第47話 第八章【ホラー】いじめの代償#4
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。昨日雪降りましたね。
今日仕事だったんだけど、めちゃ寒かった。積もらなくてよかったけど。』
白夜「三月なのに雪降るとかまじで無理・・・。寒いのも暑いのも嫌いだわ。」
ぽち『私もよ。だけど、今日も寒くなるような怖い話をお送りするわね。』
白夜「あんたのホラーというよりスカッとになってきてない?」
ぽち『悪い奴が怖い目に遭っているから?前の染みのお話も主人公が嫌な奴でしたよね。
やっぱ悪いことしたら自分に返ってくるって事よ。
それじゃあ今夜もこの間の続きからね。皆さん、こんなお話はいかがですか?』
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昨日、脇本からいきなり電話が来た。
『もしもし?脇本さん?何か御用ですか?』
俺が電話に出ると、電話に出るなり、脇本が電話口で怒鳴りつけてきた。
【用があるから電話したんだろうが!!明日急遽午前中休業して、本社に直行しろ!!
いいな!!】
脇本はそう言ってブツッと強引に電話を切った。
『んだよもう・・・わけぐらい話せや・・・。』
正直、脇本のこの言動にイラっときた。電話を切って携帯をベッドへポイっと投げた。
俺は支店勤務だからこの時まだ知らなかった。知ったのは、次の日、脇本に言われた通り本社に行ったときだった。
本社に着くと、社長が深刻な顔をして、俺達に言った。
「実は・・・本社の江尾君がね・・・先週の金曜から行方不明になっております・・・。
何か心当たりはありませんか?」
社長の言葉に会社中ざわっと混乱の声が響いた。
行方不明?江尾さんが?
俺は社長の突然の言葉に頭が真っ白になった。どうやら社長曰く、先週の木曜日は特に江尾さんに変わったところはなかったという。
で、金曜日になって始業時間になっても江尾さんが出社しなかったため、江尾さんの携帯、自宅の固定電話などに電話をしているが、全くつながらないらしい。
江尾さんは独身で、一人暮らしだ。実家の方にも連絡をしたが、実家にも来ていないという。
実家の家族が失踪届を警察に提出したらしい。
ただ、いなくなってまだ三日位の為警察はあまり動いてくれていないらしい。
「皆さんも何か心当たりはありませんか!?」
社長が社員全員に訊いてきた。
心当たり大ありだが、隣には脇本と佐藤と芹沢がいる。下手に動けなかった。
その後、社長の話があると解散された。
「おい、帰るぞ。」
俺は、そのまま帰るわけにはいかなかった。
『すいません、トイレ行ってきます。』
そう言うと、脇本に舌打ちをされた。
「さっさと行けよ。」
『すいません。』
ぶっきらぼうに言って、トイレに行く振りして、社長を探した。すると、ちょうど社長もトイレに行こうとしていた。
『しゃ、社長!!』
俺が声をかけると、社長は俺の顔をみるなり、首を傾げた。
『あ、横浜支店の高木と申します。お疲れ様です。』
ひとまず、挨拶をして頭を下げた。
「ああ、お疲れ様。」
『お疲れ様です。あの・・・折り入ってお話したいことがございまして・・・。』
「何かね?」
『じ、実は・・・うちに所属していた渡邊の件ですが・・・!!』
俺がそう言うと、後ろから殺気を感じぞっとした。
「高木。」
脇本がいつの間にかいた・・・・。
『え・・・脇・・・!!』
「お前トイレに何分かけているんだよ。社長すみません、こいつがなにか失礼でも?」
「いいや?そう言えば、君、何か話があるんだよね?」
ニコッと笑って社長が言ってきた。だけど、脇本がいる目の前で言うわけにはいかなかった。
『い・・・いえ・・・また日を改めます・・・。』
頭を下げて俺は脇本と一緒に本社を出た。そして、出たところで俺は、本社のビルの裏側に連れていかれ、脇本にドンと思いっきり背中をビルに打ちつかれた。
「高木・・・てめぇ社長に何余計なことを言おうとしてたんだ?あぁん?」
凄みを効かせて俺を睨んできた。はっきり言って、こいつ、九州の出身でもあるから九州弁もドスが効いた喋り方で言ってきて、マジでヤ〇ザみたいだった。
『渡邊の事言うつもりだったんだよ・・・・江尾さんはお前らに虐められた渡邊の事を認知しておきながら放棄したってな!!』
その瞬間、左頬を殴られた。
「舐めたことしてんじゃねぇぞ!!余計なことをしてみろ!!てめぇを次のターゲットにするぞ!!」
そう言って、俺を怒鳴りつけた。
「もういい。てめぇは一人で支店に帰れや。」
ちっと舌打ちしてそのまま脇本は去っていった。
『てめぇ・・・クソすぎるだろ・・・!!』
俺も舌打ちを返した。
その後の脇本は荒れていた。
薬の説明もぶっきらぼうで乱暴だったため、患者さんともめていた。
「なんなんだここの薬局は!!二度と来ねえ!!」
そう言って、患者さんは怒りながら帰っていった。
俺はその患者さんに頭を下げながら帰るのを見送った。
最後の締めの作業を終えて、十九時以降に業務を終わらせて更衣室で俺は着替えていた。
着替えていたといっても白衣を脱いで荷物を取るだけだけど・・・。
その時、ゴトッという音が聞こえた。最初、どこから音が聞こえたのか分からなかった。でも、またゴトッと音が聞こえた。
今度はどこから音が聞こえたのか分かった。
渡邊が使っていたロッカーだ。
『・・・なに?』
俺は恐る恐る渡邊のロッカーの前まで行くと、一度生唾を飲み込んだ。
ロッカーのドアに手をかけ開けると・・・・そこから江尾さんがごろんと転がってきた。
どっからどう見ても、変わり果てた姿だった・・・。
『う、うわぁぁぁぁああぁぁぁ!!』
俺の叫び声に驚いた脇本と佐藤が更衣室に駆けつけてきた。
俺は、江尾さんの遺体を見て、腰が抜けてしまった・・・。
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ぽち『はい・・・今日はここまでです・・・。急なミステリーwww慎太郎さん呼ばなきゃwww』
白夜「あれ?タイトルホラーじゃなかったっけ?www」
ぽち『ねwww私もびっくりしちゃった。そして、やっぱり私たちの想像通りこの人が最初の被害者になっちゃったね。
さて、変わり果てた江尾さんの姿をみつけた主人公。このあとこの薬局でまだまだ主人公たちを恐怖に堕とす恐ろしいことが待ち構えています。
続きは、また後日に・・・。
それでは皆さん、おやすみなさい。』
第47話/END




