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タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


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50話 成果報告

 ブレイドビートルの討伐と、ルインに"清算“をして、そろそろネオライトの外壁が見えてくる頃合いになって、


「……良かったのですか?」


 ふと、アイリスがそう訊ねてきた。


「何がだ?」


「ルインさん達のことです。もっと言いたいこととか、話したいこととか、あったのでは?」


 納得していないままになってないか、とアイリスは訊きたいらしい。

 少しだけ考えて、気持ちと思考の整理をつけてから答える。


「……正直、全部は納得していない。けど、ルインが俺をパーティから追い出そうとしたのは、本当に俺を排除しようと思っていたんじゃなくて、俺のためを思っての善意からだったのは分かった」


 それに、と付け足して。


「俺が口で言いたいことは、ほとんどアイリスが言ってくれたしな」


 言い方はまぁ正論詰めで、ルインが反論出来ないのを分かっていてそうしたのかもしれないが、横から聞いていた俺も聞くに堪えなくなってしまった。

 アイリスには悪いが、昔からの仲間を悪し様に言われるのは少し蟠るものがあったから、強引にやめさせたが。


「だから、あとはもう拳で言いたいことは伝えたつもりだ。「余計なお世話だよこのバカ野郎」ってな」


 冗談めかしつつ、右手をグッパと開閉する。


「そ、それで本当に伝わるのでしょうか?」


 殴って伝わることなんて痛みだけなのでは、とアイリスは困惑するが、


「多分、ルインならあの一発で分かってくれるさ。分かってくれなかったら、理解(わか)ってくれるまでぶん殴るだけだ」


「あの、それはつまり、ただの喧嘩では……?」


「あぁ、喧嘩だな。もちろん、どっちかが倒れるまで殴り合うぞ」


「わ、私だったら、そんなやり方じゃ絶対分かりません……」


「そりゃ残念だ」


 お嬢様には理解出来ない意志疎通のようだ。

 まぁそれはともかくとして、次にまたルイン達と出会ったら、一緒に酒でも飲むか。




 ネオライトに帰還し、酒場でオークの間引き依頼の達成の証である魔石十個と、その他オークから剥ぎ取った素材を提出。

 その後で、他の冒険者(ルインたち)が遂行中だったブレイドビートルの討伐を手伝ったことを伝えてから、その剥ぎ取った素材も提出。

 ブレイドビートルの討伐依頼は、既に王都のギルドで現在受注済みであることの確認は取れているので、依頼を手伝ったことを自己申告しておけば、ギルド間での情報の行き違いなども起きないだろう。

 オーク素材だけでなく、一部ながらブレイドビートルの素材も提出したおかげで、かなりの報酬を得ることが出来た。


「さてと、この後はどうするかね。昼飯を食うには、微妙なところだが」


 昼食と言える昼食は、道中で食べた携帯食料でとりあえず済ませてしまったし、今からどこかで間食を食べると、夕食に響きそうな、微妙な腹具合と時間帯だ。


「私は夕食まで待って大丈夫です」


 アイリスは間食せずに夕食まで待つと言う。


「そうか。なら、まずはエトナに依頼達成の報告をしておくか」


 義務付けられているわけではないが、専属冒険者として、どんな依頼を受けて、何があったかを報告してほしい、とエトナから言われている。

 書類仕事の関係都合もあるのだろうが、それは俺の仕事じゃなくて彼女の仕事なので、こっちは報告をするだけだ。




 商隊の馬車の停留場に来ると、その一角にシートを広げ、その上に机や椅子を置いて、カリカリと書類にペンを走らせている、エトナの姿が見えた。

 他に置き場が無いのか、書物などはシートの上にそのまま積み重ねられている。足場悪そうだな。


「エトナ、今戻ったぞ」


「ただいま戻りました」


 声をかけるとエトナはすぐに反応し、ペンを置いてペコリと一礼する。


「お疲れ様です」


 もうギルド受付嬢では無いのに、制服を律儀に着こなしているエトナ。資格を剥奪されたわけではないし、何なら今でも冒険者関連の職と言えばその通りなので、別にギルド受付嬢の制服のままでもいいらしい。

 っと、それよりも今日の成果報告だ。


「オーク十頭の間引き依頼の達成。それと、その帰りに、他の冒険者が受注していた、ブレイドビートルの討伐を支援、これを討伐完了。以上だ」


 通常の依頼を完遂したその帰りに、他の冒険者の依頼の手伝い、とちょっとややこしい報告になってしまったが、エトナは特に混乱することもなく、素早く成果を書き込んでいく。


「達成おめでとうございます。それと、こちらからも連絡事項があります」


「連絡事項ですか?」


 アイリスがおうむ返しに訊き返す。

 俺としては、またアンドリューさんから何か頼み事だろうかと思ったのだが。


「本日付けで、シャオメイさんが商隊専属の料理番となりました。後ほど、ご挨拶をお願いします」


「シャオメイが?」


 アンドリューさんからのスカウトを受ける気になったと言うことか。


「今、炊事場の準備を整えているところです。あちらへ」


 エトナが指した方向には、専用スペースらしい場所にシャオメイがおり、組み立て式のテーブルや調理器具や食材、調味料などをあちこちに運んでは置き、運んでは置きを繰り返してとてんてこ舞いになっている。

 ちょっと手伝ってやるべきだな。


「報告は以上ですか?」


「あぁ、以上だな」


 アイリスにも何か報告忘れが無いか確認して、特に何もないので、これで報告は完了だ。

 よし、シャオメイを手伝いにいこう。

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― 新着の感想 ―
オーク素材。 木材のオークと勘違いしそうですね(ォィ そんでもってみんなの全身図があればなぁ(意味深
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