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【三十四日目】

【三十四日目】

 道を作ろうか。

 今日まで獣道ですらない道無き道を歩き続けたのだが、効率化を図るためにも道はあった方が良いだろう。

 泉に続く道や、キノコ群生地帯に続く道、果物が生る木に続く道。遠くて面倒なのだが、川につながる道も後々のことを考えればあった方が良いのかもしれない。

 エディさんがいったい何時になったらアウトドア人間になれるのか想像できないので、長期戦を想定して、道を作る決心がついた。

 これまでは目の前の邪魔な枝葉を鉈で打ち落とすぐらいしかしていなかったが、これまで通ってきた場所に踏み木を置いたり土を盛ったり枯葉を掃除したりと整備して、一季節が巡ったぐらいでは道中を邪魔されないように大きく枝落ちをしておこう。

 とりあえず最初に、拠点としている洞窟から海岸に続く道を整備した。

 俺的にその道は初心者コースの獣道なのだが、俺基準で考えてはいけない。スポーツをやっている人でさえそれなりに険しいと感じるはずの荒れた道。貧弱エディさんにとっては密林のジャングルのように感じていたはずだ。一応、道らしきものがあるってだけで、五十センチほどの高低差なら無数にあった六百メートルほどの獣道だからな。

 岩などが多かったのでまずはそれらを適度に取り除き、アップダウンの激しい道を全体的にすこし平らに均す。高低差が一メートルになる場所にはツタロープを配備して、おまけに段差となる石を置いて、一人でも楽に昇り降りができるようにする。海岸線に近くなればなるほど砂の割合が増して、すこし滑りやすい一帯が存在するので踏み木を地面に打ち付けて滑りにくい場所を設置した。

 うむ、良い汗かいたぜ!

 かなりハイペースで作業したが、一日がかりの大事業になってしまった。

 それもそのはず、今日だけで俺が運んだ資材や撤去した岩の重量合計を適当に計算してみれば八トンぐらい。普通だったら一人の人間が人力のみでできる仕事量じゃない。無尽蔵の体力があるからこその出鱈目だ。

 ――――だが、以前からこれぐらいはできたような気がする。

ファンタジーな体力が無い限り、そんなことできるはずも無いのに……。


それはやっぱり気の所為だな。






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