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11 緊急事態発生の予感?

「あ、あのまま寝てしまったのか! 俺としたことが! もうこんな時間か……今日はもうこのまま風呂に入って寝るか……」



 そうして、一夜が明けた翌朝


「あーーーー久しぶりによく寝た! 最近、夜中まで薬草の本ばかり読んでいたからなぁ」


 朝ご飯を作りながら、ふと窓の外を覗くと


 !


「何だあれ?」


 急いで、外の庭に出てみた。


「嘘だろ? 何だこれ?」



 そこには、畑に昨日植えたばかりの薬草が、ぎっしりと増えていたのだ



「マジか……」

「まぁこれでポーション作り放題だけど……」



 俺、木こりやめて、ポーション屋さんになろうかな?



「まぁ、とりあえず、ご飯たべよっと」


 部屋に戻り、キッチンに戻ろうとしたが、ふと気になり、

 水耕栽培を行っている、リビングの横のテラスに向かった。



「うそーーん」


「ハハハッこりゃぁ凄いな……」


 そこには、昨日置いた小さな水槽全てに、ぎっしり詰まった薬草がひしめき合っていた。


「なんか、こうしてみると芝生みたいで可愛いなコレ」


 アレックスは、ぎゅうぎゅうに詰めて植わっている薬草の頭部を撫でていた。


「ありがとな。しっかり育ってくれて」


 よし! ご飯食べたら、ポーション作りに今日は励むぞ!



 早急に朝食を終え、後片付けを済まし、ポーション作りの準備をした。


 乳鉢に薬草を入れ、ゴリゴリと。

「これ機械とかあればいいのになぁ……今度商業ギルドで聞いてみよっかな」


 すりつぶした薬草をお湯に入れる。

「美味しくて良いポーションになれ!」

 と、しっかり今回も念じた。


 そして、液体をこし、冷やす間に次の薬草をゴリゴリと潰す。


「結構慣れたらこれ面白いな……」


 そして、また同じように、鍋に入れてかき混ぜ、液体を抽出する。



 ただ、一つ他の人がポーションを作る過程とアレックスには()()()違いがあった。

 本来はポーションを作成する場合、抽出する際、特殊の魔力を込めて作るのだ。

 錬金術師や、抽出の魔力を持つ者しか、これは行うことが出来ない。


 だからポーションは高額で売買されていた。


 しかし、アレックスが本屋で買った本は「()()()のポーションの作り方」の本であった為、あくまでもポーションに使用されている薬草の種類や、作り方の工程を書いただけの物に過ぎなく、実際に作る人向けの本ではなかったのだ。


 他の人のポーションの作り方を見たことがなかったアレックスはその、自分が持つ特異さに全く気づいてなかったのだ。


 アレックスは「()()()に作ればポーションが出来る」と思い込んでいたのだった。


 それから、俺はひたすらポーションを作り続けた。



「あーーーー疲れた。結構頑張ったコレ……」


 テーブルの上には大量のポーション瓶が散乱していた。


「そろそろ瓶が無くなってきそうだし、今日はこの辺でやめておくか」


 後片付けを終え、俺は商業ギルドへと向かっていた。

 大量のポーション瓶を抱えて。



「こんにちはー」

 いつものように商業ギルドのドアを開けると、何やらザワザワしていた。


「ん? 何かあったのかなぁ?」


「あ! 丁度いいところに。アレックスさん探してたんです! こちらに!」


 いつも落ち着いているアリサさんが、何か急いでいる様子で俺を呼ぶ。

 俺は急いで、アリサさんがいる個室に向かう。


「どうしたんですか?」


「それが、朝一番で、王宮騎士様達が来て、うちに置いてある上級ポーション、アレックスさんの作った物しか今はなかったんですけどね、それを全部買っていったんです!」


「あれを全部?」


「ええ。それも最初50本欲しいと言われて……」


「50本も?」


「そうなんですよ……でも在庫がなく……そしたらあるだけ全部って言うから、先日納品して貰ったのを全部出したんです……ごめんなさいね、折角貴重な上級ポーションだったのに。アレックスさんのみんなに届けて欲しいって望みを……私ったら……」


「いえ、それは構いませんよ。きっと何か緊急事態だったんでしょうし……向こうも」


「でも、そんなに一度にポーションを必要とするなんて。何があったんだろう……」


「そうなんですよ……私もそれが心配で。それで、念のためポーションの追加をお願いできないか? と思ってアレックスさんを探していたんです」


「それなら丁度よかった! 今朝作ったのを納品しに持って来たんです!」


「もう? ですか?」


「はい! 薬草が沢山あったので!」


「わかりました。直ぐに鑑定に出しましょう!」


 そうして、俺達は鑑定室に移動し、鑑定を急いだ。


 次々と鑑定されて行き、鑑定人がランクを書入れる。

 全てAと書かれたポーションは、直ぐにギルドの表の棚に並べられた。


 全ての鑑定が終わり、俺は代金を受け取って、ギルドを後にした。



「それにしても、何が起こっているんだろう? 何か緊急事態なのは間違いないな」


「万が一の為に、麻痺の解痺薬や、石化を治すポーションとかも作っておくべきかなぁ……確か、必要な材料は本に載っていた記憶が……」


 俺は急いで帰宅し、本を開いた。


「うーん。この薬草は……前に冒険者としてパーティーを組んでいた時に一度だけ行ったことがあるあの森にしかない薬草か……自分のこのスキル『水の子』の力も試してみたいし、行ってみるか。いい機会だしな……」


「だとすると……、防具や武器を揃えないとなぁ……この剣じゃぁなぁ。よし! お金もあることだし! 買いに行こう!」




「最後までお読みいただき、ありがとうございます」

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