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【二十三日目】

【二十三日目】

 お肉をゲットしました。

 念願のお肉だ。

 しかしこれは、素直に喜んでいいものなのか?

 罠に引っかかっていた獲物はファンタジーな生物だった。

 鱗に覆われた体表に退化した二本の後ろ脚。しかし二本の前足は逆に発達していて、その太さは胴体と同じぐらい。まるで前脚に胴体が付属しているイメージを抱かせるアンバランスな体形の、どこかトカゲに似た生物。

 そんな不気味進化をした生物が罠のツタロープに前足を挟まれて、ぶらぶらと宙に浮いていました。

 うっおっおー。

マジでどうしよー。

 これは罠を仕掛けた者の礼儀として、ちゃんと召し上がるべきなのか。それとも見なかったことにして逃がしてやるのが正解なのか。悩んでも分からないことに時間を費やすのも馬鹿らしいので、エディさんの意見を聞くことに。

洞窟内でヒマしているエディさんをすこし強引に連れ出し、絶賛罠に引っかかり中のトカゲらしき生物を見せてみる。

うわ。すげー嫌な顔をした。

 雰囲気的に、どうやらエディさんにとっても、あまり馴染みのない生物のようだ。

 言葉が伝わらないので、食べれるかどうかの検証はできない。

 しかしながらこのトカゲもどきを肉に仕立て上げたとして、おそらくエディさんは食べないだろう。トカゲ肉は美味しいから、できれば俺は食いたいけど、ファンタジーな毒がどのようなものなのか不明で怖いので味見をするのはやめておこうか。

 ロープを切って逃がしてやることにした。

 折角の獲物が、……残念だ。

 クヨクヨしても仕方がない。だいたいトラップ自体がそんなに成功率の高いものでもないのだ。食べられる獲物が引っかかっていれば万々歳。運任せの神頼みのようなもので、宝くじのようなもの。もちろん宝くじよりかは確率が高いかもだが、ヒットしたら神に感謝するべきことかもしれない。

 気持ちを切り替えて次に行こう。


 今日はベッドを作るべく、資材集めに竹林へ。

 いま俺の頭の中では、竹のベッドを構築中。竹林に辿り着いた俺はどのような手順でベッドを作るかを構想しつつ、竹を斧でばっさばっさと切り落とす。中ぐらいの太さの竹を六本。そのうち一本を除いてすべての枝を鉈で切り落とし、真っ直ぐな棒状にさせる。

 さて、運ぼうか。

棒状になった五本はツタロープでまとめ一塊として、その上に枝落ちしてない一本を乗せて、引きずるように洞窟へと戻る。

左手は使えないのでもどかしかった。俺はとにかく気になったことは何でもやる性格で、足を手のように扱う訓練もしたことあるが、飽きっぽい性格が災いして手ほどに足は器用では無い。ロープで竹をまとめる時に足も使用したが、久しぶりなので攣った。うおおおおぅ、と呻く俺。足まで怪我をしたらどうするつもりだったのだろうか。

 洞窟入口まで竹を運んだ俺は、さっそくベッド作りに着手する。

 長さが二百三十センチほどになるように切り分けて横並びに揃えて、バラけないように竹紐でしっかりと繋げる。これだけで竹の土台の完成だ。あとは体が接する面の凹凸部分をすこしでも減らすため、枝が残っている竹から丁度良い太さの枝を選んで切り落とし、凹凸部分を埋めていく。だいたい水平になったと納得できれば、再度竹紐でバラけないように固定して終了。柔らか素材を敷き詰めればベッドとして充分役割を果たしてくれるだろう。

 それをもう一つ作れば、とりあえず文明人としての最低限の見栄えが整ったはずだ。

 頑張った、良くやったぜ俺っ!

 しかしあらためて客観視すると、うむ。どうだろう。

 洞窟内や、その外を見ると、俺が作った家具や道具がけっこうあった。

 洞窟外部には丸太の椅子や竹のチェアー、竹のテーブル、調理窯。

 洞窟内部には先程作った竹製ベッドに加え、竹籠や鉄の葉包丁が転がっている。

 ……どう見てもこれ、文明人の住処じゃないよなぁ。

 大自然しかないこの世界が憎い。

 ここでどう俺が足掻いてもこの場所にいる限り、俺は文明人にはなれないようです。

悲しいことにそれが現実のようでした。




 昨日から物作りに熱中していた所為か、意外と頭がぼんやりとしていた。

 ……知恵熱?

 額に手を当ててみるが、熱はないようだ。







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