表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン&第16普通科連隊ズ  作者: tema
第四圏 貪欲の迷宮
34/106

呑み会 八次会 -善悪-

今日はいつもの居酒屋(ぱらいぞ)じゃなく、米軍管轄区域にあるダイニングバー(HEAVEN)

強い酒が目の前でガンガン開けられている。

いや、俺はいつもの通りビール。


米軍パーティの人たちは、今日の探索について大声であーでも無い、こーでも無いと、振り返りをしてる。多分。

英語は判らんが、身振り手振りで判るもんだ。

ところで、科学者とか軍人以外が同席してるけどいいのか?

秘密保持とか、機密遵守とか、他言無用とか。


リリリン

グラスをスプーンで叩き、カークが注目を集める。

「皆、本日の主役を紹介しよう」

俺の横に座ったマークが、カークの言葉を同時通訳してくれる。

「今日からパーティの一員になったコウ、凄腕の盗賊だ」

だから盗賊チガウ!


あれ? マークの通訳が途切れた。

キャーッ!

急に上がる女性の悲鳴。そして皆が俺の方を見る。

「これは通訳するには、少々セクシャル過ぎる」

ちょっと、何言ってくれちゃってんの、カーク隊長!


俺の周りから女性が遠ざかり、男ばっかりになる。

むさい。

そして悲しい。


「何だビールなのか、コウ」

マッコイが近づいてくる。

彼の手にあるのは、火気厳禁な高濃度アルコールだ。

そんなの呑んで大丈夫なのか。

少なくとも俺は大丈夫(だいじょば)ないぞ。


「本来は、日本側パーティも呼びたいところなんだがな」

くっ、とショットグラスを開けるマッコイ。

「少々活動方針に差はあるが、万一の時は助け合う関係だ」


確かに、カツを復活させようとした時に、米軍は快く金貨を貸してくれた。

米軍が全滅寸前だった時、隊長は直ぐに捜索に向かった。

ただ、どうしようもなく方針は違う。


自衛隊は、国民を護ることを第一にしてますからね。

「敬語は抜きだ、コウ」

こっちでもか。

「俺達も国民を護ることを考えている。米国民だけじゃなく日本国民もな」

でも、やり方は違う。どちらが正しいかは判らんが。


「ほう、コウは中立派か」

ショットグラスが純度の高いアルコールで満たされる。

「俺達は、必要ならば敵を殺す。まぁ大概、俺達の敵は人間なんだがな」

そうか。

彼らは、人間を殺すことがあるんだ。


「だから、できるなら殺さずに済ませたい」

敵が怪物であっても?

「人型の怪物も居るだろ。彼らが人間じゃ無いって誰が言った?」

いや、

いやいやいや、

だって倒したら土に戻るじゃん!

「じゃぁ、倒しても土に戻らなかったら、どうする? 怪物と人間に違いはあるのか?」


「倒さなくちゃ土に戻るかどうかは判らない。お前はどうやって怪物と人間を見分けるんだ?」


--


パーティが終わって、営舎に帰る途中でも、俺の耳にはマッコイの言葉がこびりついていた。

--倒しても土に戻らなかったら、どうする?

--どうやって怪物と人間を見分けるんだ?

俺には判らない。

自衛隊と米軍、どちらが正しいのか判らない。


営舎の前に、隊長とナツが待っていた。

隊長は済まなそうな顔で、俺の胸についた記章を毟り取った。

「ナツ、司令に」

ナツが記章を受け取って、駆けて行く。


なに?

なにが起きている?

俺はクビってことか?


「すまない。記章に(バグ)を仕掛けさせて貰った」

虫--盗聴器か!

「これは自分の一存だ。ナツは反対した」


俺には判らない。

自衛隊と米軍、どちらが正しいのか判らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ