第60話 第十章【ホラー】トンネルの待ち人#5【最終話】
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。最近、誉田哲也さんのストロベリーナイト・・・竹内結子さん主演のドラマに観るのにはまっております♩
今も観ながら今日のこのお話を投稿しようと思います(#^^#)あ、それから昨日私の推し、グリーンさんの誕生日!!ケーキ食べましたよ。』
白夜「そのケーキ、自分で食ったんでしょwww」
ぽち『私も!!食べたんです!!さて、今日はトンネルの待ち人最終話になります。トンネルにずっといるあの女子高生の正体は!?そして、こころちゃんの運命は!?
注目の最終回です。それでは皆さん、こんな話はいかがですか?』
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あの女の子に謝りたい一心の私は、母からの言葉をすっかり忘れていました。
”帰り、遅くなるようならあのトンネル通っちゃだめよ。暗くて危ないんだから・・・。”
そのことを忘れ、普通に歩いていたら、私はいきなり大きな手に口をふさがられました。
『!!??』
口をふさがられ、床に投げ捨てられました。私は何が何だか分かりませんでした。
顔を上げた瞬間、大きな手が私の口をまた塞いできた。大きな何かが私の上に乗っかるとその何かが男の人だと分かりました。
「ひひっ・・・君、最近こんな暗いトンネル歩いているね・・・!!危ないよぉ~最近、痴漢が出るって専ら噂だっただろ~??
それ・・・俺なんだよ・・・!!若い女の子とエッチな事するの趣味なんだよね~~!!
それに嫌がられると燃えるたちなんだよ!!」
そう言って、男が私のワイシャツのボタンを破きました。
『・・・・!!』
恐ろしくて声が出なかった・・・。体も動かない・・・。
それを感じ取った男はにんまり笑って気持ち悪く舌なめずりをしてきた。
(いや・・・・!!いや・・・・!!た、助けて・・・!!)
そう言いたいのに声が出ない。男は私の胸をブラジャーの中から触り、スカートの中のパンツを引きずり下ろし、自分はズボンを脱いで汚い一物を出してきた。
殺されるどころじゃない・・・!!嫌だ・・・こんな男に・・・!!
でも声が出ない。
そう思った瞬間に・・・男の手が止まった。
何もしてこない・・・。何故かと思い、怖いけど恐る恐る目を開けると・・・。
「あ・・・あ・・・・お、お前・・・なんで・・・・!?」
男の顔は蒼白していた。男の後ろにはあの茶髪の女の子がいた。
その瞬間に男と女の子が一瞬で消えた。
私の頭の中はパニックに陥っていた。でも、すぐにやらなきゃいけないのは親に電話をする事だと思った。
私はすぐに母に電話をした。
『助けて・・・助けて!!』
電話口で母は驚き、父とすぐに駆け付けてくれました。
『お願い助けて・・・私を助けようと女の子が・・・!!』
私がそう言うと、父が母に警察に連絡するように言って、父はその女の子と男を探し始めました。
だが・・・見つかったのは男の遺体だった。
あちこちに引っかかれたような跡が体中にあったという。
私は警察の聴取を受けました。被害者として。のちに男の死亡も確認されました。男は、今までの女性暴行事件の犯人ではないかと思われていた人間であったらしい。
私はしきりに茶髪の女の子が自分を助けてくれたと主張しました。すると、部屋のドアがノックされました。女性刑事が大きなファイルを持ってきて一枚の写真を見せてきた。
すると、あの茶髪の女子高生が写真にいました。
『こ、この子です!!この子が私を助けてくれたんです!!あいつに何かされたのかも・・・。
捜索してください!!』
そう言った瞬間に、女性刑事が目を見開いて私の手を握ってくれた。
「この子はね・・・。二か月前に亡くなっているの・・・。」
『え・・・・??』
「二か月前だった・・・茶髪のこの女の子の遺体が発見されました。・・・全裸で・・・強姦された跡があるの・・・。」
『・・・・・・!!』
私は声を失いました。彼女はこの男に二か月前に強姦され、殺されたという・・・。
その後、殺された犯人のDNAと強姦された女性から採取した犯人のDNAを照合した結果、連続レイプ犯のDNAが一致したという。
あの女の子が殺されたというなら、私を助けてくれたあの子は誰?
やはり・・・幽霊なのか・・・。
私は頭がごちゃごちゃだった・・・。
今回の事件の事があり、私は次の日は学校を休ませてもらいました。朝のニュースを観ると、あの男が遺体で発見されたことがニュースで流れていました。
私は、まるで導かれるようにあのトンネルに来ました。
すると・・・母と同年代の女性が彼女がいつも立っている場所に手を合わせていました。
『あ・・・あの・・・。』
女性が振り向いてきました。私を見て微笑んでくれました。
「友のお友達?」
『友・・・ちゃん?あの茶髪の女の子ですか・・・?』
「私の娘なの・・・。誰か酷い男に強姦されて・・・殺されてしまったの・・・。」
『・・・・!!』
私はその話を聞いて涙が出てきました。
「ご、ごめんなさいね・・・。」
『いえ・・・わ、私も・・・昨日・・・その男に・・・襲われました・・・。』
「・・・!!」あの女の子のお母さんは驚いて、目から涙を流しました。
「怖かったわね・・・。」そう言って、私の肩をさすってくれました。すると、私の手を見て、右手に袋を持っていることに気づきました。
「何を持っているの・・・?」
私はいつも友ちゃんにこのトンネルで会って、お菓子をいつも上げていた事を話していた。
すると、女の子のお母さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。
「あなただったのね・・・。いつもお菓子をくれる優しい子がいると言っていたの・・・。」
すると、お母さんが話してくれた・・・。
友ちゃんは、学校でいじめに遭っていたという。何でも、虐められていたのは最初は他の女子生徒だったようだが、その子を庇ったのが原因でリーダー格の女に虐めの標的にされてしまったのだという。
友ちゃんは将来、警察官になりたかったようだ。だから、いじめだとか犯罪を犯す人間がどうしても許せない。
だけど、世の中には正義感だけじゃどうしようもできないという事を今回で実感したようだ。
いじめを庇った子にも虐められてしまったようだ。
完全に落ち込んでいた友ちゃんはいつもあのトンネルまで行くんだけど、トンネルを抜ける直前に立ち止まってしまったという。
また、虐められたら・・・無視されたら・・・暴力を受けたら・・・。
見た目はギャルみたいな感じだけど、すごい繊細な子だったんだ・・・。そんな時に私が彼女に沢山お菓子をあげて声をかけたという。
「あなたがいつもお菓子をくれて、あの子の希望になったみたいなのよ・・・。」
『そんな・・・私は・・・。』
すると、お母さんの顔はまた曇りました。
「そんなある日・・・。夜にあのトンネルで・・・あなたを待っていたみたいなの・・・。
いつもお菓子をくれるお礼が言いたいって・・・。そして、友達になりたいって言っていたの・・。」
私はその時ハッとした。
『え・・・じゃあ、その時にあの男に・・・!!』
「えぇ・・・。」
その日は私は大会が近かったので、八時くらいまでずっと部活で忙しかったのだ。だから、いつも帰りは遅かった。
『ご、ごめんなさい・・・わ、私が・・・!!』
私は涙をボロボロ流した。自分を待っていたせいで彼女はあの男に殺されてしまったのだ。
「違うの!!あなたのせいじゃない・・・!!あなたのせいじゃないのよ・・・!!」
私は涙が止まりませんでした。何故、あんないい子があんな男に・・・。
あの男に乱暴されて、殺されてしまった・・・。
(あれ・・・??待てよ・・・じゃあ、今までうちの学校の子たちをトンネルで追いかけまわしていたのって・・・あの男に私たちが遭遇しないため・・・?
あの時、私にここから離れろって言ったのは・・・あの男から私を守るためだったの・・・?)
そう思うと、涙がこぼれてきた。
「あの子ね、嬉しかったのだと思うの。虐められて心が傷ついて・・・そんな時にあなたがお菓子くれて・・・。あの子の心に光が灯ったのよ・・・。だから、この件は貴方のせいじゃない。
あなただって、被害者なんだから・・・。」
ここで、私は決意した。
『私、警察官になります・・・。友ちゃんの遺志を継ぎます・・・。警察官になって、友ちゃんみたいな性被害の被害者を絶対になくします!!』
その言葉を現実にするのは結構大変だった。残りの学生時間は大学に行くため、部活をやめ、勉強に明け暮れました。
喧嘩をした真由美とは・・そのまま仲直りすることはありませんでした。
さみしいですが、私には警察官になるという目標が出来たので、もう吹っ切ろうと思いました。
そして・・・八年後・・・。
電車の中でやたら、女子高生に密着している男がいました。自分の股間を押し付けて、スカートやその中に手を入れようとしたところを現行犯。
『はい、強制わいせつ罪で逮捕です。このまま動かないで。』
男の両手を素早く後ろに回し、持っていた手提げ袋を男の顔にかけました。全ては被害者の顔を覚えて逆恨みして新たな犯行を行わないために。
「な、なんだよてめぇ!!俺が痴漢しただと!?」
『しっかり見てたし、何なら動画も撮ったわ。見る?あんた、この子のスカートの上からもしっかり手のひらで触っていたでしょ?
掌紋、指紋取ってあげてもいいわよ?』
「な、何なんだよてめぇ・・・!!」
『神奈川県警座間北署、生活安全課の塚原心って言います。文句あるなら署で伺いいます。
あなたも来てくれる?大丈夫、もう応援呼んだからそこからこいつ連行されるから。
私と一緒に行きましょう?』
私は、女の子に優しく声をかけると、女の子は涙を目で浮かべながらほっとした顔をして、頷いてくれた。
「ちくしょう!!てめぇぜってぇ許せねぇからな!!」
男は私に罵声を浴びせましたが、私は言い返した。
『うるさい!!痴漢しなきゃ女に触れないなら一生エロビデオでも観てなさいよ!!
あんたみたいなクズがいるから世の女性が安心して街歩けないのよ!!
しっかり取り調べてあげるから覚悟なさい!!なんならあんたの家から余罪とか出てきそうねぇ?』
男の胸倉を掴んで言い返して睨むと、男は意気消沈したのか、何も言い返してこない。袋に顔隠れてるからどんな顔しているか分からないけど。
周りから拍手喝采が来た。駅で待機していた捜査員に男の身柄を渡し、私は被害者の彼女と一緒に歩くことにした。
『ゆっくりでいいですからね。』
私の笑顔に彼女は安心したのか、徐々に歩きながら被害状況を報告してくれた。
「本当にありがとうございました・・・。お姉さんはどうして、警察官になろうと思ったのですか・・・?」
まさか聞かれるとは思わなかった。話すのは初めて・・・。
『実はね・・・友達の遺志を継いでいるの・・・。』
そう、私はまだちゃんと話したことと言えば、挨拶程度の子だったあの子の意思を継いで警察官になった。
痴漢の男から私を助けてくれたのはまさしく友ちゃんだから・・・。
ちゃんと話したことがなくても、私は彼女を友達だと思っている・・・。
心の友として、私の中で彼女も生き続けている・・・。今日も私は町の性被害を減らすために頑張って仕事をします・・・。
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ぽち『はい・・・おしまい・・・。
女の子は幽霊だろうなとは思っていましたが、正義感の強い優しい幽霊でした。まさか性被害の被害者として・・・そして、殺害されて幽霊になっていたとは思いませんでしたね。
でも、彼女の正義感と信念とやさしさがこころちゃんを守ったのは言うまでもないです。
幽霊になっても他の被害を増やさないためにあの子はあのトンネルで、こころちゃんを守っていたのですね。素敵な友情です。
今じゃ性被害は女性だけではなく、男性の被害も増えています。
本当に男の犯人は動物病院で去勢手術の刑にでもなればいいのに・・・。
こころちゃんは友ちゃんの遺志を継いでこれからも、街の平和を守ってくれることでしょう・・・。
それでは、このお話でトンネルの待ち人のお話は終わりです。
また、次のお話でお会いしましょう。
それでは皆さん、おやすみなさい。』
第60話/END




