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64 ポーション風呂

 薬草畑から、薬草の苗を抜いて来た俺は今、新しく作った風呂場の露天風呂の岩肌に移植している。

『アレックスーそれさーそのまま植えるのか?』

 ん? 何で?

『いや……』

 何?

『見た目、的に……』

 ん? ダメ?

『いや……ダメではないが……花や木々と一緒に植えたらどうだ?』


 それだ!

 ねぇシルビーなんかいい感じの木とか草花とか知らない?


『待ってろ! とってきてやる!』


 任せた! 相棒よ!

 俺はその間に、露天風呂に設置するシャワーや、細かい設備などを作っていた。



『戻ったぞ! ほれ!』

 流石仕事が早いねぇ! 

 おっ!

 シルビーさんセンスあるねえ?

『お主が無さすぎるんだろ……』


 いい感じの小花と、木々をシルビーが持って来てくれたので、俺はシルビー先生指導のもと、それを露天風呂の周りに配置していった。


 ねぇ、シルビーこの露天風呂のさぁ、天井部分にブドウの木這わせたらどうかなぁ?

 お風呂に入りながらブドウ食べれるよ?

 ギルバードさんとか来たらその場でワイン作れるし。


『おお! それは良い考えじゃ! お主にしてはなかなかじゃな』

 庭のブドウ1本抜いてきてよー

 株分けしたのがまだ残ってたはずだから。


『ならリンゴも植える!』

 いや、ここ風呂場ですから……

 シルビーさんや。

 風呂入りながらリンゴ食べる人いないだろ……

『我が食う!』


 リンゴはいつでも食べれるようにアイテムバッグに入れてあるだろ?

『まぁ我も持ってるけどな!』

 おい! お前も持ち歩いてるのか! 

『水分補給じゃ!』

 お前、水魔法で水出せるだろうが!

『MP減るから嫌だ!』

 そんなのちょっとしか減らないだろ! 


 MPポーション樽持っとく? ついでに回復ポーション樽も?

『いらんだろ……』

 だってこの前、魔力切れになったじゃんか!

『あれは、最高レベルの空間魔法を連続で使ったからだ! そんなこと滅多にないわい!』


 ダメ! 何が起こるかわかんないんだから!

 ポーション樽持ち歩いて!

 はい! これ!

 俺は渋るシルビーに、ポーション樽を押し付けた。


『フフフッ……これで世界征服が……』


 何か言った?


『いや? 何も? そんなことより出来たのか?』

 どう? こんな感じで?

『良いんじゃないか?』


 で? これをどうやったらポーションに出来るの?


『この蛇口から常にお湯が出るようにイメージしろ!』


 え?


『湯が溢れんように、排水口を作るんだぞ? ここに』

 シルビーが排水口の位置を鼻でツンツンして指示してくれた。

『その後、今植えた薬草からエキスが風呂の湯に流れ出すように念じてみろ!』


 え?

 風呂の湯をポーションにするってこと?


『いかにも!』


 でもさーそれだと、なんか衛生的に……


『なら、別にポーション専用の湯船を作れば良いではないか!』


 はああ?


『お前の水はいくら使っても減らないんだよな?』


 うん。まぁ……


『薬草も採ったら使った分だけ勝手に補充するよなぁ?』


 そうだね……


『ならば、わざわざポーションを作らなくても、毎日せっかく風呂でお湯をずっと出してるんだからそこでポーション作れば良いだろう!』


 ちょっ! 

 それ!

 ヤバくね?

 24時間ずっとポーション自動で作り続けるってこと?


『そうとも言う!』

 

 それもはや……

 人間のすることじゃないような……


『アレックスだからな!』


 まぁせっかく出来るなら作っちゃうか!


『おう!』


 そして、俺はシルビー先生指導のもと、風呂場を改造していった。

『水の子』を使用し、24時間ずっとお湯が出続けるように蛇口に念じ、植えてある薬草のエキスが風呂の湯に流れ出るように念じた。


 そして、溢れ出した「ポーション湯」は勿体ないので排水口に入ったあと、冷却され庭の作物に一定時間が来たら自動で水遣り出来る装置を作り、有効活用することにした。


 これで俺がわざわさ水遣りしなくても、毎日、定刻に自動で水遣り出来ることになった。

 しかもポーション水だ!

 この提案をしたのもシルビー先生だ。

 シルビー天才かも?



 ねぇこれってさぁ本当にポーションになってる?


『我が試しに飲んでみる!』

 シルビーがMPポーションの風呂の湯を飲んでみたら、ちゃんとMPが回復したようだった。

 そして、回復ポーションの風呂の方もちゃんと出来ていた。


『これさー別に飲まなくても風呂に入れば回復するだろ』


 へ?


『ポーションは飲まなくても振りかけただけで効果あるんだから、風呂に浸かれば同じだろ!』


 シルビー!

 凄いなお前!


 じゃぁこれって「ポーション風呂」ってこと?


『そうとも言う!』



 無限自動ポーション作成風呂???



 うそーーーーん!




 こうして、俺達はシルビーのとんでもない発想から、またまた、とんでもない物を作ってしまったことは、後になってわかるのだった。





 シルビー! やったなー! 

 待てぇえええーバシャッ!


『我に勝てると思うなよ?』


 魔法使うの反則だからね!


『お主、相手に魔法なぞいらぬわ!』


「『水の子』水を纏えーーーー」

「シルビーを追いかけ水をかけろーーーー」


『ちょっ! お前! 卑怯だぞ!』

 

 当たり前じゃん! こうでもしないとシルビーに勝てるわけないじゃんか!


『魔法ダメって言ったのお主ではないか! ちょっ! おい! やめろおおお!』







 ────このことが後に、またしても大波乱を呼ぶことになるとは思いもせず、無邪気に出来立ての大浴場で水遊び? 「上級ポーション遊び」をしていた()()だった。

『お忙しい中、最後までお読み頂き大変有難うございます』


【作者からの切実なお願い】

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このジャンル初挑戦です!

『皆様のお力で表紙入りを達成させて下さい』

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皆様の応援により筆が進みます。

拙い作品ですがこれからも応援お願いします。



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