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その体で『男友達』は無理があるだろう!?  作者: 赤金武蔵
第2章 恋人として──

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第42話 鬱

   ◆京水side◆



「鬱」



 いつもの公園。その隅にある木々の下には、ちょっとした茂みがある。

 そこには昔から、子供が入れるだけの隙間があり、よく奏多とこうして2人で隠れて遊んでいた。いわゆる、秘密基地として。

 もう何年も前だから、なくなってると思ってたんだが……意外と残ってるもんだ。あの時から、随分と小さく感じるけど。まあ、俺がでかくなったんだけどさ。

 膝を抱えて、茂みの中でぼーっとする。というか、自己嫌悪に陥る。

 俺、何やってんだろう。嫉妬で当たり散らかして……馬鹿としか言いようがない。



「……鬱だぁ……」



 次、奏多に会うとき、どんな顔して会えばいいんだよ。

 ……絶対嫌われた。ぜーーーーったい、嫌われた。

 だって奏多からしたら、突然ブチ切れたようなもんだからな。今頃恋も冷めて萬木あたりに愚痴ってるかも。

 そうなると、九条と萬木とももう友達でいられない。

 ミヤが聞いたら……飽きれるだけか。アイツ、こういうときは意外とドライだからな。

 乾いた笑みを浮かべ、再び自己嫌悪で沈み込む。

 奏多に友達がいるなんて当たり前じゃないか。可愛いし、元気だし、おっぱい大きいし……男友達だって多かったはずだ。


 前に調べてしまったが、アメリカにはデイティング・ピリオドという文化があるらしい。

 明確な恋人関係というものはなく、いろんな異性といろいろ試して、一番相性のいい相手と一緒になるというものだ。

 もちろん、いろいろとか相性というのは、そういった(、、、、、)意味も込められている。

 奏多に限ってそういうのはないだろうし、俺と触れるのも苦労するくらいの恥ずかしがり屋だ。大丈夫だとは思うが……可能性が少しでもあると思うと、心が苦しくなる。



「ダメだ……マジ落ち込む」



 比べられて、あんな態度を取ってしまったこと。奏多を信じ切れていないこと。もしかして……という気持ちが拭えないこと。

 すべてがマイナス方向で合わさって、よりへこむ。

 もちろん、誰と一緒にいるとか、誰と仲良くするとかは自由だ。俺だって、ミヤとか杠とかと仲良くしてるし。

 そうわかってても……心がもやもやする。

 今日何度目かもわからないため息をつき、芝生の上に寝転んだ。

 もしこのまま、喧嘩別れにでもなったら……どうしよう。多分、もう学校に行けない。顔を合わせるのもキツい。

 本当にそうなったら、もう引きこもってしまおうか。私は貝になりたい。


 いったい、どれくらいこうしているんだろう。

 たった数分なのかもしれないし、もう数時間もこうしている気もする。恋人と……大親友と喧嘩するって、こんな感じなのか。喧嘩というか、一方的に俺がキレただけなんだけど。

 思えば、昔はよく奏多と喧嘩してたっけ。大抵は殴り合い。勝ったり、負けたり……懐かしい。

 今殴り合いをするわけにはいかない。だからか、この悶々とする気持ちを発散する先がないから、どうすればいいかわからない。



「……うじうじしてても、しょうがないよなぁ……」



 とにかく謝ろう。あれは一方的に嫉妬して、キレ散らかしたんだ。まず謝罪が一番だ。

 ……嫌われたのなら、しょうがないよな。完全に俺のせいだ。

 謝るのは早い方がいい。すぐに……。

 …………。い、いや、さすがにさっきの今は無理だ。まずは気持ちを整理して、明日にでも――






「いたー!!」






 ……え?

 聞きなれた声に顔を上げると、思った通り奏多がいた。が……こっちに向かって飛びつくようにジャンプし、空中にいる。

 まさかの事態に、思考がスローになってクリアになった。

 なんでここに? どうしてジャンプしてんの? てかこの角度はまずい。いろいろとまずい。あ、無理避けられない。

 美しい二次関数が如く放物線を描いて落下してくる奏多の揺れる乳が、顔面にクリティカルヒット。押し潰された。



「京水!!」

「おぶっ!?」



 い、痛くはない。痛くないけど、頭が柔らかすぎるものに包まれて脳が沸騰する感覚に陥る。なんだこれ、スライムですか。

 奏多が俺の頭を抱え込み、抱き着いてくる。あ、やば、息できない!



「いたぁ。やっぱりここだった、京水ぃ……!」

「んんんんんんん! ん~~~~!!」



 ぐ、ぐるじい。息が……!

 なんとか奏多に気付いてもらおうと背中をタップする。頼む離してっ……!



「あやさなくていいよ! あれはぼくが……ぼくが悪かったんだからぁ……うえぇ~んっ!」



 泣き出した!? あのそのえっと……とにかくまずは放してくれ! 死ぬ、仲直りする前に乳で溺れて死ぬ!!

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