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14 ドラゴンさんに説教された

『おい』


『小童』


『おいそこの小童』



 ?


『お前だ』



 ?


 足がワラワラ笑っている俺は首だけキョロキョロ見渡す。


『お前だ』


 何これ?


 声?


 声が聞こえる?


『当たり前だろ、儂が話かけているんだから』



 え? 誰?


 何処から聞こえる?


『目の前じゃ』



 え? 目の前?



 え?


 俺、今 誰と話してるの?


『儂じゃ』


 ワシさん?

 そんな知り合い、いたっけ?


『お前わざとか? それなら儂にも考えがあるぞ!』


 ちょ、ちょっと待ってって!


 だから、何処なんですか? 

 ワシさんって誰なんですか?

 教えて下さいってば!


『目の前におるじゃろぅ。しかし、お前のような者が水の子とはなぁ』


 水の子をしっているんですか?


『儂を誰だと思っておる』


 誰ですか? ってさっきから聞いてるのに……


『そんなことは今はどうでもよい! それより小童よ儂を助けろ!』


 へ?

 俺にできることがあるんなら……

 ところで本当にあなたは誰ですか?



『頭も弱いのか? お主は?』


 え?


『お前の目の前じゃああ!』


 






 えええええええええええ?


 ごめんなさい。ごめんなさい。

 謝るから食べないでぇーー

 お願いーーーーーぃ



『小童を喰らうほど儂は落ちぶれてないわい!』


 本当に?

 本当に約束してくれます?



『くどい! しかし、このような者にあやつも……酔狂な』



 で、俺は何をしたらいいんですか? 

 ドラゴンさん?


『実はなぁ……ちょっと久しぶりに穴から出てきてオイタをしてしまってのぅ』


 へ?


『挟まってゴニョゴニョ……』


 え?


『抜け出せんのじゃ!』


 は?


『儂をここから出せ!』


 えええええええええええ?


 ドラゴンさんなら木なんか、なぎ倒して出てこれるんじゃないんですか?


『そんなことをしたら儂のこの綺麗な鱗にキズがついてしまうじゃろう』



 へ?


『まぁキズが付くようなことにはならんじゃろうて、儂は、この木のベタベタするのが付くのが好かんのじゃ』


 あぁ、松の木ですしねぇ、ヤニですね。


『そうじゃ。あのベタベタが好かん』


 でも、俺の力じゃドラゴンさんをそこから出してあげるなんて出来ないですよ?


『お前水の子じゃろ?』



 一応……


『ならば、この木を切ってくれぬか?』


 ああ! なるほど!

 頭いいですねぇ!


『儂を誰じゃと思う』


 でも、木に挟まっちゃったんですよね?


『喰われたいか?』



 えええええええええ

 食べないって言ったじゃないですかぁ……


『さっさとこっちに来て木を切れ! もう臭うてしょうがないわい』

 

 わかりました。

 絶対俺を食わないで下さいよ?

 約束ですよ?

 助けたらパクリとか無しですよ?


『お前なぁ……そんなセコイことするか!』


 んじゃ今から行きますね。



 俺は立ち上がり、黒い()に向けて歩き出す。


「うわ! 本当に綺麗に挟まってる! すっごい!」


『いいからさっさと木を切れ!』


 わかりました。この木でいいですよねえ?


『そうだ。間違っても儂を切るでないぞ!』


 切れないでしょう『水の子』でも流石にドラゴンは


『どうだろな。いいから早くしろ!』


 はいはい。

 俺は剣を握る


「水の子頼んだ!」

 剣に水飛沫が纏う


『おい!』


 え?


『逆だ! アホ! そっちから剣を振るったら儂に木が倒れてくるだろうが』


 あ! そっか! ごめんごめん。


『お主 頭は大丈夫か?』


 あまり賢い方ではないのは俺も認める!


『頼むぞ……なんでこんなヤツにあやつも……』


 行きますよ!


 行け! 水の子!


 ザパン!


 ギギィ ギギギィ ドスン!



 大木が倒れた。


『小童よくやった』


 これで大丈夫ですか?


『おう。すまぬな』


 あ! 待って! ここにキズが!


『こんなのキズのうちに入らぬわ!』


 俺ポーション持ってるんです!

 これあげます!


 ここに振りかけてあげますよ!


『いらぬ 直ぐ治る』


 ダメですよ。今は小さなキズでもバイキンとか入ったら化膿とかしたら困るじゃないですか!

 おとなしくして下さいね。今ポーションかけますからね!

 俺はドラゴンさんによじ登る


『お、おい!』


 怪我人は静かにしてください。

 あ、人じゃないから 怪我ドラゴンか?


 パシャリ────


 これで大丈夫です。









────「おい! あれを見てくれ!」


「あれは!」


「隊長!」


「あ、あれ あれは」


「ド、ドラ ドラゴン……」


「隊長……無理です」


「ド ドラ ドラゴンがでたぁーー」


「ひぇーーーーーーーーーー」

「逃げろーーーー」


「お、おい! 待て お前たち! 勝手に動くなー!」


「ドラゴンですよ! ド、ドラゴンあのドラゴンですよ!」






────

『面倒なのが来たな』


 え?


『お主の仲間か?』


 仲間はいませんよ? 

 一人で来たし今日も


『お主この森に一人で来たのか?』


 はい。薬草を採りに。


 あ! 忘れてた!


 薬草とりに来てたんだ!


 ちょ! そこ! 

 ちょっと、どけてもらっていいですか?


『は?』


 その下。

 ドラゴンさんのちょうど下です!

 そこに俺が欲しい薬草が生えてるんですって!

 それを俺は今日採りに来たんです!


『はぁ? お主薬草ごときで、この森に一人で来たのか?』


 はい。ダメでしたか?


『ダメでしたか? じゃねえわ! ダメに決まっとるだろ! お主はバカか?』


 え?


『今は儂がおるから、たいした魔物はこの森には近づかんが、ここは最上級の魔物が多く潜んでおるんじゃぞ! そんなことも知らずにここに来たのか? お主は!』


 すいません。危険な森だと言うのはなんとなくは知っていました。

 この湖までなら危険だけど大丈夫かと思って

 この湖を超えたらダメなのはわかってましたが……


『まぁ湖までならたいした魔物もおらぬが、一人で来るのは危険じゃ』


 ですよね……

 気をつけます。

 ありがとうございます。


 で、ちょっとだけ、どけてもらってもいいですか?

 薬草を……


『…………』


『ほれ』

 ドラゴンさんは翼を少しだけずらしてくれた。


 あった!

 ありがとう! ドラゴンさん!


 俺は薬草を急いで採取してバッグにしまった。


『暗くなる前にさっさと帰れ』


 そうですねぇ。本当にありがとうございました。

 あ! そうだ! これあげます!


 俺はポーション数本と、持ってきていた果物をドラゴンさんに渡した。

 これくらいしかあげれるものがないんですけど……

 この果物美味しいですよ!


『お主……小童、お主、名を何と申す?』


 アレックスです!


『アレックスか』

『アレックスよ、この借りはいつか返す。本当にお前が困ったときは我に呼びかけよ!』


 ありがとうございます!

 じゃあ俺行きますね!


 ドラゴンさん元気で!





『水の子か……なるほどな……』

『アレックスよ、その力を間違えるなよ。水の神に愛されし者アレックスよ』


『久しぶりに昼寝から起きてみたら面白いものが見れたのう。しかし、あのじじぃも酔狂なことをしたもんだ……』




 


────「た、隊長! あれを!」

「人が! 人がこっちに向かってきます!」


「何ぃ?」


「あっちに小さいですけど、人です あれは!」


「ここで待機しろ! 決して警戒を怠るな! このまま待機だ!」



「お忙しい中、最後までお読み頂き、大変感謝しております。」

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また、次回が気になると少しでも思われたらブックマークもして頂けると大変嬉しいです。

よろしくお願いします。



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