第3章〜さようなら・・・~#11
師匠と修行をして5年という月日が経った、あっという間の時間の流れを感じながら、イヴァンは大きな木の前で瞑想をしていた
「最近いつもあなた、ここで瞑想してるのね」
「・・・・ここの方が落ち着いて瞑想ができますから・・・師匠もどうです?」
「そうね・・・隣・・・いいかしら」
「どうぞ」
シルビは彼の隣で座禅を組み目をつぶり瞑想した、少し経ちシルビは座禅を組みながら目を開ける
「もう5年もたったのね、あんなにやんちゃで若かったあなたもこんなに立派になるなんて、あたしの教育のおかげね」
イヴァンは苦笑をし「そうですね」と答えた
「これであたしの家庭教師も終わるわ・・・イヴァンちゃんは本当に強くなった・・1週間後の入学試験だって必ず合格できる」
その声は少し寂しそうな声だった
「イヴァンちゃん・・・」
イヴァンは目を開けシルビの方を向く、両手には袋のようなものがあった
「それは?」
「卒業祝い&入学祝よ!、受け取ってくれるかしら?」
俺は師匠が持っている袋を受け取り、袋を開ける・・・
「これは・・・」
入っていたものは深紅の色をしたローブと七色に輝くネックレスだった
「・・・」
イヴァンは翡翠眼を使う
シルビの力作ローブ ランク不明
効果=魔力の消費率を減らす・治癒効果の向上・紅き加護
説明=師匠が弟子のために丹精込めて作られたローブ、いつ、いかなる時でも弟子の安全を願い作られた。
虹のネックレス
効果=危険に陥る際、ネックレスが壊れ使用者を守る
一通り見たイヴァンはシルビを見る
「・・・ありがとうございます」
目尻には涙が溜まっている。
イヴァンは座禅をやめその場を立ち、師匠の目の前でローブとネックレスをつけた
「うんうん!サイズはぴったりね!とてもよく似合ってるわよ!」
「・・・師匠・・・本当に行ってしまうんですね」
イヴァンは今にも涙がこぼれそうな目を師匠に向ける・・・・
「もう私の仕事はこれで終わり・・・あとはイヴァンちゃんが考えることよ、自分で考えて成長することも強くなる秘訣だから」
その顔は遠くを見つめていた
「あたしね、しばらくは旅に出ようと思うの、だからもしかするとそう遠くない未来にまた再開するかもね」
「そうですね・・・また会えますものね・・・」
「えぇ・・・」
シルビは立ち上がる
「それじゃあ、あたしもう行くわ、カリンちゃんたちによろしくって伝えて頂戴」
そう言いシルビは立ち去ろうとする
「師匠!」
イヴァンはシルビを呼び止める
「・・・・・・まだ俺は・・師匠に勝てていませんが・・・・必ず次あったときは俺が勝つので!.その時は覚悟していてください!!」
シルビは少し驚いた表情をしたがすぐにいつもの顔に戻った
「・・・ふふ・・・じゃあその時まで待ってるわね」
そう言って去っていった・・・イヴァンはすがすがしい気持ちを胸に秘め、師匠の後ろ姿が消えるまで見送った