第35話 第六章【夏のホラー2024】噂のあの子#3
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。今日は空がどんよりしていて晴れていませんが、じめじめしていてやっぱり暑いです!!』
白夜「じめじめしてそれも暑く感じるんだよね。嫌だねぇ。」
ぽち『それでは、怖い話をして、暑いのを涼しく感じるようにしましょうね♩
皆さん、こんな話はいかがですか?』
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鈴木さんのお別れ会が終わると、うちのクラスはまるで文化祭が終わったかのごとく、つらつらと帰っていきました。
(マジでお前らさっきまでの涙はどこにいったんだ・・・!?)
はっきり言って、そう言わざるを得ないような態度の変わりようでした。
ですが、私はそれ以前にさっき外にいた女子生徒の事がどうしても気がかりで、目で探していました。
どうしても、気になってしまったのです。何故か・・・その女子生徒に違和感を感じていたからです。
「どうしたんですか?」
声をかけられてハッとして振り向くと、村山君がいました。
『いや、別に・・・。』
特別彼に何かかかわる事じゃないと思った私はそう答えました。
「な、何か探しているの・・・?」
『いや、本当大丈夫。気にしないで。』
私はそう言って、その場から去りました。鈴木さんの噂の件を思い出しては、何となく村山君にかかわってはいけない気がしたので、敢えてそっけない態度を取りました。
「椎奈!!帰ろう!!」美奈が声をかけてきてくれて私はほっとしました。
『うん、帰ろう。』
美奈に呼ばれた私は美奈と一緒に帰りました。
「ねぇねぇ、村山君と何話していたの?」
美奈がニタニタしながら声をかけてきました。
『何も話してないよ。』
「えぇ~!?つまんない!!」
『つまんないって・・・。』私は苦笑しました。
「だって、村山君って才色兼備で超イケメンじゃん!!いいなぁ!!私も話したい!!」
『じゃあ、適当に話題振って話せばいいじゃん・・・。別に普通でしょ。』
「う~~ん・・・まぁ、話そうと思えば話せるけどさ・・・。あの人萌絵とも仲がいいじゃん?
私、萌絵苦手だからちょっとねぇ・・・。」
美奈の言葉に私もハッとした。萌絵は結構スキンシップができる女子で、ふとしたことで男子の肩に触ったり、腕に触れたりできるギャル系女子。
そう言えば・・・村山君と鈴木さんの噂が出る前・・・萌絵のグループがなんか言っていたな・・・。
まず、萌絵が何回か村山君の横を陣取ってて、仲良くしているのをよく見かけていました。
その時・・・あ・・・そうだ・・・・!!
鈴木さん、村山君の事をよく見つめていたんだ・・・。だから萌絵たち・・・。
私は思い出しました。
萌絵たちは八人の女子のグループで、まぁ、簡単に説明すればギャルグループです。
彼女たちはよく言えば明るく元気なグループで、不良系の男子たちともすぐ仲良くできるタイプの女子の集まりです。
悪く言えば、騒がしく人の迷惑を顧みない女子の集まりです。
彼女たちが話すのは、人の悪口か好きな芸能人の話か、男の話が大半です。
彼女たちが村山君にボディタッチとかして仲良くしているのを鈴木さんは辛そうに見ていたのを思い出しました。
それで、彼女は何回も彼を見つめている仕草をしていたと、それも噂で聞きました。
その噂が吹聴され、それが原因で彼女を苦しめていたのだろうと思いました。
彼女は死ぬまでどんな気持ちで生きていたのだろう・・・それを思うと、私も心が苦しくなりました。
ですが、虐めていた当の本人の萌絵たちはそんな事、お構いなしでした。
夏休みが終わって新学期が始まってから普通で、変わったことと言えば、鈴木さんの机には花と彼女の遺影が飾られていました。
私は逆に、クラスメイトが一人亡くなったことが悲しくて結構落ち込んでいるのに他の人達はもう鈴木さんの事を忘れてしまったかのように本当に・・・いつもどおりでした・・・・。
ですが、こんな日がいつまでも続くことはないと思わされる出来事が起こりました。
それは、夏休みが終わって新学期が始まってすぐの事でした。萌絵に関するすごい噂が学校中に飛び交ったのです・・・。
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ぽち『はい、今日はここまでです・・・。萌絵に関するすごい噂!?何々!?気になる!!』
白夜「気になる!!どんな噂!?」
ぽち『目には目を!!噂には噂で!!ってところでしょうか!?
じーごーくーにおーちーろー!!』
白夜「性格悪www」
ぽち『でも、こういう人に関する噂ってはっきり言えば本当にその人に全く関係ない噂をでたらめに流したなら名誉棄損罪で訴えることとかできるし、苦しかったら本当に誰でもいいから相談してほしいですね。
辛い思いをしているのを一人で抱え込まないでください。嫌な事は連続して起こる事はありますが、ずっとじゃありません。
どうか・・・辛い思いをしている人がいましたら、一人で抱え込まずだれでもいい。私でもいいので、吐き出してくださいね。
さて、この萌絵に私は次の話でどんな目に遭わせるか考えないといけないので、今日はこれで・・・。
それでは皆さん、おやすみなさい。』
第35話/END




