第1章〜彼女がなしたかった事〜♯3
「......................あ.......あれ....?...」
いつの間にか気絶していたみたいだ、
「....っ....頭が....!」
即興で作った魔術を使うのはその分の反動がでかいということが分かった。
私は少し起き上がってあたりを見渡した
「....これ..俺がやったのか?」
辺りには大きなクレーターが出来ていた・・・魔物の気配はない。
流石にこうなるとは思わなかった、
この魔法は危険だから封印しよう。
「こりゃあ失敗作だな、今度から気をつけないと..」
にしてもあんな強い魔物共を倒したんだ、経験値はどうなってるかな?
「ステータス確認」
イヴァン 称号 魔王の卵→魔王の見習いへと進化
Lv58↑
筋100↑ 防258↑ 魔防580↑ 魔攻951↑ 速60↑
賢さ1001↑
スキル
・従属化Lv5・魔術解読眼Lv9・魔眼Lv2
・翡翠眼 Lv5・魔王障壁LvMAX
・ユニーク=詠唱短縮Lv5・威圧Lv4
New→・MPHP自動回復Lv1・剣術Lv0・闘牙Lv2
「.......すげぇ....こんなに強くなったんだ....」
そりゃあ、あんな強い魔物を倒したんだ、ここまでレベルが上がると思っていなかったけど....
新しいスキルまで手に入ったし。
「この新しく手に入れたスキルもチート級だなぁ、魔王様....どんだけ強かったんだよ、」
「そんなことよりも早く先へ進まなきゃ....って....あれ?」
身体が動かない....
・MPが10%以下になりました。これより自動回復に移ります・
....成程、魔力が無くなると身体が動かなくなるのか、だから身体に力が入らないわけだ
「少し休もう」
休息も大事だからな、魔物もいないし、少し....だけ....
「ーー素質..選..じゃ....」
「....うん?」
.......あれ.....今の声は?一体誰だ?、鍵?なんのことだかさっぱり分からない。
「考えても仕方ないか」
・魔力量が必要規定量を達しました・
「ようやく終わったか。さて!気を取り直して先へ進もう。」
ちなみに遅くなったが母と父には1週間家を出ると言ってあるので心配....
「誰に言ってんだ?俺は」
「ーーあれから魔物が姿を見せなくなくなったが....あれで全部だったのか?まぁ、あんな数の魔物が先にいてもなぁ、Lvは上がるから良いことなんだけどさ?」
ーーー森の最深部まで来ると魔力の流れが変わった、普通にステータスが低い奴はこの魔力の流れの中にいると精神が保てないだろう。
そしてついに森の最深部に辿り着いた、のだが・・・
「穴なんでどこにもないぞ」
魔王様が言っていた穴はどこにも見当たらなかった
どういう事だ?もうここから奥へは進めないし
鉱石の壁って言ってたけどこれただの土壁だよね、
苔も生えてるし....
「もしかしてここでスキルを使うのか?」
物は試しだ....スキルを使ってみよう
「障壁」
その瞬間 ¨ガコンガコン¨という機械音が聞こえた
「おわっ!」
地鳴りが響き渡る
立っていられるのもままならない
目の前の土壁がどんどん剥がれて黒い紋様が剥き出しになり....
「あぁ!これね!」
私は尻もちをつきながら発した
一面真っ黒の壁が剥き出しになり、壁の下を見ると小さな穴がある。
「この穴がそうだな、」
子供1人入れる小さな穴、その穴の周りは黒い壁に覆われていた。そしてこの壁が例の鉱石だろう。
「行ってみるか」
私は穴の中へと入り進んだ。中は思った以上に狭い、これは大人の時には行けないな。
そうこうしているうちに光が見えてきた。
「やっと着くぞ、頑張れ俺!」
光の先を出た私は見た。
「....おぉ」
魔力の流れは禍々しいのに、とても綺麗な所だった。
周りはこれまでの人生で見たことない綺麗な花たちや
小鳥やモンスターがいる、敵意はないというより
大人しい。
中央にはおおきな大木、辺りは綺麗な水池がある。
私はその美しさに見惚れてしまった、
「綺麗だ....」
「奥に何かあるな」
私は先へ進んだ
「ーーん?なんだろう?これ」
そこには人間のような形をしたゴーレムが転がっている、見たところ所々崩れている
「翡翠眼」
ステータス ゴーレムだった物
説明・昔の魔王の眷属であった事が濃厚、災厄の世代と呼ばれる時代に造られたゴーレム。
「魔王の眷属か、もしかしてこの先にもまだこれと同じのがあるのか」
私はそのゴーレムを置いて先へ進んだ
先へ進むにつれゴーレムの数も多くなり異なる種類のゴーレムも見かけるようになった。
「翡翠眼」
ステータス 墓場の守手だった物
魔王の墓を守るゴーレム
「ここ、魔王の墓だったのか、」
私は大きな大木を見据え
「....あの大木に行けば何かわかるかも....」
気付けば私は奥へ奥へと進んでいた、するとあっという間に中央の大木に辿り着いた
辺りを見渡すとそこには無数の墓石があり、名が彫られていた。ほかの墓石よりも大きな墓石が大木の中に造られていた
「ザリアス....様」
後ろからその名が聞こえた、驚いて振り返ってみればまた別の種類のゴーレムだ、恐る恐る近付いてみると見た目からして男性をモチーフとしたゴーレムに見える。身体は朽ち果てており 今にも崩れそうだ
「君は誰なんだ?ザリアス様って一体?」
「....人間....いや、魔族か....この場所へ....来れたということは..魔王の資格がある者....長かった..ようやくこの時がきた....」
「俺は魔王ザリアス様・・・の眷・・属、参謀のネルゲル....1度しか言わない....よく聞け」
これ、聞かないと話が進まない感じだ
「....分かった」
そこで私はネルゲルから事の経緯を聞かされた。
数千年前、当時幼かった少女はある能力を13という歳で開花した、魔王級スキル¨エターナル¨
彼女は能力を開花してから老いることはなくなった。歳をとっても見た目が変わらない、当然周りから気味悪がられる、しかし彼女はそんなことお構い無しで笑顔で日々を過ごしていた。
子供たちから気味悪がれようとも、周りから蔑まれるような目を向けられても、彼女は笑顔を絶やさなかった。
彼女は土遊びが好きだった、人形のようなものを作ったりするのがとても得意だったし、魔法にも才能があった。そして、彼女が15を迎える頃ある禁術に手を出した。無機質のものに命を与える禁術を、そして最初に命を吹き込んだ人形がネルゲルだった。
彼女はそこで初めてを友達を手にすることが出来た
彼も命を吹き込んでくれ、自由を与えてくれた彼女の事を心の底から慕った。
「最期まで貴女と共に参ります」
そう俺は言ったとき彼女の笑顔はまるで太陽のように煌びやかな笑顔をしていた。
禁術に手を出してしまった彼女は彼の事を両親に話そうと思い彼と一緒に家へ帰った、扉を開け、
ただいま!と言ったが返事がない
おかしい、今までならこんなことは無かったはず、
この時間帯なら2人が帰ってきてもおかしくない
ネルゲルは少し前へ出た
「ザリアス、俺はどうも嫌な予感がしてならない」
「ーーーーーー?」
「わからん、だが、あの扉の向こうから何やら得体の知れない何かががいるかもしれん、後ろに付いてきてくれないか」
「ーーーー」
彼は恐る恐る扉を開けた。
目を疑った
「ーーーー?」
彼女が後ろから見ようとした
「見るな!ザリアス!」
彼は彼女を身体で覆い隠そうとしたが遅かった。
そこには昨日まで美味しい料理を作ってくれていた母、その料理をつまみ食いして母に怒られていた父
の無惨な亡骸があった。
「ー?」
ーーー彼女はその日から笑顔を見せることはなかった。
ーー父だったものと母だったものの遺体を調べたがいくつかの刺傷と魔法による攻撃そして、魔物の噛み跡があった。そしてこんな噂も流れ始めた
¨禁術を使った愚か者¨
彼女が使っていた禁術を見た国民が言いふらしたのだろう、そしてその噂は風のように行き、国の治安を守る騎士までその噂が届き、そして.......
「ーーーーー」
「ザリアス、どうする気だ」
「ーーーーーーーー」
「....そうか....それが君の..いや、あなたが選んだ道なら俺はついて行く」
そして彼女は戦力を増やすため俺以外のゴーレムを作り上げた、もちろん禁術を使って。
たった半日で王国を滅ぼした。
彼女はこう呼ばれるようになった、
¨禁術の魔王¨と