第15話 第四章【不思議な話】ぬいぐるみの初恋#2
ぽち『皆さんこんばんは、ぽちです。今回初めて新型コロナウイルスに感染してしまいました。
昨日まで若干死んでました。』
白夜「寝てなさいよ、あんた・・・。」
ぽち『そういうわけにはいかない。何か、前は病院の検査でアナフィラキシーショック起こして入院するわ、今回はコロナに罹るわで呪われている気がしてるわ。』
白夜「呪い返しされてるんじゃない?」
ぽち『マジかwwwまぁ、昨日よりかはだいぶ楽になったので、この話もちゃんと書きたいしで、お休みの間沢山投稿できるように頑張ります。
てなわけで、今夜も先日の続きです。こんなお話はいかがですか?』
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段ボールの中にポンと入れられて多分、送り状を貼られた後は、運送会社任せだろ。ボンボントラックの中に投げられてぬいぐるみで軽い重さの俺は何度も段ボールの中で宙に浮いた。
今度の人だってきっと途中で俺に飽きるんだろうな・・・。
そう思うと、この段ボールの中から出たくない気持ちでいっぱいだった。
運送会社の人が俺の入っている段ボールを持ち上げて、歩き始めたのか、俺は更に軽く宙に浮いたり段ボールの底に頭や背中をぶつけたりしながら俺はどこかに連れていかれていた。
呼び鈴の音が鳴った。
「アメショー便でーす!!」
『あ、はーい!!どうぞ。』
オートロックのドアが解除された音が聞こえた。エレベーターが降りてくる音が聞こえ、ドアが開いた音が聞こえた。
そして俺はまた上下左右にゆさゆさと転がりながら部屋の住人の所へ連れていかれるんだ。
「アメショー便です!!」
『あ、はーい、ご苦労様です!!』
「サインお願いしまーす!!」
『ご苦労様です!!』
足音が遠ざかっていくのが聞こえた。宅急便の男が帰ったのだろう。すると・・・。
『・・・・やった!!』
小さい声で喜んでいるような声がひそかに聞こえた。
今度は、全然乱暴な動かし方じゃなかった。運ぶ時も俺は左右に動いたりしなかったし、置くときすらとても丁寧だ。
『さてと・・・。』
ピリピリピりと、段ボールに貼られていたガムテープが外れる音が聞こえた。
『に、しても・・・随分大きな段ボールに入れたのね・・・。あ・・・!!』
俺は、横を向いていたので最初は持ち主の女の子の顔が見れなかった。
『もう~!!超埃被っているじゃん!!ナニコレ!?』
女の子の怒ったような声が聞こえた。
そういえば・・・触られなくなってからずっと手入れもしてもらってないな・・・。
『えぇっと!!これ水洗いオーケーかな!?あ、大丈夫みたい、乾燥機もオーケーね!!』
すると、女の子は俺にいいにおいがする石鹸だろうか・・・?それで黒ずんで汚れた俺の顔や手足を一生懸命手洗いしてくれて、そのまま乾燥機に入れられた。
正直、乾燥機はビビったけど乾燥機から取り出された時に自分の顔を近くにあった鏡でちらりと見たら、見違えるくらい綺麗になっていた。
もう、それは発売されたままのもとの自分に戻っていた。
俺・・・こんな顔していたっけ・・・?
自分の顔に驚いていると、頬を優しく撫でられた。
『よし!!きれいになったね!!ずっと君の事探していたんだよ?ローズ君!!』
女の子はそう言って俺を持ち上げて俺の顔をしっかり見てくれた。大人しそうな優しそうな女性だった。
これが、俺を買ってくれた女性、椿との出会いだった・・・・。
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ぽち『はい、今日はここまでです。ぬいぐるみの男の子の名前が判明しましたね。名前はローズ君。そして、ローズ君を買ってくれた女性の名前は椿ちゃん。
椿ちゃんに出会ってローズ君のぬいぐるみ人生が大きく変わるといいですね・・・。
それでは続きはまた後日お会いしましょう。皆さん、おやすみなさい。』
第15話/END




