67 宴会ですか?
俺は、新しく作った風呂場に、みんなを案内した。
「これは、また凄いねぇ。まるで温泉に来ているようだ!」
まだ、脱衣場しか入ってないが、既にクラメンスさんとエドナードさん二人共、気に入ってくれたようだ。
「中へどうぞ?」
浴室のガラス戸を開ける。
浴室への戸は中が見渡せるようにガラス戸にしてみた。
「ほうう。こりゃぁ凄い!」
ギルバードさんも喜んでいる。
俺達はここで、脱衣し風呂場へ入った。
男同士と言うこともあり、そこまで抵抗はなかったが、意外だったのがエドナードさんだ。
色白でインテリっぽく見える普段とは違って、かなりの筋肉質で均整のとれた体だった。
流石は元Aランクの冒険者だ。
「おお! こっちには露天風呂まであるのか! 凄いなこれは!」
普段から好奇心旺盛なクラメンスさんは、屋外の露天風呂へ早速向かっている。
「実は……この湯のことなんですけど……」
さっさと言ってしまおう!
ギルバードさんには、先に大体のことは話してあった為、ギルバードさんは俺のそんな気持ちを、察してか頷いた。
「ん? このお湯がどうかしたのかな?」
エドナードさんが聞いてきた。
俺は意を決して言った。
「この湯はポーションで出来ているんです!」
『ブハッ!』
長椅子の上で寛いでいたシルビーが吹き出した。
俺はシルビーを睨んでやった。
仕方ないだろ? どうせ言うならスパッとだろ?
「「は??」」
「私から説明しようかね。では」
ギルバードさんが代わりに説明してくれた。
昨日、俺がギルドでギルバードさんに話した内容を、二人にもっと分かり易く話してくれた。
「なるほどな……それで俺達を呼んだわけか。まぁ口で説明するより見たほうが早いわな」
クラメンスさんが言うと、エドナードさんも
「まぁ出来てしまったものは仕方ないですねぇ……しかし、まぁこれは……」
頭を抱えている。
『そもそも、もう隠すのを止めれば良いだけではないのか?』
「「「「え?」」」」
は?
全員が固まった。
『別に隠す必要なかろう? 隠そうと思うから悩むのじゃ』
まぁそりゃぁそうですけど
それ言ってしまったら……
シルビーさんや
今までの努力は……
「そうかも知れませんねぇ……」
ポツリとギルバードさんが言った。
え?
シルビーが適当に言ったことに、そんなんでいいんですか?
「そうだなぁ。別に悪いことじゃないんだし……」
ちょ? 待て待て? 今までの努力は??
真面目なエドナードさんの発言とは……
「こうなったら気にせずバンバンやっちゃう?」
おい! クラメンス!
絶対貴方たち酔っ払ってるでしょ??
『そうそう! 気にせずバンバンだ!』
シルビーーーー!
「「「まあ、アレックスくんだし!」」」
何じゃそれーーーーーー!
「しかし、このお風呂は良く出来てますねぇ」
「星空も見えて、これは良い!」
え?
この話おしまいですか?
いいんですか?
もう?
「まぁポーション風呂のことは、おいおい考えましょうか。ね?」
ちょ、ギルバードさんまで、そんなこと言い出したし……
「「そうしよう」」
「「何せアレックスくんだし!」」
「「そうそうアレックスくんだから!!」」
えええええええーーーー
俺って何ポジション?
もはや人外認定??
『良かったなぁ? アレックスよ。これで、世界征服出来るぞ!』
そんな恐ろしいこと考えてません!!
『チッ、つまらんヤツだなぁ』
普通考えませんから!
「話しがまとまった? ところでワインでもいかがですか?」
「お? それは良いですなぁ?」
目がキラキラしてますが……貴方酔ってませんか?
大丈夫ですか? 宰相様?
「ここのブドウの好きなのを、お採りください。それを俺がワインにしますから」
「おお! 目の前で『水の子』が見えるのか! 素晴らしい余興ですな!」
いや……余興じゃないけど……
「では俺から、これでお願いします!」
そう言ってクラメンスさんが、ブドウを差し出す。
「よし! 行きますよ?」
俺はグラスを手に取りブドウを持ち、グラスの中にワインが注がれるイメージをした。
「『水の子』このブドウからワインを作れーー水を纏えーーーー!」
よっし! 出来た! グラスに注がれたワインを見て確認する。
「「「おおーーーーーーーー!」」」
みんな拍手してくれた。
「流石! アレックスくん!」
エドナードさんが言えば
「おお! いいもの見た!」
クラメンスさんがそれに乗り
「さすがは我が息子!」
ついにはギルバードさんまでもが……
『アレックス次、我のリンゴジュースよろしく!』
「リンゴのワインもいけるんでは?」
「おお! シードルワインですな?」
「なかなかあれもイケますからなぁ」
君たち? 何か間違えてませんか??
宴会場じゃねえええし! ここ!
『オレンジも、桃もあるぞ?』
「おお! それはまた!」(エ)
「アレックスーオレンジを頼む」(ギ)
「俺、リンゴでよろしく!」(ク)
おい! お前ら三兄弟!
この酔っぱらいめーーーー!
「いやぁ、最高ですなぁ。満点の星に、目の前に広がる草原が夜風に揺れ」
「美味い酒と、ちょうどいい湯加減」
「これは癖になりますねぇ」
「月が綺麗ですねぇ」
「疲れも吹っ飛びますな」
君ら……思いっきり満喫しとるやんけ!
これでいいのか?
この国の未来が心配になった俺であった。
『お忙しい中、最後までお読み頂き大変有難うございます』
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