第64話 第十一章【ホラー】霊安室の訪ね人#4【最終話】
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。今日は寒いです。最近暑かったり、寒かったりで・・しかも昨日なんて大雨降ってて大変でしたね。』
白夜「その影響か、今日は寒いもんね。寒い日こそ、怪談じゃない?先月更新できなかった分楽しませてよね!!」
ぽち『了解です。それでは皆さん、こんな話はいかがですか?』
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そして、夜勤の日。この日に限って、医師は私一人だ。後は看護師が四、五人いるくらいだ。
残りの看護師たちに歩行器の老婆に会った事があるか訊きたいが、怖がらせてしまいそうなので、言わないようにした。
それに、昼間は仲良くおしゃべりをしている看護師たちが無口なのだ。
仲の良いグループのはずなのに・・・。私は、思わず看護師たちに声をかけた。
『あ、あれ?元気ないね。喧嘩でもしたの?』
「え~違いますよ先生~!!」
訊いてもこうやってあしらわれてしまった。でも、確かに喧嘩をしているわけでもなく、ぽつりぽつりと話している声も聞こえた。
「あっち行きたくない・・・。」
「見回りやだなぁ~・・・。」
彼女たちもやはり、噂の老婆の事が怖いのだろう。私は彼女たちに声をかけた。
『あの・・・仮眠してきたら?俺が引き継ぐよ。』
私が彼女たちにそういうと、彼女たちはぱぁっと顔を明るくさせた。
「本当ですか!?」
「ありがとうございます、杉野先生!!このお菓子よかったら食べてください♡」
そう言って、彼女たちはいっせいにナースステーションを出て行った。
私は、ふうっと息をついて、コーヒーを飲み始めた。同時に辺りを見渡すと、いつもの病院内だ。
『いるわけないない・・・。』
と、その時・・・・。
キィ・・・。
キィ・・・。
と、何かを引きずるような音が聞こえ、私はドキッとした。
思わず私はナースステーションから出てくる。が、誰もいない。
キィ・・・。
キィ・・・。
キィ・・・。
キィ・・・。
音はどんどん近づいている気がした。私は冷や汗をかいた。
と、その時・・・。
「すみません。」
ドキッと心臓が止まりそうになった。
「十二階に行くにはどうしたらいいですか?」
ドキドキドキドキ・・・。心臓がバクバクバクして・・・。気持ち悪くすらなった。
「すみません。」
『あ、あちらです・・・。』私は声がひっくり返った気がした。震える声で教えた。
「・・・どうもありがとう。」
キィ・・・。
キィ・・・。
老婆は歩行器を押しながら私が指をさしたところへ歩いて行った。
キィ・・・。
キィ・・・。
私は、恐る恐る老婆の後を追った。エレベーターまで行って、彼女は乗っていった。行った階数は、十二階だ。
『十二階に何があるって言うんだ・・・?霊安室しかないんだぞ・・・。』
私はそう言って、もう一つのエレベーターを待って、十二階に行きました。
十二階は、エレベーターを降りたら細長い廊下を一本道。そこから数メートル先に一つのドアが。ここが霊安室だ。
私は、霊安室の前に立ち止まった。一気に恐怖が自分の中に襲い掛かってきた。
でも、何故あの老婆は、この霊安室を訪ねるのか・・・。それが分かって解決策が出来たら、もうこの老婆は出てこないのではないのか。
私はそういう期待を胸にドアを開けようとドアノブに手を掛けたが、そこでも中から音が聞こえた。
キィ・・・。
キィ・・・。
私はその音が聞こえるたび、生唾を飲み込んだ。
でも、ここで立ち止まっていても仕方ないのだ。私は決心してドアを開けた。
・・・・誰もいない。
『誰かいませんか・・・?』
その瞬間、バタンとドアが閉まった。私は驚いてドアまで走ってガチャガチャとドアノブを回すがまるで開かなかった。
すると・・・。
キィ・・・。
キィ・・・。
キィ・・・。
ゆっくりと振り向くと、老婆がいた。
『うわぁっ!!』私はしりもちをついた。目の前に老婆が・・・。歩行器を握っている老婆がいた。
顔は見えない。ゆるい癖毛で、おびただしい体臭が鼻についた。
『ど、どこの部屋の方ですか・・・!?』
パニクってわけのわからない質問を私はしてしまった。それでも、老婆は動かない。と、思ったら少しずつ顔が上がってきた気がした。そして、ゆっくりゆっくりと私に近づいた。
『や、やめろ・・・!!何なんだあんた・・・!!』
私はズルズルと後ずさりしながら逃げようとした。老婆は私に手を伸ばすわけでもなく、歩行器を押しながら私に近づこうとしてくる。
『や、やめろ!!来るな!!出ていけ!!帰れ!!』
一人で大騒ぎした。気づけば今までにないくらいの大声で叫んでいた。
すると、パチパチと電気がいきなりついた。
『・・・え?』私はそこで正気に戻った。辺りを見渡す。そこは何ともないいつもの霊安室だ。もちろん、歩行器の老婆もいない。
『な、何だったんだ・・・今の・・・。』
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
「先生?どうかされましたか?」
ナースの子の声だ。私はそこでほっとする。きっと寝ぼけていたんだと思った。
『何でもないよ、すまん!!今ナースステーションに戻る。』
そう言ってドアを開けた瞬間・・・・その老婆がニタリと笑って突っ立っていた。
『う、うわぁあああぁぁぁぁぁぁ!!』
それから私はどうやってナースステーションに戻ったのか覚えていません。気づいたら朝になっていて、いつもの夜勤明けになっていました。
私は、あの経験のせいで病んでしまい、急に私も中村や神田さんと同時にあの病院を辞めてしまった。
辞めた後、暫く中村と同じように引きこもってしまい、その時ようやく元通りに元気になった中村に心配された。
「そうか・・・やっぱお前のあの老婆に会ったのか・・・。」
『な、何だったんだあの婆さんは・・・・!?』
「俺も分からないんだ・・・。もしかして、神田さんもあったのかもな、あの老婆に・・・。」
結局、あの老婆の正体が分からないまま、月日は経ち、風の噂でまだまだあの病院は人の出入りが激しいと聞いていました。
あの老婆は一体何だったのでしょうか・・・?昔あの病院で入院していた患者さんだったのか、病院の関係者なのか全く見当もつきませんでした。
私は、あの日からいまだに何かを引くような引きずるようなキィキィという音がするたび緊張が走るようになりました。
今は、建ったばかりの新しい病院で働いていますが、この病院だっていつこういった経験をするか分かったものじゃありません・・・。
あの時の事は今も私の中に深く刻まれており、完全にトラウマになっております。
皆さん、私と同業者の方は、あまり年季の入った古い病院で働く場合は気を付けた方がいいと思います。
もしかしたら、あの老婆と同じような人が、あなたの病院にもいるかもしれません・・・。
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ぽち『はい、おしまい・・・。だいぶ怖かったね。』
白夜「いや、本当歩行器とか病院にあるものも出てくるうえでの恐怖体験風の怖い話でした!!鳥肌立ったよ!!」
ぽち『この老婆の幽霊は、何がしたかったのか、かつてこの病院で入院していた人なのか一切分からなかった今回のお話。ある意味、こういった何もかも謎っていう感じが更に恐怖を生み出しそうですね。
あの老婆の正体は、皆さんのご想像にお任せいたします。
さて、今回で霊安室の訪ね人のお話は終わりです。また、新しいお話でお会いしましょう。
それでは皆さん、おやすみなさい(-_-)zzz』
第64話/END




