僕
この物語は、僕がある晩に見た夢をもとに膨らませて書いたものです。
夢から覚めたとき、あまりにも印象が強くて、どうしても形に残したくなりました。
少し不思議で、でもどこかリアルな物語。
ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
僕は、ある街にある施設で暮らしている。
学校には通っていない。ただ毎日を、淡々と過ごしているだけだ。
この施設には、障がいを抱えている子や、親の事情で家で暮らせない子どもたちが集まっている。
その中で、僕は特に仲の良い兄弟――兄のたけるくんと、弟のまもる――と、いつも一緒に行動していた。
二人は軽い自閉症がある。
僕たちは、いつも男女5人でつるんでいた。
施設内では、わりと“ワルガキ”の部類に入っていて、指導員たちもきっと僕たちの扱いに手を焼いていたと思う。
気づけば、いつから二人と仲良くなったのかも、もう思い出せない。
ある日、いつものように悪さをしていた僕たちは、指導員にこっぴどく叱られた。
その声はいつもより大きく、怒りがにじみ出ているのが分かる。
僕たちの行動は、もう許されないところまで来ていた。
「お前たちは、もう出ていけ」
——
僕たちは海ではしゃいでいる。
そう、施設から追い出されたのだ。
波打ち際を駆け回り、砂に寝転び、ただその瞬間を楽しんでいた。
けれど、それも束の間だった。
「これからどうする?」
たけるくんが問いかけると、僕たちは誰も答えられず、沈黙が広がった。
行く当てもない。頼る人もいない。ただ、施設を追い出された僕たちは、これからのことを考えるしかなかった。
やがて、夜になった。
行き場を失った僕たちは、あてもなく街をさまよった。
明かりのついたコンビニ、楽しそうな声が聞こえる居酒屋、薄暗い路地。
そんな中、僕たちの前に、数人の男たちが現れた。
「おい、ガキども。何してんだ?」
不良たちだった。この街を仕切る反社グループの連中だ。
彼らは、僕たちが中学生くらいの年齢だったこともあって、興味を持ったのかもしれない。
「お前ら、ついてこいよ」
そう言われ、僕たちは戸惑いながらも、彼らについていった。
行き着いたのは、一軒家。
中に入ると、奥にふんぞり返って座る男がいた。
細身なのにガタイがよく、立ち上がれば僕たちよりずっと大きく見えそうだった。
そのうちの一人が彼に向かってヒソヒソと話していた——。
「お前ら、あそこの施設のもんだってな」
男は淡々と話した。
どうやら彼も、かつてあの施設で暮らしていたらしい。
名前はツカモト。24歳だという。
——
僕らはツカモトさんたちとかなり馴染んでいた。
だが、その楽しさもつかのままだった。目の前には大柄の男、ツカモトさんが大声で何かを叫んでいる。
大柄の男が腕を大きく振りかざした。
——
僕は目を覚ました。
「。。。夢だったのか?」
衝撃的な夢だった。僕が中学生のころに体験していたことだった。
いままで忘れていたようだ。あの二人はどうなったんだっけ?
ツカモトさんの家や施設に行ってみるか
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
小説を書くのはこれが初めてで、文章や言葉づかいに拙いところがあったかもしれません。
それでも、試行錯誤しながら続きを書いていこうと思っています。
この物語はまだ続きますので、次回もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。