表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その体で『男友達』は無理があるだろう!?  作者: 赤金武蔵
第3章 共に夏の思い出を──

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/71

第66話 掻き立てられる情欲

 ちょうど夕飯時だからか、言われた通り温泉はほぼ貸し切り状態だった。

 俺以外には、おじいさんが室内温泉に入っているだけ。露天風呂には誰もおらず、手足を伸ばして入っても怒られない。贅沢すぎる。

 当たり前だが、男女は別で分かれているため、俺は一人淋しく温泉を堪能していた。



「ぶあぁ~……生き返る」



 今日一日、炎天下の中海に入っていたからか、体が強張っていたらしい。

 変に力の入っていた筋肉や心が、温泉に溶けていくのを感じる。

 目を閉じて木々が擦れる音に耳を傾けていると、竹柵の向こう……女湯の方から笑い声が聞こえてきた。この声、奏多か。



「京水、ジジ臭いぞ~」

「聞き耳立ててるんじゃねえよ」

「聞こえちゃったんだよ。ね~?」



 奏多の賛同を求める声に、他3人が笑った。



「この竹柵、キョウたんが思ってるより薄いからね。意外と声が筒抜けになるんだよ。覗こうと思えば覗けると思うから、頑張ってみて♡」

「だから覗かないっつってんでしょうが」

「え、覗かないの? ラブコメの定番じゃない?」

「ひと昔前すぎるし、ここは現実だ。普通に逮捕されるから」

「残念。今ベニちゃんが、竹柵の前でドスケベ蹲踞してるのに」



 なんだと!?



「してねーよ適当言ってんじゃねえ!!」

「ほべ!?」

「今のは純恋が悪い」



 どうやら杠に鉄拳制裁を加えられたらしい。

 そうか、嘘だったか。……いや知ってましたよ? 嘘に決まってるでしょ、HAHAHA☆

 ちょっと妄想しちゃったのは許してほしい。こちとら思春期なんだから。

 ギャーギャー騒いでいるみんなの声を聞きつつ、肩まで湯に浸かる。こっちは温泉で疲れを取っているんだ。あいつらが何を言おうと無視無視。



「にしても、カナたんもベニたんもでっけぇ~……」

「でしょ。ぼくの自慢です」

「アタシもでけー方だと思ってたけど、カナタはやばいな……」



 …………。



「羨ましい……いいなぁ……」

「まあまあ。ウチは麗奈のちっぱいも大好きだよ♪」

「ひゃ!? ちょ、触らないで、ばか純恋!」



 …………。



「それで言うと、純恋ちゃんのおっぱいは身長の割りに大きいから、めっちゃ大きく見えるよね」

「レナの胸も形いいよな。アタシはただデカいだけでさぁ」

「…………」

「嘘ですごめんなさいそんな怖い顔で睨まないで」



 …………。


 いや無視とか無理だろう、これは! おっぱいの話しかしてねーじゃん! やめてよ、これから雑魚寝すんのに気になって来ちゃうでしょうが!

 ダメだ。これ以上ここにいると、別の意味でのぼせそう。

 湯舟から立ち上がり、局部をタオルで隠して中に入ろうとすると、杠が声を掛けて来た。



「あれ? キョウちゃん、もう出るの?」

「あ、ああ。ちょっと疲れたから、先に部屋で休んでる」

「わかった。アタシらはもう少し入ってるから、ゆっくりしなよ」

「ありがとう」



 温泉で疲れを取ろうと思ったのに、なんで逆に疲れているんだろうか。

 ぐったりした体に鞭を打って風呂から出ると、丁度萬木の従姉妹のお姉さんと鉢合わせした。



「お? やあやあ。確か君は、氷室くんだったかな?」

「はい。すみません、急に泊まらせてもらっちゃって」

「大丈夫大丈夫。うちは民宿だから、お客さんを泊まらせるのが仕事だからさ」



 そう言ってくれると助かる。突然お邪魔したのに、夕飯まで用意してくれるし……本当にありがたい限りだ。

 お姉さんはにやにやしながら、吟味するように顔を見てくる。



「それより、女の子4人を連れた男ってどんな子かと思ったけど……こりゃ、なかなかいい男だね。4人を手玉に取ってんのかい? ん?」

「人聞きが悪いですね……みんなとは友達ってだけですよ」

「友達だろうと、相当信用してない相手じゃないと雑魚寝なんて許さないっしょ」



 まあ……そうなのかも。いくら友達でも、男女の雑魚寝なんて許さない。というか、拒否する方が普通だ。

 よく言えば、信用している。悪く言えば、男として見られていない。何それ悲しい。



「っと、そうだ。氷室くん、ちょいと待ってて」



 お姉さんはバタバタとどっかに行くと、数分もしないうちに戻ってきた。



「はいこれ。あげる」

「え?」



 押し付けられた小さい箱。まじまじと見ると……ゴムだった。



「ヤってもいいけど、避妊しなよ☆」



 喧しい。

続きが気になる方、【評価】と【ブクマ】と【いいね】をどうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ