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38 天賦

『!』

『アレックスちょっと待ってろ』


 ん? 

 どうかしたの?


『ここにいろ! 直ぐに戻るから絶対ここを離れるなよ! 今度こそ約束しろ!』


 わかったってばぁーー


 あ!

 外に出るんなら、これギルバードさんに届けてよ!

 ポーション!

 直ぐ近くの救護所に居るはずだから!


『わかった。ここを動くでないぞ?』


 わかったってばー



 俺はシルビーの背中に樽を背負わせ、見送った

 気をつけてねーシルビー


『直ぐ戻る。お前も気をつけろよ!』





『ギルバードとやら? いたら返事をしろ!』


 ん? 聖獣様の声?


『急ぎ話がある! ギルド前まで来れるか?』


 お待ちください。今行きます!



 ギルバードが急いでやって来た。


 いかがなさいましたか? 聖獣様?

 アレックスくんに何か?


『いや、アレックスは問題ない。それより、ここにおる皆を避難させろ! 今すぐにだ!』


 え?


『近に川が氾濫するぞ!』


 ええええ?


『川底から地響きがしておる! 急ぐのじゃ! これを』


 は、はい!

 ギルバードは、樽を抱えたまま走って行った。



『まずいな……ギルドとアレックスには結界を張ったが……アレックスに何と伝えれば……』



『水の子か……』



『試してみるか』






 ────『戻ったぞ。変わりないか?』

 あ、シルビーお帰り!

 大丈夫だよ!



『アレックス、落ち着いて聞くがよい』

 

 ん?


『川が近に氾濫する』


 え?


『あまりもう時間がない』


 氾濫って?


『大雨と地盤の揺れで、川底から地響きがしておる。長くは持たまい。川の水位が増水して上がっておるゆえ、今のままでは近に氾濫するであろう』


 え?


 それって洪水になるってこと?


『このままならな』


 えええええ?


 どうすればいいの?

 じゃあ?


『我もできるかどうかはわからんが、お前の力に賭けてみることにした!』


 ええええ?

 俺の力に?

 そんなこと俺にできるの?


『できる!』


 俺に?


『お前は水の子。天から与えられし天賦の才。絶対できる!』


 俺にできる……


『ああ、大丈夫だ。お前ならできる!』


 わかった! 俺やるよ!

 みんなを守ってみせるよ!



『我の言う通りにイメージしろ』

 わかった!


『よし、では行くぞ! 背中に乗れ!』


 俺は、勇気を振り絞り、シルビーの背中に乗った。


 シルビーは瓦礫の山を、迷いなく猛スピードで通り抜け、町の外れにある川の近くまでやって来た。



 !


 こ、これは……


 俺は言葉を失った……



 川は増水して、近くの木々と土砂を飲み込み、真っ黒に変色し激しい濁流で渦を巻いていた。

 川面には、流された家具や、家屋の残骸などが猛スピードで流されていた。


 こんなにも……


『我が、一瞬川の流れを止める! その一瞬だ!』


『その一瞬に川底が硬く固まるイメージをしろ!』

『それと同時に川の水が天に浄化され、水蒸気に変わるように念じろ!』


『流れが止まった瞬間に合図をする!』

『お前は水の子を発動して、その瞬間に唱えよ!』


 う、うん。

 わかった……

 やってみるよ……


『案ずるな! アレックス、お前は水の子』

『水を自由に操れる水の子じゃ!』


 わかった!

 がんばる!


『よし! 準備しろ』



「『水の子』水の力を纏え!」

 俺は頭の中で川底の土が硬く固まるイメージをした。

 そして、シルビーに頷き合図する。


『行くぞ!』


 ゴゴッ ゴゴゴッーーーーーー

 水の渦がゆっくり押され、動きが遅くなる。


『今じゃ!』

 一瞬水面が真っ平らになり、シンと鎮まりかえった。


「行けぇーーーーーー『水の子』」

「水を纏えーーーーーー!」

「水の力で底を硬く固め、水を浄化しろ!」

「水の力を宿せぇーーーーーー!」

「天に届けーーーーーーーーーー!」



 ゴゴオオオオッゴオオオオオオ!



 その瞬間、川の水が大きな唸り声上げて畝り、

 竜巻を起こしながら激しい水飛沫を周囲に飛び散らせ、天高く水柱が立った。





 やった?


 成功した?



 その瞬間辺り一面真っ白になり、水蒸気が一気に舞い上がり、

 空に真っ白な大きな雲が出来た。




『よくやったな。アレックス。よく頑張った』



 俺は何故か涙が溢れ出ていた……


「お忙しい中、最後までお読み頂き、大変感謝しております。」

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また、次回が気になると少しでも思われたらブックマークもして頂けると大変嬉しいです。

よろしくお願いします。



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