第3章〜空に昇る花~#9
俺は今悩んでいる・・・というのも今現在俺がいるところは師匠と泊まる宿の扉前にいる
「絶対怒られるよ・・・勝手に森まで行っちゃうしさ・・・」
かれこれイヴァンは30分近く門の前に立っている
「・・・よし!」
イヴァンは意を決し扉を開けすぐさま土下座をした
「この度は誠に申し訳ありませんでしたーーー!」
シルビは弟子が帰ってくるなり土下座をしたイヴァンを見つめながら
「イヴァンちゃんどこに行ってたのよ!」
「はい!師匠の言いつけを破り森に行った結果!盗賊に捕まってしまい気付いたらこんな夜遅くになってしまいました!」
土下座をしたまま早口になりながら師匠に説明した
「イヴァンちゃん・・・顔を上げなさい」
「・・・・・」
恐る恐る顔を上げる
「歯を食いしばれ!」
その瞬間師匠に顔をぶっ叩かれた
「どんだけ心配だったか、イヴァンちゃんがもし死んでいたら両親に合わす顔がないんだよ!!」
・・・・・・初めてだ、師匠が口調を変え、怒りをあらわにしながら俺に説教するなんて
「・・・はい」
「まだイヴァンちゃんはもう13歳だけどまだ大人の私たちの力が必要なんだ!、確かに今のイヴァンちゃんなら盗賊なんてあっという間に倒せる力を持ってる、けどね、自分の力を過信することが最大の弱点なのよ」
・・・確かに・・・もしあの時召還ができない状態だったら・・今俺はここに立ってることはなかった・・・自分の力を過信していた・・・・
「本当にごめんなさい・・・」
イヴァンは深々と頭を下げた
「・・・まあ、これで課題は見つかったわね」
顔を上げたとき師匠の表情は元の顔に戻り、口調も戻っていた
「残り2年・・・・もっと厳しくするから覚悟しなさい!」
「はい!」
イヴァンは元気よく返事をした。そうしないとまた怒られることが目に見えているからだ
「それでイヴァンちゃん、森で何をして何を学んだか・・・師匠に教えて頂戴?」
俺は師匠に今日あった出来事を話した
ーーーーー話をしている途中、窓からドンッドンッという爆発音が聞こえてきた
「え!?何の音!?」
俺は慌てて椅子から立ち上がり窓の外を見た
そこには前の世界でもあった、夏にしか見せない花、花火が上がっていた
赤や緑や青、たくさんの色が空高く開く、美しく久しぶりに見た花火
「いったでしょ?絶対イヴァンちゃんが気に入るって」
後ろから花火を見ながらイヴァンに問いかけるシルビ
「・・・・きれいですね」
「当然よ、この花火って数百年に一度しか見れない超ビッグイベントなのよ!」
師匠は笑顔を俺に向けながら言った
「成程・・・どうりできれいなわけだ」
「よくここが見えやすいところだってわかりましたね」
「まあねぇ2回目だから」
「・・・・・・師匠今いくつ何ですか?」
「ひ♡み♡つ♡」
イヴァンはきれいな花火を見て師匠がさっき言ったことを忘れようと努力した