【二十七日目】
【二十七日目】
目を覚ますと、世界は明るかった。
世界は素晴らしいんだと訴えかけるように洞窟入口へ陽光が射し、小鳥は世界を謳歌するように楽しげに歌い、遠くから聞こえる海のさざ波は優しく俺を出迎える。
……あー。
生きてますねー、俺。
今回ばかりは死んだものだと思っていた。
俺は直感を大事にしてるが、当たる確率は五割程度。厳密に統計を取れば外れる確率よりも当たる確率の方が倍以上高いだろうけど、気分的には五割程度。よく外れる。
だから、死んでいなくてよかったですね。勘が外れて幸いです。
生きている喜びを噛みしめる。
ふと、感覚を下半身に向けると足が動かなかった。
はてな、と。
いやいや、べつに病気の後遺症ではない。ただ単純に何か重いモノが俺の足を抑えつけているだけだ。
横たわっている上半身を持ち上げて、下半身の上にあるモノを見ると、それはエディさんだった。
あまり睡眠を取っていないのか前見た時よりも少しやつれているようにも見えるが、すやすやと俺の上に体を預けているところを見ると、ご飯だけはしっかりと食べているのかな?
まあ、元気そうで何よりだ。
相変わらずその寝顔はどこかキツイ印象があったけど、健気に俺を看病してくれたのかと思えば、そのキツイ表情もどこか微笑ましい。
すやすやエディさんを起こさないようにゆっくりと足を抜き、静かにベッドの上へ寝かしつける。
んんー。と、背伸び一つ。
いったい何日眠っていたのか分からんが、たるんでいるだろう体に活を入れるべく、軽い運動を始める。
……あれ?
どこか違和感が……。
その違和感がなんなのか、どこから発生しているのかその元凶を突きとめようとして、何故か左回りに一回転。
なんで回転?
自分でもよく分からないが、どうも左側に違和感の元凶がある気が……。
うむ、その違和感ってなんだろう。
すごく身近にあるような気がするのだが、なかなかそれが見つからない。どこに移動しても、何故か左側で感じる不思議違和感。
しかしどれだけ探しても何もおかしなところは見つからない。
しょうがない、そんな重大な違和感でもないので原因究明を諦める。俺が作った椅子はすべて洞窟内に並べて置いてあったので、《左手》で竹のチェアーを持ち上げ、外に出して日光浴でもすることにした。
……ああ、なるほど。いま合点がいった。左指の骨折が治っているんですね。あまりに自然すぎて気付かなかった。
――――って、ええええええぇ?




