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26 リンゴが大好き

 ただいまーーーーーー

 っておい!


『おお、遅かっな』


 遅かったなじゃねーーーーよ!

 何だよこれ!

 何でこんなにあるんだよ!




『全部食う!』


 はあ? 

 こんなに食ったらブタになるよ? お前

 そうじゃなくても最近太って来たのに。

 ブタのシルビーとか俺イヤだからね?





『ブタ……』


 シルビー! 

 ちょっとこっちに来なさい!


『えええ…』



 そこにお座り!




『…………』


 あのね! 狩りをしちゃダメとは言わないけど、一度に食べきれない分まで狩ってきちゃダメ!

 この子達だって生きてるんだよ? 一生懸命!


 悪いことしたり、襲って来たりしたら、そりゃ仕方ないけど……

 シルビーが小さかった時、森でケガしてたの俺、助けたよね?

 小さな命だって大事にしないと!



『いっぱい狩ってくれば、喜ぶと思って』


 お肉は嬉しいけど、食べれる分だけにしようよ。

 ね?


『わかったよ』


 いい子だねシルビー

 ほら、お土産のリンゴだよ!


 俺はシルビーにリンゴを投げてやった。


 高くジャンプし、それをキャッチし、美味しそうに食べているシルビーを見て、ちゃんと育てないとな……と思った。

 大きくなってもシルビーは俺の子供のようなもんだしな。



『なぁアレックスー』


 何?


『人間を襲ってくるようなデカイやつなら、狩ってもいいんだよな?』


 そうだねぇ。人に危害を与えるような物ならね。


『なら、そうする!』


 そんなに狩りが好きなの?


『腕が鈍るしな』


 そう言うものなの?


『そういうもんだ! リンゴもう一個食いたい』


 えーーーーーーーーー

 まだ食べるの?


『食いたい』


 俺は仕方なくまた投げてやった。

 あっちの林にリンゴの木も植える?


『植える! 植える! 早く!』


 いや、今日は無理だってば

 苗木ないもん


『買ってくればよいではないか!』


 行かないよ?

 さっき帰ってきたばっかだし!


『食いたい! 植えよう!』


 どんなわがままだよ……


『結構、家作るの手伝ったぞ』

 シルビーがジト目で俺を見てくる。


 ダメだよ? そんな目をしても行かないよ? 

 今日は。



『リンゴ食いたい』


 そんなにリンゴ好きなの?


『食いたい』

『食いたい』

『食いたいーー!』



 あーーーーーーー

 もうわかったよ……


 でもさぁ、リンゴの木を持って帰るのは直ぐには無理だよ?

 馬車か荷車の手配しないとだし……


『作ればよいではないか!』


 へ?


『収納できる袋をお主が自分で作ればすむことだ』


 え?


『その水の子とやらで作れ!』


 は? 何言ってんの?

 そんな大きな袋作っても

 持てなきゃ意味ないじゃん!


『何を言っておる? 好きな大きさに入れれるようにイメージすれば良いではないか』


 へ?


『お主、頭悪いのか?』


 あんまり賢くはないかも……


『まあよい我が言う通りにならば、その水の子とやらに願ってみよ』

『何でも収納できる袋お願いって』


 は?

 何それ?

 無茶苦茶だろお前それ……

 いくら何でも……


『いいからやってみろ! ちゃんとイメージしてから願えよ?』


 イメージってどんな?


『袋にバーンって入る感じ』


 なんだぁそれ?


『ドーンでもよいぞ』


 同じじゃんそれ……


『いいからやれ』


 布、用意したほうがいい?


『当たり前だろ。物に力が宿るのではないのか? その水の子とやらは』


 そうでした……

 あ! そういう意味か!

 材料用意して念じればいいのか!


『お主、頭大丈夫か?』


 なんかそれ、ちょっと前にも誰かに言われたような……


『木で家が出来たではないか。ならば、他も同じであろう!』


 シルビー頭良いね!


『聖獣だからな』


 なるほど!


『いいからさっさとやってみろ!』


 布持ってくる!




 これでいい?


『やってみろ』


 俺はシルビーに言われた通り、頭の中でイメージする。


 色んな物がどんどん吸い込まれて中に入って行く。

 そして、それが中で整理されて小さくなる。

 軽いほうがいいな。

 重さを感じず、何でも入り、好きな時に取り出せる。

 そんな便利な袋をイメージした。



 よし! 行くぞ!


「『水の子』この布に力を宿せ!」

「便利なバッグを作れ!」

「水を纏えーー!」



 お! 出来た?


『当たり前だろ? 出来るようにお願いしたんだから……』


 だって凄くない?

 布がバッグになったんだよ?


『材木が家にもなったけどな!』


 そうでした……




 ただの布だった物が袋の形になった……


 もう、考えても理解不能だわ。コレ



 問題はちゃんと何でも入るかだ……

 試しにテーブルを入れるイメージをした。

 バッグの中にテーブルが入っていくイメージ



 マジか……


 入っていった。


 取り出せるか?

 袋の中からテーブルを取り出すイメージをした。


 ドン!


 うわ!


 ビックリした……


 出せた……



 ……てか、この袋すごくない?



 もう何でもアリだな俺って……

 もはや、もう人間超えたなコレ……



『さっさとリンゴ買ってこい!』


 あ、ああ、約束したしな。

 行ってくるよ……


 ちゃんと留守番しといてよ?

 今日はもう狩りはしたらダメだからね!


 あ、ついでにこれ売ってきていい?

 こんなに食べれないだろ?

 そのお金でリンゴ買ってあげるよ!


『全部持って行っていいぞ!』


 今日の晩ご飯の分だけおいとくよ。


『また狩って来るから全部持っていけ!』


 だから! それはダメってさっきいったろ!


『いいから早く行ってこい!』


 はいはい。

 大人しく待っててよ?


『行け!』




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