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魔王級術士の落ちこぼれ  作者: 小烏 暁
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第6章〜赤い髪の兵器(少女)〜#9


「うるせぇ!こいつは元々俺の剣だ!何しようとお前らの知ったことじゃないんだよ!!」


少女を無造作に地面に叩きつける。しかし叩きつけられた少女は目をつぶったまま動かない。


「くそ!くそ!何で動かねぇ!何で目ぇつぶったままなんだよ!」


『ガンッガンッ』と足蹴りするレスパーダ。


「おい!早く起き上がって『ぶっ殺せ!!!』」


レスパーダは大声で叫ぶ。すると先程まで微動だにしなかった少女の目が開いた。透き通った銀色の瞳をあらわにする。


「了解」。その一言だけ言うと、右手を剣に変形させ、レスパーダの首を斬る。


「・・・・は?」


レスパーダの頭は生々しい音とともに、地面に落ちる。その顔は未だに何が起こったのか分からないような顔をしながら落ちる。数秒後頭から離れた首から血が噴射し崩れ落ちる。


「ひ!ひぃ!!」「た!たすけ・・・・!」


その声の後に男2人の首が吹っ飛ぶ。赤い血を噴射し崩れ落ちる。


「・・・目標継続・・・」


そう言い赤い髪の少女は次の標的をイヴァン達に向け、猛突進しながら接近する。


「は!はや!」


『ガキィンッ!!』という金属音が響き渡る。イヴァンは障壁を展開していたので無傷で済んだが、もし当たれば確実に死ぬだろうという威力だった。


「今ので10%も魔力を使った・・・!どんだけ重たい攻撃だよ・・・・!」


しかし少女は追撃の構えを取らず、ただ呆然とイヴァンを見ながら立ち尽くす。


「攻撃の妨害を確認・・・・対応策を検討中・・・・・検討中・・・検討完了・・・これより実行を行います」


今度はもう片方の腕も剣の形に変化し、イヴァンの目の前をまた突進しながら接近する。


「同じ手は通じないぞ!」


イヴァンはさっきと同じ要領で障壁を展開し、身を守る。しかし今度の攻撃は突進して接近したが、身をかがめて下から上へ上げるようにして突き立てる。


だがまたしても『ガキィンッ』と件を弾く音が響く。


「だから言っただろ?同じでは2度も通じない・・・・」


『ピキピキ』と障壁に亀裂が走る。魔力が枯渇したわけでも使いすぎた訳でもないのに・・・とイヴァンは混乱する。


「一旦退くぞ」


イヴァンは広範囲の水魔法を使い、火炎魔法で蒸発させ蒸気を生成する。


「視界が見えません・・・直ちに除去を行います・・・」


腕の形を扇のように変形し周りに立ち込める蒸気を吹き飛ばす。しかし蒸気を取り除くのが遅かったのか、イヴァン達はその場から姿を消していた。


「目標物を見失いました・・・これより捜索の後、殺害を実行・・・」








イヴァン達は城から抜け出し、中央街を走っていた。


「イヴァン君!あれ!なんなんですか!?剣が女の子になったかと思えば私達を殺すって言ったり!もう何が何だか!」


「とりあえず、対策を立てないと!何の策もなしに戦うのは愚者のすることだ!今は逃げることに集中を・・・!」


先程までイヴァン達がいた城の方向から爆発音が聞こえた。その後風を切るような音が遠くからした。


「やばい、もう追いついたのかよ!」


風を切るような音がどんどんと近づいてくるのが分かる。恐る恐る後ろを振り向くとそこには赤い髪の少女が追いかけていた。


「目標物の発見・・・・これより殺害を実行します」


そう言うと彼女は右手から無数の剣を創り出し、走っているイヴァン達に向け放たれた。


「くそ!投げれんのかよ!」


イヴァンは障壁を発動させ、身を守る。しかし先程と違い、威力があまりないのか軽い音を立て剣が地面に落ちる。


「いたっ!」


トールがそう言うと足を手で押さえていた。見ると右足には先程の剣が深々と刺さっていた。


そしてその剣が俺を狙うんじゃなく、トールの足を狙うために剣を投げたと気付いた時には遅かった。


「トール!」


イヴァンはトールに駆け寄る。近くで見ると剣が彼女の綺麗な足を深く刺しており、紅い血が(したた)り落ちる。それでも彼女は逃がさないように無数の剣を創り出し、それを放つ。イヴァンは彼女を抱き寄せ障壁を使って守る。


「くっ!流石にこうなると・・・まずい・・・!」


「イヴァン君・・・ごめんなさい!私のせいで・・・!」


「そんな事よりもまずは治療だ!」


そう言いイヴァンはトールの足に刺さった剣を引き抜く。痛そうに声を出す彼女の声を聞きながら剣を抜きおもむろに地面に捨てる。そして引き抜いた剣は霧となって消える。


「早く治療をするんだ!」


そう言うと彼女は治癒魔法を使うが、あまりの痛みで魔力のコントロールがおぼつかなく。回復するのに時間がかかっているようだった。しかしそんなトールのことはお構い無しに絶え間なく攻撃をする少女。


・緊急クエストが発令・


「ここでか・・・!」


イヴァンは小声で言う。


・暴走した鈍化の剣を抑制、もしくは捕獲をしてください・


捕獲?抑制?今回の緊急クエストは何を考えているんだ・・・?。頭の中が全てはてなマークでいっぱいのイヴァン。


・緊急クエスト報酬・

・捕獲時・剣女の魂(条件あり)・抑制時・剣女の剣

破壊時・報酬なし


いつもと全然違う・・・何故このウィンドウは破壊ではなく『捕獲もしくは抑制』なんだ・・・


イヴァンはウィンドウを眺めながら顎に手を添え、苦悩する





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