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04 そうだポーションを作ろう!

 全ての木材を運びだし、商業ギルドで手数料を引いたお金を貰った。

 思っていた以上の金額を受け取ることが出来て、俺はちょっとビックリした。


 何の才能もない俺が、こんなに大金を手にすることができる日が来るなんて。

 思いもしなかった。


 あの日、幼馴染だと、仲間だと思っていた、あいつらにパーティーを追い出され、明日からどうやって生きて行こうかと悩んでいた俺にとって、この目の前にあるお金が、希望のお金だった。


「にしても、水の子かぁ……凄い力だなぁ……」


「でも、この力はみんなの為に使うようにって確か言われたよなぁ。みんなの為にって……? 一体何をすればいいんだろう?」


「困っている人を助ける? うーーん。困っている人って言っても『困ってますか?』って みんなに聞いて周るわけにいかないし……どうすりゃいいんだろ……」

「水を使って、困っている人を助ける……うーん難しいなぁ困っている人が沢山いるところとなると、病院とか?」


「そうだ! 水を使ってできることといえば、あれだ!」


「ポーションだ!」


「あれ、俺にも作れないかなあ? でもポーションってどうやって作るんだけっけ? 図書館にでも行ってみるか」






 ──そして今、俺は町の図書館に来ている。

 受付のお姉さんにポーションのつくり方を書いてある本がないか? 聞いてみたら

 なんとあったのだ!

「ふむふむ。まずは薬草がいるんだなぁ。それを潰して、煮詰めた液を絞る……」


「なるほどな。薬草を手に入れないとなぁ」

 必要な薬草を俺はメモして帰った。


「でもこの薬草って何処で手にいれるんだ? そう言えば冒険者ギルドの掲示板に薬草採取の募集が出てたなぁ。お願いしてみるか」


「あまり冒険者ギルドには行きたくないんだけどなぁ……まあ、昼間のこの時間なら、あいつらに顔合わせることもないだろうし……行ってみるか」


 独り言をブツブツ呟きながら、図書館を後にした。

 冒険者ギルドについた俺は、ちょっと重い気持ちだったが、勇気を振り絞ってドアを開けた。



「あら、久しぶり!」


 受付には以前からお世話になっていた、ポニーテールがよく似合う受付嬢の「コニー」さんがいた。


「ご無沙汰しております。コニーさん」


「そういえばアレックスさんって、ブラッドさんのパーティー『暁』を抜けたんですってねぇ?」


「えぇまあ……」


「コニー! 個人のことに首を突っ込むのはルール違反よ!」

 隣に座る受付孃のしっかり者で美人の「リオン」さんが、コニーさんを睨んだ。


「アレックスさん、今日はどういったご用件ですか?」

 優しく、そしてハキハキとした言葉でリオンさんが俺に聞いた。



「ちょっとー、リオン! アレックスさんは私が担当しようと思ってたのにぃ……」


「何言ってるの? 交代でしようって言ったのアナタでしょう? 次のお客が来たら、私に任せた! って休憩しようと言っていたのはアナタのほうじゃないの」


「そうだけど、アレックスさんだったし……」


「何それ?」


「だって、他の冒険者は横柄だったり、しつこく食事に誘ってきたり……そんな人が多いのに、アレックスさんは、いつも私達職員にも腰が低く話しやすいし。依頼料や報酬についても文句を言うことは全くないし、だからアレックスさんなら私にかわってよ! 次来た人リオンに任せるから!」


「何なのよ。その理由…… もう……」


「やったー! アレックスさん、こっち、こっち」


 二人のやり取りを目を丸くして聞いていた俺は、半ば強引にコニーさんのカウンター前に移動させられていた。


「コニーさん。ギルド長が呼んでましたよ? 急ぎで来るようにと」

 後ろから男性職員がコニーさんを探しにきた。


「えぇーーせっかく、アレックスさんの相手できると思ったのに……」



「はい、さっさと行ってらっしゃい」

 リオンさんに言われ渋々と席を立つコニーさん。


「残念だけど仕方ないわ。今度アレックスさん食事にでも行きましょうね!」

 そう言って笑顔で去って行った。


「もう、あの子ったらしょうがない子ねぇ。ごめんなさいねアレックスさん」

 リオンさんが申し訳なさそうに謝る。


「いえいえ。いつも親切にしていただいて……」


「ところで、アレックスさん今日来た用件は?」


 あ! 忘れるとこだった!


「実は、薬草採取の依頼をお願いしたくて」


「薬草採取ですか? それなら、直ぐに依頼を出せますよ。出しますか?」


「はい。お願いします!」


「では、この紙に必要な薬草の名前と数を書いて出してください。あとは、報酬金額の設定です」


「報酬金額って、いくらぐらいが相場なんですかねぇ?」


「ちょっと薬草の名前を書いた紙を見せてもらっても?」


「はい。お願いします」

 俺はリオンさんに先程書いた紙を渡した。



「ふむふむ。そうねぇ、この量でこの薬草だと、20000ペニーぐらいが妥当じゃないかしら? 大体一般的な薬草100本が10000ペニーぐらいと考えたらいいわ。だから、アレックスさんのは2種類だから20000ペニーが妥当だと思うわよ」


「そうですか。ありがとうございます。では、すこしおまけして23000ペニーで依頼して貰えますか?」


「わかりました。その金額なら直ぐに見つかると思いますよ」

 笑顔でリオンさんが言った。


 俺は無事、薬草の依頼を出すことが出来て、安心してギルドを後にした。

 帰りに図書館の本に書いてあった、ポーションを作るために必要な材料を買って帰った。


 そして、本屋によって「ポーションのつくり方」の本を見つけ、それも購入した。

 ちょっと高かったけど、先日木材を売ったお金がまだ結構あったので、俺は思いきって買うことにしたのだ。


「お忙しい中、最後までお読み頂き、大変感謝しております。」

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また、次回が気になると少しでも思われたらブックマークもして頂けると大変嬉しいです。

よろしくお願いします。



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