表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/77

36 ついに来た!

『アレックス起きろ! 来るぞ!』


 俺はシルビーの前足で頭をさすられ、跳ね起きた。


『来るぞ! 水の子を唱えイメージしろ!』


 キーーン


 空気が一瞬震え、張り詰めたような感覚。

 これがシルビーの結界!


 俺は急ぎイメージをした。

 シルビーが張った結界に、俺の出す『水の子』が自然と絡み合い一つになるイメージを。


「『水の子』水を纏え! 結界に同化しろ!」


 キーーーーン


 空間が真空になったかの如く、全ての動きが止まったような感覚がした。


『アレックス良くやった』


 成功した?


『ああ、問題ない』





『来るぞ! アレックス我の中へ!』


 俺はシルビーに服を掴まれ、シルビーに背後から抱えられるように身を小さくさせられる。







 ────朝日が昇りはじめた薄橙色の空が、一瞬で真っ暗闇に変わった。


 鳥たちが一斉に飛び立つ音が微かに聞こえる。




 漆黒な空に鮮やかな閃光が走った瞬間


 バリバリバリバリバリバリッ!



 強烈な稲妻の音が鳴り響き、真空の空間が一瞬歪む。

 同時に激しい雨が降り出した。


 ザーーーーッ ザザザーーーーーー!

 バシャバシャバシャッ!


 大地に突き刺さるような激しい音。



 ミシミシミシッ!


 激しい振動で窓がガタガタ震えている音がする。



 ドドドドドドドドドッ! 


 下から突き上げるような地響きの音が聞こえる。




 結界を張っていてこの衝撃……


 俺は外を心配した。




 その時





 ズドーーーーーーーーーーン!

 バキバキバキバキバキッバキィッーー




 今まで聞いたことがないぐらい大きな音がした。

 地面が揺れる。



 落雷?


『アレックス! 集中しろ! 水の子が我の結界に強く固く同化するよう念じろ!』


 わかった! やってみる!


「『水の子』水を纏え! 水の力を使って固く強く結界を守れ!」


 キーーーーーーーーーーン


 先程よりも、空気が固まった感覚だ。


 俺はゆっくりシルビーの中から外を見た




 !


 何だこれ?




 俺の家の周りを除いた、向こうに見えていた畑、町に繋がる道路に薙ぎ倒された木々が散乱していた。



 シルビー!


『仕方ない! 全ての被害を食い止めることは不可能だ!』


 でも! これじゃぁ町は? みんなは?


『大丈夫だ、先に避難してある! これでも最小限に抑えた結果だ!』



 俺は言葉を失った。



『アレックス、我の魔力はもう半分もない! 次に大きいのが来たら持つか保証できん』


 これを!


 俺はシルビーに魔力回復ポーションを渡した。


 その後も俺達は降りしきる豪雨と、絶え間なく鳴り響く雷鳴の音に緊張しながらも結界を張り続けた。





 空が次第に明るくなって来た。



『終わったか?』


 終わったの?


『禍々しい気配が薄れていく』


 本当に?



 俺はゆっくり、シルビーから身体を離し立ち上がった。


 恐る恐る窓の外に視線をやる。








 そこには、荒野が広がっていた……






 一体何が起こったんだ?






 俺は頭の中が真っ白になり、気づけば手足が震えていた。



 そして、足がふらつきそうになった時


『アレックスしっかりしろ!』




 はっ!

 シルビーの声に驚き、目を見開いた瞬間


 足の力が抜けて、床にしゃがみ込んでしまった。




 何これ?




 嘘でしょ?



 町が無くなった?






 うそだーーーーーーーーーーーー!







 俺は無意識に玄関に向かって走っていた。




『アレックス! やめろ! 戻れ! まだ外は危険だ! 戻るんだ!』



 シルビーが何か俺に話しかけてきたようだが、俺の頭には何も入ってこようとしなかった。


 何だ?


 これは?


 どうなっている?


 町のみんなは?


 ギルバードさん!


 ギルバードさんは無事か?


 アリサさんは?


 行かなければ!



 俺は夢中で道のない荒野を走っていた。






『チッ! あのバカが!』





 シルビーは、小さな少年アレックスを急いで追いかけた。











「お忙しい中、最後までお読み頂き、大変感謝しております。」

下にある✩✩✩✩✩から作品への応援を頂けると、執筆へのモチベーション維持に繋がる為、是非とも宜しくお願いします。

また、次回が気になると少しでも思われたらブックマークもして頂けると大変嬉しいです。

よろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ