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61 邪神

『アレックスとギルバードに結界を張る! ギルバードよ─』


「はい?」


『邪神が見つかり次第アレックスを連れて隠れておけ! アレックスを頼んだぞ!』


「わかりました!」


「シルビー! 俺だって戦うよ!」


『邪神に対するは、今のお前ではまだ無理だ』

 冷たく低い声でシルビーが言い放った。


「そんなの、やってみなきゃわかんないじゃん!」


『馬鹿もん! 廃神された邪神と言えど元は神だぞ! しかも高位神だ! ヤツがその気になればこの国どころか、この世界ごと吹き飛ぶぞ!』


「「え?」」


『言ったろ? 我とドラゴンの()()で戦っても勝てるかどうか? だと』


「そんなに強いなら尚更、俺も一緒に!」


『足でまといだ! アレックス、お前を守りながら戦うことは出来ん!』


「そんな…………」


「アレックスくん、ここはシルビーくんの言う通りに!」


「わかったよ……」


『ただ、今回は戦うつもりはない!』


「「え?」」


『こんなところで、ヤツと我らが戦ってみろ! この領自体、下手したらこの国ごと無くなるぞ! それにいきなりドラゴンが出現してみろ! 大パニックじゃ!』


「「確かに!」」


『今回は不服じゃが、戦うのではなく、邪神を結界に封じ込め、天界へ送り返す!』


「え? そんなこと出来るの?」


『封じ込めれたらな……じじい、見つかったか?』


《いや、まだじゃ。そっちは?》


『まだだ!』


《まさかもう移動した?》


『いや、絶対まだいるはず! じじい、今回は戦うのが目的じゃないぞ! 聞いておったろ? 結界に封じ込めるのが目的だ!』


《素直に入るとよいがのう》



《いた!》


『どこだ?』


《画像を送る》


「すご! 本当に送られてきた!」


『直ぐ行く!』


 シルビーは風のように速く走り始めた。

 俺達は瞬きすることも出来ず、息をするのも忘れる程の速さの中

 俺達は風と一体化した。



『ギルバードよアレックスを頼んだぞ!』


「わかりました! 必ず守ります!」

 俺達は林の茂みの中で降ろされた。


 キーーーーーン!


 シルビーが俺達に結界を張った。

 シルビー! これを!

 俺はシルビーにMPポーションと回復ポーションの樽を渡した。

 絶対死なないでよ! シルビー!


『任せろ! 我は聖獣フェンリル! 直ぐに終わらせる! ちょっとだけここで待ってろ!』


 うん! 待ってる!


「ご武運を!」



《行くぞ!》

『おう!』

 シルビーがドラゴンの背に乗り、ドラゴンが気配を殺したままゆっくり、ゆっくり飛び立つ。


『我が睡眠魔法を掛ける』


《レジストされよう?》


『間違いなくな! だが一瞬、隙がヤツに生まれるはず!』


《その一瞬に儂が!》


『ブレスでは無理だ、着弾までに時間が掛かり過ぎて気づかれる。じじい妖術が使えたよなあ?』


《ああ》


『レジストされる瞬間を狙って妖術で、幻影を見せろ! ヤツが寝ている幻影をだ!』


《はあああああああ?》


『一瞬で音もせず確実に掛けれる妖術が最適じゃ! ヤツの性格は我がよく知っている! 必ず掛かる! その一瞬、ヤツが錯覚を覚えた瞬間を狙う!』

『時空の歪みを使う!』


《神力か……それしかなかろうなぁ。しかし……あまりにもそれでは、お主が危険では?》


『我が()()()()()る前に、じじいが止めろ!』


《無茶苦茶じゃのぅ……》


『出来ぬと申すのか? 不可能はないんじゃないのか?』


《出来る! 儂に不可能はない!》


『では始めるぞ!』


《よし!》


『邪神め!』


 金髪で色白、何処かあどけない表情が残る少年の姿をした()()、邪神に向けてシルビーが一言呟きじっと見つめた瞬間


『スリプル!!!』



 ◆◆◆「?」


《行け!! ハーーーーー!》


 ◆◆◆「あれ? 寝落ちした? 疲れてるのかなぁ? 僕? まぁちょっと最近()()()()に忙しく動いたからねぇ」

 金色の髪を持つ少年は、首をコクコクまわし、自分の肩を手でトントンと叩きながら呟いた。


『今じゃ! 行くぞ!』


『時空の歪み!!!』



 ────ぐにゃぁーーー

 ××××ぐらぁああああああん××××



「何? 今の?? 地震? 一瞬揺れた?」


「さぁ? おさまりましたねぇ? アレックスくんこちらへ!」


「う、うん……」




 ◆◆◆「狼! いつの間に! ふんっ小賢しい! 所詮、神の使いのお前程度が、神である僕に勝てるとでも?」

「時空の歪みか」

「残念だったね。アハハハハッこの程度の空間魔法で僕が閉じ込められるとでも? アハハハハッ」



『じじい今だ!』


《耐えろよ!》


《ドラゴンブレスーーーーーーーー!》


◆◆◆「トカゲもいたのか? 歓迎するよ。雑魚がいくら増えても僕の前ではゴミクズ同然。無駄だよ。アハハハハッ」

「ドラゴンブレスなど、僕には効かないよ。下等生物の放つ臭い息などね。仕方ないから、ちょっと遊んであげようかな?」


 邪神がドラゴンの方を一瞬向いた瞬間


『時空の歪み』

『帰還転移!!』

『我が帰還する! ゲートを開けよ!』

『神の絶対帰還発動せよ!!』

 

 ぐにゃああああーーん

 ────ぐにゃぁ────

 ××××ぐらぁああああああん××××


 パリンッ!


 ────ヒュウウゥゥーー────

 

 凄まじい猛風が吹き荒れる。

 大地を揺らし、薙ぎ倒した木々や建物が上空へ舞い上がる。

 ゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオッーー

 全てを飲み込むが如く激しい突風が渦巻く。



◆◆◆「何ぃいいいいいいいい? 最初からこれが狙いか! 小賢しい狼め! くそっぉ!」

 金色の髪が激しく燃え盛るように逆立ち上がり、少年の姿をした邪神が光輝く。


「させるか!」

「ハイパーフラッシュ!!」

「アルテメテオ!!!」


 無数の金色の光線が飛び交い、光の槍と激しい光の雨がシルビーに降り注ぐ!


『ギャンッ!』

『ぐぬぬぅううぅーー』

『ぐぅぅうぅううっーーーー』

『じ、じぃ! さ、さ、っとむ、む、かえにっ……』




◆◆◆「く、くそぉお、す、すい、吸い込まれる」

「ひ、卑怯な……」

「させるかああああああああああああ」

「覚えておけええええええ」

「ぐがあああああ」

「ぐはあああああああああ」


 



◇◇◇「フォッフォッフォッ、これはこれは。迷惑をかけたのぅ。我が息子よ、大きくなったのぅ」


「後は儂に任せておけ。時間がない! 早く行け!」





 ────シルビーはそのまま空から堕ちて行く。



《小狼!》

 

 間一髪で迎えに来たドラゴンの背に墜ち乗ったシルビーはそのまま地上へと降りた。




 シルビィーーーーーーーー!


《アレックスよ! 大丈夫じゃ!気を失っておるだけじゃ。ただの魔力切れじゃ》


「でも、こんなに傷が!」


 シルビーの身体には無数の切り傷があった。


《この程度の傷、傷のうちに入らぬわ。フェンリルじゃぞ?》


 俺は傷だらけのシルビーを抱きしめた。


 シルビーーーーーーーーー!


「シルビーーくん……。アレックスくん、シルビーくんにポーションを!」


 ギルバードさんの声で俺はハッ! とした。

 

「うん!」


 俺は急ぎ、必死で樽ごとシルビーにポーションをぶっかけた!!



『ギャン!』


 シルビーーーーーーーー!



『冷たっ! お前何するんだ!』


 だってぇえええ

 シルビーが……

 シルビーがぁああ……

 もういなくなっちゃうのかと思ったら……


 グズッ グスン グズッ

 だっでぇ じるびぃがぁああああ

 グズッ……


 うわぁあーーーーーーん!


『ちょ、おま、泣くなぁああああ!』


 だってぇええええ

 うわーーーーーーーーん!!


 俺はシルビーに抱きついた……


 シルビー

 シルビーーーー



『もう、わかったってぇ。直ぐに戻るって言ったろ?』


 シルビーに抱きつく俺の頭をシルビーが優しく撫でてくれた。

 シルビィーーーーー



『もう、大丈夫だ。アレックス大丈夫だ。よく頑張ったなアレックス』


『お前が結界を強固にしたお陰でヤツは、逃げることが出来なかったんだからな。お前のお陰でヤツが異界に転移するのを防げたんだ。天界に強制送還出来たんだ!』


『お前のお陰で世界が救われたんだ! だから、もう泣くな。胸を張れ! アレックス』


 

 俺はずっとシルビーに抱きついたまま

 泣きじゃくった……

 その間ずっと、シルビーは俺の頭を撫でながら「大丈夫だ」「良くやった」と何度も俺に言った。


 終わったんだ……

 これで終わったんだ……



「アレックスくん?」


『緊張が解けたんだろ』


「シルビーくんは、大丈夫?」


『ああ、この大量ポーションを浴びせられたお陰でな。問題ない』


「なら、とりあえずクラメンス達のところに戻りましょうか? アレックスくんを寝させてあげましょう」


『腹減った!』


「わかりました。直ぐに食事の用意をさせましょう!」










『お忙しい中、最後までお読み頂き大変有難うございます』


【作者からの切実なお願い】

★皆様のお力をどうかお貸し下さい★

このジャンル初挑戦です!

『皆様のお力で表紙入りを達成させて下さい』

広告下にある✩✩✩✩✩から作品への評価と、ブックマークを是非とも宜しくお願いします。 

皆様の応援により筆が進みます。

拙い作品ですがこれからも応援お願いします。



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