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怪談Night  作者: 蓬莱雪也
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進めない道




 人間、生きてれば不思議な事に出会う。

 その時にはなんとも思ってなくても、後から考えると、



アレは不思議だった



なんて思う様な事は結構あるはず。





 Eさんは無類の散歩好きである。

 休日は電車に乗って郊外へ行き、とにかく見知らぬ街をガイドも目的も無くぶらぶら歩き回る事を趣味にしている人である。


 そんなEさんが、




「絶対に入れない道があるんですよ」




という。



 その日Eさんは特に用事も無かったので、鎌倉へと来ていた。

 古都と謂われる街は、とにかく裏道や抜け道が驚く程存在する。その日のEさんは、そういった抜け道や裏道を歩き回っていた。




「あ、この道なんか良いな」




 目立たなく、隠れる様にあった小さい裏道。しかし風情と情緒に溢れ、素敵な景色を生み出している。

 Eさんは意気揚々と道に足を踏み入れていく。だが、50メートルも行かない内に異変が起きた。





足が先に進まない





 体調がおかしいというわけでもない。

 疲れているわけでもない。

 ただ、前に進めない。前に進まない。

 それでもゆっくりと少しずつ、だが確実に歩いていく。



 だが、不意にEさんの体に大きな異変が起きた。


 肩に何かが乗り、足を思い切り掴まれてる感覚。





重い





あぁ、この道ってこういう所なんだ





 Eさんは朧げにそう考えると、ゆっくり後ろにさがって元来た道を引き返した。




「路地とか裏道とか歩いてると、直感的に絶対入れない道とかって絶対あるんです。他の人は平気でも自分だけは無理っていう様な所がね」




 Eさん曰くそういう事なのだそうだ。





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