71 勇者の剣?
今日は昨日に引き続き、シルビー先生と一緒に、今度は第一騎士団の風呂場を設置しに来ている。
「『水の子』水の力を使って、新しい風呂4つ出せーーーー」
「水を纏えーーーーーーー」
ボンッ!
ドンッ!
ドスッ!
ドスンッ!
「お! 成功! 4つでも、いけたなぁ!」
『問題ないな』
「最初からこうすれば良かったねぇシルビー?」
『だな』
「次、何出す? シルビー?」
『洗い場を作るか? それともサウナ室も作ってみるか?』
「お! それ良いねぇ! 流石シルビー先生!」
『木材足りるか?』
「うん。この前、沢山切ったからまだ大丈夫。今度また切りに行こうよ」
『いっそのこと、庭の周りに植えるか? そしたら、直ぐ育つんじゃないのか?』
「おう! それ良いねぇ! そうしたら何でも作り放題だね!」
『鉱石だけじゃなくて、レンガも頼めば良かったのでは?』
「あ! それ良いねえ! 後でお願いしてみる!」
「なあクラメンス胃薬持ってるか?」
「あるよ? エドナード。何なら治癒魔法掛けようか?」
「いゃ、あの溢れ出るポーション風呂、執務室にも設置してくれるそうだ……」
「……よ、よかったな」
「う、うん……」
目の前で楽しそう? に一瞬で4つの風呂を設置した少年と、ちょっと小さめになった大型犬? に似た風貌の聖獣を遠い目で見ながら、互いの体調を気遣う仲良し? な国のツートップだった。
「アレックスくん、レンガが欲しいのかい?」
「うん。エドナードさんお願いしてもいいですか?」
「構わないよ? どのくらい用意しようか?」
「うーーん取り敢えず荷車5台分ぐらい?」
「へ?」
「あ? 無理なら3台分とかでもいいですよ?」
「む、無理じゃないけど……何に使うの?」
「うーーん。まだ決めてはないんですけど、あると便利そうだし? あ! あとガラスと、鉄も欲しいんですけど……ダメですかねえ?」
「い、いや、構わないよ……そのポーション風呂に比べたら、その程度……」
「本当に? やったーー! シルビーこれで何でも作り放題だよ!!」
『おう! 鉄にレンガにガラスかぁ。何作るかのぅ? 風呂作ったらまた考えるぞ! アレックス!』
「うん! じゃあ、全部荷車5台分でよろしくお願いします。エドナードさん! お礼に後で執務室に風呂場とサウナ室も作るんで! あ! ついでにワイン樽も作りますね?」
「あ、ああ、すまないね。ありがとう……」
「なぁ、俺、陛下に怒られると思うか? クラメンスよ?」
「俺は聞いてない。何も聞いてない。俺は何も知らない。俺を、巻き込まないでくれエドナードくん」
肩をガックシ落とす宰相様の姿をよそに、1時間程前から始まった、第一騎士団風呂場の大改築工事が既に終わろうとしていた。
「エドナードさん? こんな感じでどうですかねえ? サウナ室も完備しちゃいました!」
「う、うん。良いんじゃないかなぁ?? もう……何でも良いと思うよ? アレックスくん、昨日言ってた鉱石用意しているから、後でいつもの執務室に来てくれるかい?」
「早いですねぇ! わかりました! 脱衣所の細かい物設置したら寄りますね」
「待ってるよ。では私は先に失礼するよ。何かあったら? このクラメンスに言ってくれたらいいから。クラメンス、後は頼んだよ?」
「逃げたな……」
「失敬な、仕事が溜まってるんだよ……」
疲れ果てた表情をしながら、普段より足早に去って行った。
「こいつら二人いたら大砲100台とか一瞬で作りそうだな。もはや魔道士必要ないな……再就職先考えとかないとなぁ……」
将来に不安を抱く、国内きっての大賢者と呼ばれた男が呟いた……
俺達は第一騎士団の風呂場の設置を終え、これから、クラメンスさんの執務室に向かうところだった。
カン、カン、カンッ
カキン カキンッ
「あ! 練習してる!」
「おや? 君は先日の少年では? 確かアレックスくんだっけ?」
「はい! ダニエルさんでしたよね?」
「おお。覚えていてくれて光栄だよ。まさか君が優秀な魔道士だとはあの時は知らなくて、すまなかったねぇ」
実は、先日のポーション風呂の話合いの時に、俺の『水の子』の力を全て明らかにするのは、混乱になるだろうと言うことで、取り敢えず俺は「魔道士」と言う設定になった。
『水の子』を使って水を出すことが出来る俺にはそれが一番怪しまれないだろうと、みんなに言われたのだ。
流石に、瞬時に木材だけで家が作れる。石だけで風呂が作れる。これは言わないでおこう。ということになった。
「今度、練習を見学させてもらってもいいですか?」
「ああ、そうだったなぁ。いつでも来ていいよ?」
ダニエルさんは大きな手で俺に握手を求めて来た。
「ありがとうございます!」
俺がそれに応え礼を言ったら
「魔道士なのに剣術に興味あるのかい?」
ちょっと不思議そうな顔で聞かれた。
「剣術も使えたほうが何かと良いかなと思って、本当にド素人なんで……」
「それは良い心がけだね! 俺が今度見てあげるよ?」
優しい表情でダニエルさんが言ってくれた。
「本当ですか? よろしくお願いします!」
「ああ、任せとけ!」
「ところで、ダニエルさん。剣士だと、どんな剣があると助かりますか?」
「ん? それは魔道士としての意見かい?」
「まぁそんな感じです……」
俺はちょっと言葉を濁した。
「そうだねえ、魔道士だったらわかると思うが、身体強化かなぁ? 騎士団の中でも何人かは、魔力を持っている奴らがいて、そいつらは自分で身体強化魔法を掛けやがるから、あれは羨ましいよ」
「なるほど……他には何かありますか?」
「俺達は、魔物を相手にすることがあって、毒などの魔法を使いやがる魔物もいるからなぁ、そういったのに対応できる剣なんかあれば最高だけどな! まぁこんなのは夢物語だけどな」
「なるほど……ありがとうございました! 助かりました!」
「お、おう? ではまたな? アレックス!」
「はい! また今度!」
身体強化かぁ、なるほどなぁ。やっぱり現場で剣を振るっている人に聞いて正解だったなぁ。
身体強化と状態異常無効化機能付きで、硬くて折れなくて、スパッと強敵を斬れる剣!
よし! これに決まりだな!
あとはデザインを考えるだけだな。
素材が楽しみだなぁ~~
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