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52 空の旅へようこそ(2)

「ギャーーーーーーーー」

「だずぅーーげぇーでぇええーーーー」


 俺達は今、俺の生まれ故郷である辺境の田舎に向かう為にそう、()の上にいる。


『アレックスーーいい加減うるさいぞ! 下を見るからいかんのだ!』


「だってえええええーーー」

「ぎぃやあああああああああああああああーーー」


『もう、わめくなってーー耳が痛とうてかなわんわい』



 なんでこんなことになったかと言うと、こいつのせいである!

 シルビーが馬車で行くのを渋ったからだ。


 俺の故郷へは馬車だと10日はかかる距離だった。

 それをシルビーが嫌い、竜種のドレイクを連れてきて、ドレイクに篭を取り付け、運んで貰っているんだが……


 問題なのは、このドレイクの飛ぶスピードだ。

 ウチのわがままシルビーがドレイク達に、発破かけた為、ドレイク君たちがやる気出して、異常なまでのスピード最速で飛んでいたからだ。

 シルビー何言った? この子らに?



「シ、シルビーさん、空の景色も楽しみたいから、もう少し、ゆっく……ぐああああああああああ」

「ぎゃーーーーーーーーー」


『しょうがねぇヤツだなあ』

『ギルバード見てみろよ!』

『まったく平気そうだぞ?』


 そう、今回ギルバードさんの誘いで一緒に俺の故郷に行くことになり、この空の旅に一緒に同行しているのだ。


 ギルバードさんは平気なのか? さっきから無口だ。


『しかたねぇなぁ。このままだと、我の耳が、おかしゅうなりそうだからな』


『ドレイクども! 少しスピードを落とせ!』


「ピィーーーー」

「ピィーーーー」


 二匹のドレイクが、素直に鳴いた。


 聖獣恐るべし! あの馬鹿デカイ、ドレイクもまるで子供のように、手懐ているし……

 これ絶対、脅したろ?

 シルビーさん?




「はぁ……これでやっと……」


「良かったですね? アレックスくん?」


「ギルバードさんは平気だったんですか?」


「うーん? どうだろ?」


 ギルバードさんは、微妙な笑みを浮かべていた。


「ではお茶でも入れましょうかね」


 そういって、ギルバードさんがアイテムバッグからコップと皿を出した。


 そう、あのあと、親子になった記念に俺がアイテムバッグを作成して、ギルバードさんにもプレゼントしたのだ。

 最初は「こんな高価なもの貰えない」と遠慮されたが、俺の親父になった人だ。陛下や、宰相のエドナードさんだって持っているのに、ギルバードさんが持っていないのはおかしい! と俺が強く言って、渋々受け取って貰った。


 ちなみに、クラメンスさんは、アイテムボックスを持っているらしく、クラメンスさんの分は作らなかった。

 流石、エリート魔道部の隊長だけって、空間魔法が使えるらしい。


 今度、水が出せる俺に、水魔法を教えてくれるらしい。魔力は俺にはないが、水魔法のイメージを教えてくれるらしい。


 シルビーは、これ以上強くなって何処に向かうつもりだ? お前は? と呆れられたけどね。

 まぁ覚えておいて損はないかな? と思って教わることにした。



 ギルバードさんが出したコップに、茶葉を入れ、俺がお湯を出した。

 シルビーにはリンゴからリンゴジュースを作ってやった。


「しかし、凄いねぇ『水の子』って。リンゴからこんな簡単にリンゴジュースが出来るんだから。まぁ布からアイテムバッグが出来るぐらいだしね……」


『木材から家もできたぞ』


『「ありえねーー」』


 なんか、二人にそろって、俺を化けもん扱いされた……


「まだまだ『水の子』の力は研究する余地があるねぇ。色々まだわからない部分が多くある気がする」


「そうですねぇ。俺もよくわかってませんし……ねぇシルビーはわかるの? 『水の子』の力って?」


『水の子の力かどうかはわからんが、水神の力と同様なんではないか?』


「水神? あ! そういえばさぁ、真っ白な中でさぁ、おじいさん? みたいな人が出てきてさぁ、そのじいさんが、俺に『水の子』のことを教えてくれたんだ。もしかして、その人が水神様?」


『じいさん? それは違うな、水神は女だぞ!』


「ええええええええええええ?」


『お主知らなかったのか? 自分の力を授けてくれた人を!』


「だって、その人だと思ってたから、調べなかったし……」


『ありえねぇし。普通調べるだろうが!』


「アレックスくん。普通、水神と言えば女性の神だよ。水神ウンディー様じゃないのか?」


「ウンディー?」


「我が国ではね。一般的に知られているのは水神ウンディー様だね」


「まじか! 知らなかった……」


『ありえんな……自分の才を与えてくれた神を知らんとは』


「じゃあ、あのじいさんは何だったんだろ? あ、それとさぁ、その時にじぃさんが俺に言ったんだ、自分のミスで俺に迷惑かけたから、ちょっとばかりその力を強くしとくからって、あと水を出すのをいくら使っても減らないようにしたって」


『なんじゃああそれ! お前なんでそんな大事なこと今になって言うんじゃ!』


「ごめんごめん。忘れてた。そのこと!」


『「ありえねーーーー」』

 仲良しですね? あなたたち?


『その老人って白い長い髭で、背は小さく、細身で、頭がハゲたじいさんか? 杖持ってる』


「凄い! シルビーよくわかったねえ! そうそう! そのじいさんだよ! 突然俺の前に現れて、儂のミスですまんかったって、言った人!」



『あのくそじじぃめ!』


「知ってるの? シルビー?」


『知ってるもなにも……あーーーー胸糞わりいーー』


「え?」


『それは、創造神だ! そして我の生みの親だ!』



「えええええええええええええええ?」


「え?」


 これにはいつも冷静なギルバードさんも驚いた様子だった。



「お忙しい中、最後までお読み頂き、大変感謝しております。」

「※フェンリルの出生については、本作は神話を基にはしておりません。今後の展開上、神の創造物としております。予めシルビーであることをご理解下さい」

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