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散文集

ある愛のかたち

作者:

 お前はここにいて、私を呪っていればいい。


 私はここよりどこかへ行って、私にできることをする。


 お前にできることが、ただ私を呪うことだと思うのならば、


 お前はここにいて、私を呪っていればいい。



 私はここではない場所で、お前の呪いを受け止める。


 全ての呪詛を受け止める。


 そのくらいの覚悟はある。



 ただ、呪うお前をここで見続けることだけは、


 私を見ないお前を見守ることだけは、


 私にできることではない。




 わたしにできることはただ、


 わたしがあのひとを憎んでいるのだと信じている、


 あのひとをただ、想い続けることだけ。



 あのひとはそれを呪詛だと思っているけれど、


 それは本当は祈りなのだけれど。


 けれど、それも、本当は何でもいいのかもしれない。


 わたしはあのひとを想い続けていられればいい。


 あのひとはわたしに憎まれ続けることを願っている。



 それなら、それも、ひとつの愛ではないかしら。


 遠くに行ってしまったあのひとを想う今なら、わたしもそう思うことができるのです。

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