第43話 第七章【ホラー】染み#4【最終話】
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。最近やっと寒く?なってきたなと思います。』
白夜「本当、秋になるのが遅すぎたね。でもまだたまに暑い日があるよね。」
ぽち『地味に暑い日があるよね。なんかもう春と秋は来ないっていう噂だよ。』
白夜「本当・・・じゃあこういう時の為にホラー小説があるといいんじゃない?」
ぽち『ふふっ、そうね。じゃあ今日で染みの話は最終話になるかな。
皆さん、こんな話はいかがですか?』
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『な、何だよこれ・・・!!』
朝起きて隣の壁を見ると、染みが昨日よりも更に大きくなっているのが分かった。
どんどん、どんどん・・・なんだか人の形に?人の顔のように見えてきた・・・。
俺はそこに小さいカーテンみたいなのをつけて見えないようにした。
なんなんだよ・・・何なんだよこれ!!
恐ろしくて、壁を見ないようにしてても目に入ってしまうその染みを俺は隠すことにした。
だけど、その染みが自分の視界から消えることはなかった。
次の日も、またその次の日も染みがそのカーテンからはみ出て見えてきた。
俺は、たまらなくなりカーテンを少しまた開けてみてみた。
『ひっ・・・!!』
俺は、あまりの恐ろしさに声を上げてしまった。
しばらく見ないようにしていたからなのか染みがこんなに大きくなっていたとはと、心臓が止まりかけていた。
どのくらい大きくなっていたかというと、まるで、人型のように大きくなっていた。
身長は大体俺より一回り小さいような・・・成人の女性位の大きさに・・・。
ここで俺の心臓が本当に止まるのではないかという出来事が起きたのだ。
黒い染みが少し壁に滲みだしたかと思うと、それがどんどん立体的に浮き出ているように思えた。見えた・・・いや、そうなったのだ・・・。
ズブズブと嫌な音がしたかと思うとそれは、いきなり細長い女性の人差し指が出てきて、女性の長い髪の毛が出てきて・・・・、
そう・・・泥だらけの女性がいきなり壁から出てきたのだ。
『ひっ・・・!!ちょ・・・待てよ・・・!!』
恐ろしくて俺はそれ以上の声は出なかった。壁から泥?だらけの女性が出てきたのだ。髪の毛の隙間からぎょろっとした目玉が俺を睨みつけて這いつくばりながら俺に迫ってきた。
『う、うわぁああぁぁぁ!!』
ガシッと服を握られた。
『ひっ!!』
そこで初めて女と目が合った。血走った恐ろしい眼をしていたが、だが・・・どこか悲しそうだった・・・。
そこで、女が俺に言った。
「た・・・すけて・・・ここ・・・に・・・いる・・・・」
女はそう言うと、そのまま消えた。泥も生々しく残っていてぞっとした。
俺は不動産屋ではなく、管理会社へ電話した。管理会社の人間はバツが悪そうに説明した。
この部屋では毎回変な事が起こると。
俺はブチ切れ、染みがあった壁の中を確認するように管理会社を呼び出し、業者を呼んでもらった。
すると・・・中からは泥だらけの女性の白骨死体が出てきたのだった・・・。
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ぽち『はい、おしまい・・・・。てか怖!!まじ嫌なんですけど!!』
白夜「ここで、この白骨死体の正体をお伝えすると、このアパートができる前に男女の諍いがあり、一人の女性が殺され、ここに埋められたようです。その遺体が見つからないまま現在まで見つからず被害女性が自らここにいると伝えに来たのだという事です。」
ぽち『人殺すやつも最悪だけど、もう少し別の伝え方してほしいですね・・・。私の部屋、染みないか調べよう・・・。
それでは、染みのお話はこれで終わりです。また次の話でお会いしましょう。
それでは皆さん、おやすみなさい。』
第43話/END




