第9話 第二章【ホラー】あんたが私の邪魔をするからよ#3【最終話】
ぽち『あ~あっつい!!暑すぎる!!イライラする!!』
白夜「マジであっついね!ほら、イライラすんなよ。アイスあげるから。」
ぽち『わぁ!!ありがとう!!』
白夜「単純www」
ぽち『ホラーもこのくらい単純だといいのに。』
白夜「それじゃ面白くないでしょ。」
ぽち『そうね、じゃあ今日もこの間の続きね。
これで完結かな。皆さん、どうぞご覧ください。』
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鏡を見た、その時私の目に映ったのは鏡の中に映った自分の後ろにこの間の女の子がいたのでした。
『え・・・・・!?』
思わず後ろをすぐに振り返りました。ですが・・・。
『嘘でしょ・・・・!?』
後ろに誰もいなかったのです・・・。
「先輩、お疲れ様です!!」
『わっ!!』
「きゃ、ご、ごめんなさい・・・!!」
声をかけてきてくれたのは可愛い後輩でした。
『あ、いや・・・私の方こそごめんね・・・。』
まだ、心臓がバクバクしています・・・。後輩の彼女は私のその様子にすぐに気づいてくれました。
「先輩、どうされました?顔色が・・・。」
ドキッとしました。だけど、心配させるわけにはいけません。
『だ、大丈夫よ!!ごめんね!!』
私は焦ってすぐに元気であるふりをしました。だけど、気になったので、彼女に訊いてみました。
『ねぇ、このビル・・・。女子高生とか見学に来ている?』
このビルは、私たちの会社以外の会社もあるビルです。ある程度の東京の都心の会社ならそういうビルで各階ごとに会社があるビルが一般的かなとは思います。
「え?女子高生ですか?いいえ、聞いていませんねそんな話。」
『そうか・・・。』
「先輩、本当に顔色が悪いですけど・・・大丈夫ですか・・・?」
『うん!!平気!!大丈夫よ!!』
可愛くて優しい後輩を心配させるわけにはいきません。私は頭を切り替えて仕事に没頭しようと決めました。
後輩もトイレに入るところでしたので、私はトイレを出てオフィスに戻っていきました。
オフィスに戻る途中、壁一面に大きな鏡があります。そこの前を歩いていると偶然鏡の中に目が留まりました。
また・・・あの女の子がいた気がしたのです・・・。
『な・・・何!?なんなの!?』
鏡から目を離し、すぐに後ろをまた振り向きました。
『・・・・なんでいないの・・・!?』
暑さとは別に恐ろしくて冷や汗が頬を伝いました・・・。ふらついて歩いていると足を踏み外し、階段から落ちそうになりました。
『きゃっ・・・!!』
「・・・ぶね!!」
すぐに後ろを支えてくれたのは彼でした。
「お前・・・階段だぞ!!あぶねぇって!!」
彼の顔を見て、ものすごくほっとしました。
「どうしたんだよ?」
彼が心配そうにして、私の顔を覗き込んできました。
『お、お願い・・・・!!今日は一人にしないで・・・!!』
私は彼の胸に摺り寄せました。
「えっ・・・お、おう・・・。」
私はこの時確信はなかったものの、怖かったのです。
一人になると・・・あの女の子に命を狙われてしまうのではないのかと・・・気が気ではありませんでした・・・。
そして、オフィスに戻り、自分の机でパソコンのキーボードを打ち込んで仕事をしていた時の事でした。
書類の確認、次号の雑誌に載せる資料の作成など大忙しでした。仕事をしている間だけでも、あの女の子の事を忘れられていました。
資料にしるしをつけようとペンを持った瞬間、手が滑り、机の下にペンを落としてしまいました。
『あーもうっ!!』
そう言って、椅子に座ったまま机の下に顔を屈めたその時、何か黒い物体がいたように見えました。
なんだ・・・?何かカバンとか置いたっけ・・・?
その時、その物体がギョロリと私の方に顔を向けました。
違う・・・カバンじゃない・・・・人だ・・・・!!
そう確信したとき、その人間が私に飛び掛かってきました。あの女の子です・・・。
『きゃあっっっ!!』
大声を出して、私は椅子から落ちてしまいしりもちをついてしまいました。
「先輩!?」
「おい、どうした!?」
周りの人たちがびっくりして、私の方へ一斉に駆けつけてきました。
「おい、何があった!?」
上司が訊いてきましたが、あまりの出来事に私は声が出ませんでした。彼が私の体を起こしてくれました。
そして、私はやっと絞り出すように声を出すことができました。
『い・・・今・・・お、女の子が・・・・!!』
「女の子?」
私の言葉に彼も他の人達もきょとんとしているようでした。
「どこにもいねぇぞ?寝不足で変な夢でも見たか?」
『ほ、本当に・・・。』
私は辺りを見渡しました。でも、やっぱり・・・あの女の子はいませんでした・・・。
「編集長・・・彼女を休ませてやってくれよ。」
見かねた彼が上司に言いました。
「それは構わねぇけど・・・。」
私は早退することになりました。でも、彼は仕事をする事になってしまったので・・・私は一人で帰ることになりました。
駅のホームで一人、私は電車を待っていました。でも、怖くて・・・疑心暗鬼に周りをきょろきょろしながら歩いていました。
「一番ホームに電車が参ります。」
そのアナウンスが流れた頃、何か違和感というか・・・視線を感じました。
でも、もう電車が来る・・・。それに乗って家に帰ればいい・・・。
そう思ったその瞬間・・・。
ドンッ!!!!
『えっ・・・?』
私は線路に落とされました。
う・・・そ・・・!?
周りから叫び声が聞こえ、早く電車をとめろという声が聞こえたりしました。
どしゃ!!
と、私は線路に転げ落ちました。電車はだんだんと迫ってきました。
やだ・・・・!!やだ・・・・!!
そう思い、ぎゅっと目を瞑った瞬間、彼がすぐに線路に降り、私を抱きかかえてホームまで助けてくれました。
「馬鹿!!何やっているんだ!!」
彼に怒られてしまいました。
『だ・・・だって・・・。』
涙をボロボロこぼしながら私は声にならない声を出しました。
「無事でよかった・・・!!」
彼は私を抱きしめてくれました。
だけど・・・あれ・・・?
違和感を感じます。
彼って、こんなに体・・・冷たかったっけ・・・?
横目で彼の腕を見た瞬間・・・ゾッとしました。彼の着ている服はスーツのはずなのに・・・。
何故セーラー服なの?何故、服が血まみれなの?
私は目だけ上を向きました。私を抱きしめていたのは、彼ではありません。
あの女の子です・・・。そして、彼女は私の耳元でこう言いました。
「あんたが私の邪魔をするからよ。」
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ぽち『はい、おしまい。』
白夜「えぇ!?ここで終わり!?」
ぽち『はい、ここで終わりです。この物語の解説をしていきますね。
まず、主人公に憑りついた?と思われるこの女子高生の幽霊は、生前、高校で遭ったいじめが原因で駅のホームから飛び降り、自殺をした女子高生の幽霊になります。
で、一話の時に、女の子をホームから突き落としましたよね?あれは、あの子の母親がその女子高生を生前虐めていた主犯格の女性のようです。
ただその女性だけを呪い殺すだけだと気が済まないため、その女性の娘を巻き込んで線路に落として呪い殺すために線路から落としたようです。
それを主人公が助けた上に、自分が見えるから主人公からその件で注意を受ける感じになってしまい、いら立ちが湧き出てしまい、殺すつもりはないのですが、主人公に警告するためにこのように線路から落として脅そうとしたようです。
だから”あんたが私の邪魔をするからよ”と言ったのですね。
助けたのは主人公の彼に扮した女子高生の霊です。』
白夜「悪霊になってしまったって事?」
ぽち『そういう事になりますね。ちなみに後日談として、彼の知り合いにお寺の住職の跡取りの男性がいたため、除霊を行ったようで、主人公から離れましたが、その女子高生の幽霊はもう恨みがすごいらしく、一筋縄ではいかないようです。
女子高生の幽霊はまた、あのホームに戻ったようですよ。』
白夜「いやぁ・・・怖かったわ。いじめってたちが悪いのが、虐めていた方は全く覚えてないよね。それで、虐めていた側はずっと覚えているものだよね。
本当にたちが悪いのは昔の事だからもう許しているだろうと思っている加害者側の勝手な解釈が一番ひどいよね。ゆるすわけないのに。」
ぽち『本当よね。私も自分を虐めていた人間許さないから、現在進行形で末代まで祟っております。』
白夜「お前が怖いわwww」
ぽち『私は虐めという言葉は一本の紐だと思います。人の悪口を言えば侮辱罪だし、物を隠したり盗めば窃盗罪、壊したりしたら器物損壊罪、殴る蹴るの暴行を加えれば傷害罪、その人の写真を加工して変な画像を作ってSNSなどに投稿すれば名誉棄損罪とかになると思います。
それが虐めという名の一本の紐に括られて”虐め”という事で済まされている気がします。
紐が落ちれば色々な罪が零れ落ちることを虐めている側は分かってほしいものです。
それでは皆さん、また会いましょう。おやすみなさい。』
第9話/END




