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その体で『男友達』は無理があるだろう!?  作者: 赤金武蔵
第3章 共に夏の思い出を──

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第61話 恋する乙女のアピール合戦

 みんなの所に向かうと、いち早く俺に気付いた奏多がこっちに近付いてきた。



「京水、大丈夫? ちゃんと休めた?」

「ああ。心配かけて悪かったな」

「ぼくたちこそ、はしゃぎすぎちゃって……ごめんね」



 あらまあ。あの奏多がしおらしいことで。ちょっと落ち込んでるし。

 安心させるように奏多の頭を撫でて微笑む。俺の機嫌がいいことを察したのか、安堵の息を吐いて満面の笑みを見せた。そうそう、奏多は笑顔がよく似合うぞ。



「キョウちゃん。せっかくみんなで遊んでるんだから、彼女とばっかりイチャイチャしないの」



 と、杠がムッとした顔で近付いてきた。



「イチャイチャなんてしてないです~。これがぼくたちのいつもの距離感です~」



 ばっちばちに睨み合う二人。さっきまで仲良く遊んでたはずなのに、なんでいきなり喧嘩すんだよ。やっぱり仲悪いの、お前ら?

 睨み合う二人の間に挟まって棒立ちになっていると、萬木がニヤニヤしながら近づいて来た。



「さっすがキョウたん。モテモテだね」

「二人の仲の悪さに巻き込まれてるだけなんだが」

「やれやれ……原因が君ってことを理解した方がいいよ」

「え」



 俺? 原因、俺なの? なんで?

 萬木の言葉に困惑する。俺、奏多、杠にどんな共通点が……?

 その時。九条が手を叩いて近付き、奏多と杠の肩に手を置いた。



「ほらほら。そんなことしてると、時間なんてあっという間に過ぎちゃううよ。砂のお城もあともうひと踏ん張りだし、ちゃちゃっと作っちゃおうか」

「「はーい」」



 鶴の一声ならぬ、九条の一声。さっきまで睨み合っていたのに、もう和気あいあいと言った雰囲気で砂の城作成に戻っていった。

 女心、わからぬ……。






 その後、少し時間を掛けて砂の城を完成させた俺たちは、再び海水浴を楽しんでいた。

 と言っても、泳ぐんじゃなくて、浮き輪に掴まってぷかぷか浮いてるだけ。忙しい日常を忘れて、こうしてゆらゆらするのも乙なもんだ。



「おーい。キョウちゃーん」

「ん?」



 今、杠に呼ばれたような?

 振り返ると、浜辺から杠がこっちに向けて手を振っていた。どうしたんだろうか。

 海から上がり、杠に近付く。よく見ると、手にはボトルのようなものが握られていた。



「どうした、杠?」

「う、うん。あの……ひ、日焼け止め塗ってほしいな、って思って……」



 はぁ、日焼け止めを……え、俺に?

 流れるように、杠の体に目が吸い寄せられる。

 きめ細やかな肌と、出る所は出て、引き締まるところは引き締まっている肉体。余分な肉は付いておらず、男なら据え膳ものの艶めかさを感じる。

 いくら世界一可愛い彼女がいようと、こんな体を間近で見せられて、意識するなという方が無理だ。


 喉に絡まる唾液を飲み込む。異様に喉が渇いて、体がカッと熱くなった。



「い、いやいやいや、それはダメだろっ。いくらなんでも、彼氏でもない奴に肌を触らせるような真似は……!」

「誰でもいい訳じゃないし。……キョウちゃんだから、いいの」



 俺でもダメだから!?

 それでも断るが、ボトルを無理やり押し付けてシートまで引っ張られた。ちょ、杠ってこんな強引な奴だっけ……!?



「ほっ、他のみんなはどこ行ったんだよ。誰かに頼めば……!」

「みみみ、みんなはご飯、買いに行って……今は、2人きり、だから……」



 背中の紐を解き、胸を腕で隠して背中を向ける。

 シミやニキビがひとつもない。芸能人の肌以上に綺麗すぎる肌を見せつけきた。



「だから、その……日焼け止めを頼みたいな、って……いいかな……?」






「Of course!! ぼくたちに任せなよ♪」

「ウチらが手取り足取り隅々まで塗りたくってあ・げ・る♡」






「えっ。ちょっ、キャーッ!?」



 いつの間に戻ってきていた奏多と萬木が、俺から日焼け止めを奪って杠に襲いかかった。

 ホッとした反面、ちょっと残念。

 美少女3人が、日焼け止めを塗りあってくんずほぐれつ絡み合っている。男の俺としては気が気じゃない。

 目を逸らしていると、後から戻ってきた九条が、両手いっぱいのビニール袋をシートに置き、楽しそうに笑った。



「ふふ。何やら面白いことになってるね」

「俺は面白くないんだが。俺なんかをからかって、何が面白いのやら」

「子猫ちゃんがせいいっぱいアピールしてるんだ。可愛いじゃないか」



 なんで俺にアピールするんだよ。杠はミヤのことが好きなのに。

 気疲れしていると、九条が俺の前に焼きそばを差し出した。



「ほら。大盛り焼きそば。たくさん食べて、たくさん私たちの相手をしてよ」

「保護者か、俺は」

「違うの?」

「……違わない」



 少なくとも奏多と杠と萬木は、目を離すとすぐどっか行きそうだ。特に萬木。

 焼きそばを受け取り、遠い水平線を見ながら頬張る。

 あぁ〜、焼きそばうめぇ(現実逃避)

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