼鏡男と俺が交互に背負い、連れて行くことになった。

彼女の装備は、俺が身に付けた。

細川さんも、今度は置いて行くとは言わなかった。


--


探索して判ったことは、この通路には3つの扉があること。

その内1つは皆が現れた扉で、行き止まりらしい。

今、俺達は2番目の扉の前に居る。

細川さんがドアを蹴り開ける直前に、ふと思った。


皆は何処から此処に入って来たたんだ?


扉が開き、閉まる。

それなりの広さがある部屋だが、出口は無い。

次の瞬間、急激に気温が下がってきた。

空気が渦巻き、中心に光が集まる。

そして人型が現れた。


幽霊。

柳の枝の下に出る、足の無いヤツだ。

それが今、俺の目の前に居る。


先ほどのゾンビも信じ難いが、幽霊は更にありえない。

だが居る。確かに居る。

身体を通して向こうの壁が透けて見えるが、存在している。

その上ヤツは攻撃してくる。


手に長い爪が現れ、腕が伸びる。

細川さんの目前で爪が閃く。

貫こうとする爪を、ロボがかわす。


前衛の3人は、幽霊の攻撃をかわしながら近づいていく。

1名は食らっていたが、それでも前進する。

あ、倒れた。


幽霊の攻撃が俺に向く。

横っ飛びに避ける。というか、とにかく逃げ回る。

逃げるだけの俺でも、役に立ったらしい。

俺が攻撃をひきつけているうちに、細川さんとロボの剣が幽霊に届いた。


細川さんが剣を突き出すと、幽霊は飛ばされた。

すげぇ、幽霊に剣が通用するのか。

そして飛ばされた先には、ロボが待ち受けていた。


ロボの剣が幽霊の胴を薙ぐ。

やったか!

幽霊の胴に一瞬切れ目が走るが、直ぐ元通りになる。


腕が伸び、爪が俺を襲う。

かわし切れず盾で防ぐ。と、身体がばらばらになりそうな衝撃に襲われ、吹き飛んだ。

幽霊の伸びた腕を、細川さんの剣が断つ。


吹き飛んだ俺の前に、ローブの眼鏡男が立つ。

tʃ-hi-con()centração()


彼が聞いたことが無い言葉を発すると、幾多もの火の矢が幽霊を襲った。

その矢は幽霊が避けても追いすがり、貫く。

矢がローブの眼鏡男の掌から出ていることに驚き、動きをとめてしまう。

次の瞬間、左肩に焼けるような痛みが走った。


幽霊の腕が再生し、俺の肩を爪で抉っていた。

革鎧とライディングジャケットのプロテクターが有ってまだ良かった。それほど深い傷じゃ無い。

だが、もう一方の腕がたわみ、俺に向かって伸びる。

俺の首に向かって。


思わず目を閉じる。が、痛みは来なかった。

目を開くと、細川さんの剣が幽霊の胸に突き立っていた。

耳には聞こえぬ声が響き、幽霊は消えていった。


--


「皆、無事か」

細川さんの声に、各々声を出したり腕を上げたりして応える。

タダ君だけはうつ伏せに突っ伏し、身動きもしていない。

ローブの眼鏡男が駆け寄る。

「大丈夫、麻痺しているだけだ」

それは大丈夫なのか?


ローブの眼鏡男が袂から巻物を出して広げる

lá-bew()ustzijn()


また聞いた事の無い言葉が響いた。

と、ビクンと身体が跳ね、起き上がるタダ君。

なんだ!?今のは。


それにさっき、掌から火の矢を飛ばしてたよね!

魔法か?魔法使いなのか?

ローブ着てるし、いかにもそれっぽいけど、本物なのか?


「全て後で説明する。外に出れたらな」

ローブの眼鏡男の言葉に、疑問を飲み込む。

今は質問の時じゃない。

細川さんがこちらを向き、片手で俺を拝んでいた。

俺にしか出来ないことをやる時だ。


箱の中身は金貨と小刀、そして凝った意匠の鍵だった。

どこの鍵かは判らない。ただ、箱の鍵とは明らかに形が違う。

それらは細川さんとロボが分けて持ち、俺達は通路に戻りもう1つの扉へ向かう。


--


扉が開き、閉まる。

さっきの扉もそうだが、凄い勢いで開き、直ぐ閉まる。

急いで通り抜けないと、挟まれたら大怪我間違いなしだ。

設計者は誰だ。こちらにはPL法で訴える用意があるぞ。


幸いにして、ゾンビも幽霊も居なかった。

先ほどと同じような通路が、目の前に延びていた。

デジャヴュに襲われ、思わず後ろを振り向く。

もちろん愛車は無かった。

だが扉も無かった。


なんで?

おかしいだろ、今通った扉は何処に行った?

PL法が怖くて逃げ出したのか!


前後をきょろきょろ見ている俺を、ローブの眼鏡男がつつく。

疑問は山のようにあるが、置いて行かれるわけにはいかない。

突き当たりの扉を潜ると広間になっていて、奥に階段があった。


「トウ、ここは何処だ」

細川さんがローブの眼鏡男に聞く。

彼は目を閉じ、呪文を詠唱した。

ɔː-iki-(座標)saber(感知)

目を開き笑みを浮かべる。


「出口だ」

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