Tシャツ
何気なく、着てますが。
Tシャツを着ようって あたまと両腕をとおすたび
こいつはなんておひとよしなんだって いつも思う
じぶんの内側に無遠慮にも
顔をつっこんで 両手でまさぐってきたぼくに
袋小路にしてとじこめるような意地悪をするどころか
じぶんのつごうのいい 唯一の出口へと
誘いこむことすらしないで
あたまと両腕のぶんで みっつ
ぼくに必要なだけの出口を
必要な場所にちゃんとあけといてくれるなんて
まったく おひとよしにもほどがある!
そんなふうにあきれながらも
だからこそ ぼくは安心して
あたまと両腕をとおそうと
Tシャツをかぶることができるんだ
おひとよしってのは けっして
わるく言ったつもりじゃあない
拘束衣じゃ、あるまいし(笑)