第6話 第一章【童話物語】めっちゃ気の強いシンデレラ#6【最終話】
ぽち『はい、皆さんこんばんは。ぽちです♩本日でめっちゃ気の強いシンデレラ、最終話になります。』
白夜「シンデレラ、いじわるな姉たちに屋根裏部屋に閉じ込められてしまって・・・でも気が強いから部屋け破るくらいの事しそう(笑)」
ぽち『どんだけ強いのよ(笑)さてさて、王子様に会う前に屋根裏部屋に閉じ込められてしまったシンデレラ。
彼女はどうなるのでしょうか?最終話、ご覧ください♩』
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屋根裏部屋に閉じ込められてしまったシンデレラ。
閉じ込められてしまった事が悲しいというより、ここまで自分が義姉たちに嫌われていたことにショックを受けてしまったのでしょう。
父や義母が生きていたころからあまり仲良くしてもらった覚えもなかった。だけど、こうやってご飯を作ってあげたり、義姉達が住みやすいように一生懸命働けば、義姉達が自分に寄り添ってくれるのではないかと思って日々、頑張っていたのもシンデレラの事実です。
そう、シンデレラは義姉達とも仲良くなりたかったのです。それも、もう叶わないとシンデレラは悟りました。
外は、太陽が眩しく、真夏の暑さでした。シンデレラの閉じ込められた屋根裏部屋には窓すらありません・・・。
シンデレラの閉じ込められた屋根裏部屋を見つめる一人の少女が外にいました。
後ろからお城の人達がシンデレラの家を目指して進んでいきました。そして、シンデレラの家のドアをノックしました。
出てきたのは、長女でした。シンデレラの家をノックしたのは王子様の従者、トシゾーさんです。
「城の者だ。本日十五時にシンデレラ様に会いに行くという伝達が来ているだろう。彼女に取次願いたい。」
だが、長女は首を横に振りました。
「そんな名前の娘、ここにはおりませんわ。」
「はぁ!?」
長女の言葉にトシゾーさんは顔をしかめました。
「私たちは三人姉妹ですわ。シンデレラという名前の娘なんておりません。」
「・・・何?シンデレラ宛にここへ招待状を送ったんだぞ?」
トシゾーさんはそう言って、舞踊会に来たシンデレラの招待状を彼女らに見せたが、それでも義姉達は知らぬ存ぜぬを貫いてきた。
「実際にシンデレラが履いていたガラスの靴だ。この靴が彼女が来ていたという証拠だ。」
トシゾーさんはガラスの靴を見せた。
「いないものはいませんわ。
そうだ!!せっかく来てくださったのだから、そのガラスの靴、私たちで試させて頂いても?」
次女の義姉が言い出しました。
「靴のサイズは二十二点五センチだ。あんたら履けるのかよ?」
トシゾーさんは三人の義姉達を睨みました。
「シンデレラはここにいるはずだろ?」
聞き覚えのある声にトシゾーさんは後ろを振り向いた。王子様が家来たちに混ざって馬に乗ってきていたのだ。
「きゃ!!王子様♡」
「王子!!あんたまた勝手に!!」トシゾーさんが呆れた顔をしました。
王子様の登場に義姉達は更に興奮してきました。
「頼む。シンデレラに会わせてくれ。」
王子様が義姉達に懇願する。
「ですので、そのような名前の娘はおりません。」
あくまでも義姉達はシンデレラの事を教えない気でした。
と、その時です・・・。
「シンデレラお姉ちゃんは屋根裏部屋に閉じ込められているの。
あのお姉さんたちが閉じ込めたのよ。」
一人の少女がいつの間にか家の前にいて、そう伝えてくれました。
「・・・・なんだって?」王子様が驚いて言いました。
「あたし、見たよ。王子様に会わせないって言っていたよ。」
そう、シンデレラがりんごをあげたあの少女でした。
「な、なに適当なこと言っているのよ!?」
義姉達が明らかに焦っているのが分かりました。
「ふざけた事言ってるんじゃないわよクソガキ!!」
「どこにシンデレラがいるって証拠があるのよ!?」
王子様がいる事を忘れ、義姉達は少女に汚い言葉を投げつけました。王子様は軽蔑するような目で三人を見つめます。
「閉じ込めているなら、立派な犯罪だな。家の中を調べさせてもらう。」
すぐに行動に移してくれたのは、トシゾーさんです。
「えっ・・・!?ちょ、ちょっと!!」
「俺も行く。」
トシゾーさんと王子様をはじめとする城の人達が家に入っていきました。屋根裏部屋を目指して・・・。
「シンデレラ!!」
王子様はシンデレラを呼びました。
「あの部屋よ。」
少女がシンデレラが閉じ込められている部屋を教えてくれました。
王子様は屈んで少女に目を合わせました。
「ありがとう。」
王子様は少女に教えてもらった部屋をノックしました。それをすかさず義姉達が止めに入ります。
「お、王子様!!本当にシンデレラなんて娘はおりません!!
姉妹は私たち三人だけです!!」
「私たちの事を靴で試してください!!」
義姉達は必死に止めようとしましたが、王子様は冷たく突き放します。
「俺はシンデレラを迎えに来ただけだ。そなたたちには全く興味がない。
俺が必要としているのは・・・シンデレラだけだ・・・。」
「これ以上王子の通る道を塞ぐ気ならお前ら、どうなるかわかっているな?」
トシゾーさんが三人を睨みます。
「王子様、シンデレラお姉ちゃん朝から何も飲んだり食べたりしていないみたいなの・・・。
先に鍵をこの人たちから受け取った方がいいかも・・・。」
少女が教えてくれました。
「・・・鍵を・・・。」王子様が三人に言いました。
「出さないわけねぇよな?」
続いてトシゾーさんが言いました。トシゾーさんの威圧で三人は渋々鍵を出しました。
鍵を受け取った二人はすぐに鍵を開けました。部屋には蹲って倒れているシンデレラの姿がありました。
「シンデレラ!!」
王子様がすぐにシンデレラのもとへと駆け出してくれました。シンデレラを抱きかかえ声を掛けました。
『お・・・うじ・・さま・・・。』
息が荒いですが、シンデレラは意識がありました。
「トシゾー!!水を用意しろ!!」
すぐに城の人達が水を用意してシンデレラに渡してくれました。
「シンデレラ、水だ!!」
コップに入った水を飲んで、シンデレラは意識が少しずつ回復していきました。
『王子様・・・王子様・・・・。』
シンデレラはすがるように王子様に抱きつきました。
「シンデレラ・・・。」
王子様は応えるように抱きしめ返しました。
そして、後ろからあの少女が来てくれました。
「そなたの証言で彼女を救うことができた・・・。感謝する。」
王子様の視線の先にいた少女を見て、シンデレラは優しい笑顔を見せました。
『あなた・・・。』
「シンデレラ・・・。」
その少女がシンデレラの名前を呼ぶと、ふっと姿を変えました。
すると、少女の姿は舞踊会の日にシンデレラにドレスとガラスの靴を魔法で作ってくれた、あの妖精さんになったのです。
『あなたは・・・・!!』
「よかったわ・・・無事で何よりです・・・。」
『この間の・・・。』
シンデレラはまたこの妖精さんに会えてとても嬉しい顔をしました。
「そなたは・・妖精か・・・。」
王子様が言いました。
「はい、以前少女の姿でりんごを彼女から分けてもらいました。
その日から彼女に感謝の気持ちでいっぱいになり、その後の舞踊会の日に彼女にドレスとガラスの靴をプレゼントをさせていただきました。」
「妖精はときに人間の姿をしていたずらをするという噂があるが、人間の本性を探り、見抜いていたという感じだな。」
「はい、そんなところです。」
妖精さんが、そういうと、シンデレラに近づいてきました。
「さぁ、シンデレラ!!まずはあなたの体力を元に戻し、綺麗なドレスに着替えましょうね!!
ビビデバビデブー!!」
妖精さんがそういうと、シンデレラの体力はみるみる回復し、シンデレラの姿は綺麗なドレスに着飾っていきました。
『妖精さん・・・ありがとう・・・。』
「お礼を言いたいのはこちらです!!あの時、リンゴを分けてくれて本当にありがとう。
さぁ、王子様・・・・ガラスの靴を・・・。」
「あぁ・・・。」
王子様はトシゾーさんに目をやると、トシゾーさんはガラスの靴を持ってきてくれました。
それを王子様は受け取り、シンデレラの左足にはめてくれました。
サイズはぴったりです。
「シンデレラ・・・俺と・・・結婚してください・・・・。」
王子様がプロポーズをしました。シンデレラは嬉しくて涙があふれてきました。
『は・・・はい!!』
二人はその場で抱きしめあいました。
「・・・・で?こいつらどうするの?」
トシゾーさんが義姉達を指さしました。義姉達はビクッとしました。
「こいつらは王子の妃になる女を屋根裏部屋に監禁したんだぜ?結構な罪だ。お妃さま、どうしたい?」
「ちょ、ちょっと私たちは姉よ!!シンデレラ、何とかしなさいよ!!」
長女が言いました。
「おい、妃に向かってなんだ、その言い方は?」
トシゾーさんが長女を睨みます。
「お前もあんまり人の事言えねぇけどな(笑)」
王子様がトシゾーさんに突っ込みました。
「シンデレラ、あなたが好きにしなさい。」
妖精さんが言いました。すると、王子様をはじめとする全員がシンデレラに視線を送りました。
王子様は優しい笑顔で彼女を見つめます。もちろん、シンデレラの心は決まっております。
『なにも・・・しなくていいです。』
「シンデレラ!!」何を勘違いしたのか、義姉達は目を輝かせました。
『この人達との縁は切ります。何も罰を与えなくてもいいし、今後も何も支援などもしなくて結構です。もう、家族じゃありませんので。』
シンデレラの言葉に義姉達は更に顔を青ざめました。
「ふっ。」王子様は笑いました。
「言うじゃねぇか。」トシゾーさんもニヤリと笑いました。
義姉達は冷や汗をかきまくっております。
「わ、私たちはどうすればいいのよ・・・!?」
「お妃さまはここを出ていくんだから、お前たちはいつもどおりここに住めばいいだろう?」
トシゾーさんが言いました。
「わ、私たちもお城に行けるんじゃないの・・・!?」
次女が勘違いな事を言い始めました。
「行けるわけねぇだろ。冗談じゃねぇ。城の宝パクられそうだし。」トシゾーさんが白けた顔をして言いました。
「シンデレラ・・・な、何とかしなさいよ!!」長女がシンデレラに怒鳴りつけると、王子様がシンデレラを守るように抱きしめ、長女を睨みました。
「無礼者!!王子の妃だぞ!!口のきき方を弁えろ!!」トシゾーさんが一喝すると、義姉達は黙りました。
お金を貯めてこの家を出ていく・・・。まさに今、その夢が叶った瞬間でした・・・。
「さぁ、シンデレラ。一緒に行こう。」
王子様がシンデレラの手を引いてくれました。
『はい・・・。』
彼の手を取った後、妖精さんに彼女は顔を向けました。
『妖精さん・・・ありがとう。』
「お幸せに♡」
こうして、シンデレラと王子様は歩いていきました。
「おい、妖精。」トシゾーさんが妖精さんに言いました。
「何よ?」
「シンデレラはああ言っていたけど・・・罰与えてもよくね?」
「そうねぇ~・・・。そう言えば、全部シンデレラがこの家の家計支えていてお金も管理していたって事よね?
じゃあ、この子たちに働かせないとね?縁も切られたわけだし♩」
そう言うと、妖精さんはシンデレラが働いて稼いだお金や家具なども全てシンデレラがこれから住むお城に魔法で移してくれました。
「はぁ!?冗談じゃ・・・・!!」
「私はもう知らないわよ?じゃあねぇ~♩」
そう言って、妖精さんは一秒もしないうちにパッと消えてしまいました。
後日談として、義姉達は慣れない仕事を一日中して、大変な思いをしているようです。
そして、シンデレラは・・・・・。
「シンデレラ・・・そなたが俺の宝物だ・・・。
一生一緒に生きてくれ。」
王子様にプロポーズをされていました。跪かれ、手の甲にキスをしてもらいました。
『はい・・・嬉しいです・・・。今日という日を忘れません・・・。』
「愛してる。」
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ぽち『はい、おしまい・・・。シンデレラは自分があの家を出るためでもありますが、自分をいじめていた義姉達を一生懸命働いて養っていました。
その苦労がやっと報われた瞬間ですね。苦労はするのは本当に嫌かもしれませんが、苦労を重ねたからこそ、最後にやっと素敵な王子様と出会って結ばれることができましたね。
めでたしめでたしです♩』
白夜「大体おとぎ話って、そういう事言っているよね。人にやさしい心を持つことの大切さや、ひたむきに頑張る事の大切さとかね!!」
ぽち『苦労することを覚えず、楽しようとするから今問題になっている闇バイトとかにはまってしまうんでしょうね。いつかそんな話も書けるといいな。
皆さん、めっちゃ気の強いシンデレラはこれでおしまいです。次回からは私が考えた同じようなおとぎ話やホラーをどんどん掲載させていただきますね。
今後ともよろしくお願いいたします。
それでは皆さん、おやすみなさい。』
第6話/END