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タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


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41話 廃鉱のオーク討伐

 拠点での一休みを終えたら、早速オークの間引きにかかる。

 鉱山の内部と言っても、所々に通気口らしき穴がくり貫かれており、そこから日の光が差し込んでいるおかけで真っ暗とまでは言わないが、それなりに薄暗い。


「あの、リオさん。ひとつ良いでしょうか?」


 すると、どこか躊躇いがちにアイリスが挙手した。


「どうした?」


「今回の討伐目標は、小型のオークですよね?」


「そうだが、何か気になるのか?」


 オークはゴブリンよりは強いが、青銅級でも十分対処出来る程度のものだ。

 危険度の高低なら問題ないぞと答えようとしたら。


「その……オークと言うと。非常に野蛮で好戦的で、人間やエルフの女性を捕えては、何度も孕ませると……」


 もし捕まったら、とアイリスは顔を強張らせている。

 が、それは『間違った知識』なので、ちゃんと教えておこう。


「それは創作や読物におけるオークだな。実際のオークは、別に人間やエルフの女性を捕えたりしないぞ」


「そ、そうなのですか?」


「あぁ。それに、野蛮で好戦的と言うのも語弊があって、オークは本来理知的な魔物で、人間には基本的に無関心だ」


 まぁ縄張りに侵入者がいたら追い払いに来たりはするけどな、と付け足して。


「冷静に考えてみろ、俺はメスのオークを見たら興奮して、襲ったりすると思うか?」


「……思いません」


 もしもそこで「はい、思います」とか即答されたら、本気で凹むところだったから安心した。


「そうだな?それと同じで、オスのオークが人間の女性を見ても、"ニンゲン“としか認識しないんだ」


 アイリスが危惧しているようなことにはならないから安心しろ、と言うと「それなら、まぁ……」とアイリスは胸を撫で下ろした。


「だからと言って油断していい相手でもないぞ、ゴブリンよりは力も強くてタフだからな」


「分かりました」


 アイリスの不安要素を解消したので、地勢図を確かめながら鉱山内部を進む。




 鉱山の入口を抜けると、開けた空間に出た。

 この辺りから本格的に採掘を始めたのか、アリの巣のように道が枝分かれし、各所に朽ちたトロッコのレールなどが敷かれている。


「っと、早速見つかったな」


 俺達二人が入ってきた途端、縄張りを巡回していたのだろう二体の魔物――灰色の体表に潰れた鼻、突き出た下顎、隆々とした筋骨を持った――オークがこちらを発見したか、ヴフォヴフォと鼻を鳴らして威嚇してきた。

 石斧持ちと、人間が残していったものを拾ったか、ピッケルを持った奴だな。


「っ!」


 アイリスはオークを見るなりすぐさまレイピアを抜いて身構える。

 まだアイリスの中で「オークは野蛮で好戦的、女性を捕えて孕ませる」と言う認識が強いのか、必要以上に身持ちを堅くしているように見える。

 野蛮かどうかはともかく、好戦的なのはどっちだ、と思ったがそこは口にしないでおこう。

 彼女が臨戦態勢に入ったのを見て、オーク二頭は武器を構えてのしのしと向かってくる。


「アイリスは石斧持ちの方を頼む。俺はピッケル持ちをやる」


「分かりました……っ」


 まぁ、危なくなったら俺がフォローすればいいか。


 まずは俺が前に出て、ピッケル持ちのオークに狙いを付けて距離を詰めていく。アイリスは一歩ズラしたタイミングで俺に続き、回り込むように石斧持ちのオークを狙う。

 俺が狙うオークはピッケルを振りかぶって切っ先を俺に叩き付けようとするが、


 ――【タイム連打】、発動解除発動解除発動解除発動解除発動解除……


 途端、俺を含めた全ての時が一時停止と再生を繰り返す。


 ピッケルの間合いを確認しつつ――【タイム連打】、解除。

 踏み込みを半歩ズラし、振り下ろされるピッケルを躱すと同時に背中のロングソードの柄を手に取り、抜き放ち様にオークの胴体へ一閃。

 さすがにゴブリンよりも筋肉が分厚いからか、刃の通りが鈍い。

 が、慌てる必要はない。返す刀で逆袈裟に斬り上げ、一度そこで飛び下がり、振り上げられたピッケルを避ける。


「ふっ!」


 軸足を入れ換えて踏み込み、二度斬りつけて傷を負った部位へロングソードの切っ先を突き込む。

 深々とオークの胴体を背中まで貫き、すぐに引き抜いて距離を取る。

 最後のあがきに反撃を食らって余計な怪我をしたくないからな。

 致命傷を喰らったであろうオークは断末魔の鳴き声を上げてどすんと背中から倒れ、息絶える。


 アイリスはどうだ?

 すぐに振り返って彼女の今の状況を確認すると、オークの体表にいくつもの斬り傷を刻み付けているようだが、華奢なレイピアの刃ではなかなか致命傷を与えられないようだ。

 浅くも無視出来ない傷をいくつも負わされて、オークはヴフゥヴフゥと怒りに鼻息を荒くしている。

 石斧を振り回しながら突進するオークに、アイリスはスッと重心を低くして身構え――石斧がぶつかる寸前にひらりと身を躱し、


「えぇぃッ!」


 擦れ違い様にオークの首筋にレイピアを突き込む。

 急所を突かれたオークはゴヴッ、と短い断末魔と共に崩れ落ちる。


「ふぅ……」


 オークの首筋からレイピアを抜き、刀身に付着した血を払うアイリス。


「大丈夫か?」


「はい。少し手こずりましたけど、大丈夫です」


 俺はロングソードを、アイリスはレイピアを各々鞘に納めてから、オークの剥ぎ取りだ。

 魔石と牙を剥ぎ取って、と。


 目標討伐数は10体、あと8体だ。

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― 新着の感想 ―
 久しぶりの感想です。  一般通過オーク『いったいいつから、オークといえばくっころがお約束だと錯覚していた?』  なん……だと……  むしろゴリラやチンパンジーみたいな人間と似て非なる種族みたいな捉え…
いったいいつからそういう存在だと言われてるんですかねぇ。 どこぞの漫画にて、人間に対してキモイとか思ってるオークだかゴブリンだかが出たのを思い出しました。
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