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魔王級術士の落ちこぼれ  作者: 小烏 暁
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第3章〜脱走劇~#3

「きゃあああああ!!」


突如洞窟内に響き渡る少女の叫び声が上がる、その声に驚いた盗賊の一人はすぐさまガキどもを監禁した小屋へと駆け足で向かう


「おい!どうした!」


盗賊の男は言う


「この子が・・急に・・」


少女の指指す方を見るとそこには頭から大量の血があふれている少年が倒れていた


「おいおい嘘だろ!?」


男はあたりを見渡す、そして少年が倒れているところの近くには真っ赤に染まった石があった

男はその真っ赤に染まった石を手に取った


「この石で自分の頭を叩いたのか!てめえは市場で高く売れる代物なんだよ!」


そう言い男は少年に近づきしゃがんだ


ガツン


男は後頭部からそのような音がしたかと思えば急に激痛にあい後頭部を手で抑えながら振り返った

そこには大きな石を両手に持った・・先ほどまで叫び泣いていた女がすました顔でこちらを見ていた


「てめ・・!うそ・・か」


少女はその顔に似合わぬほど微笑んでいた

そこから男は気絶してしまった


「・・・ふう」


女は盗賊の男が気絶したことを確認して両手に持った石を放り投げた


「もういいわよ」


女はそう言う


「・・・・・」


だが返事はない


「いいから起きろ」


「ぐえ!」


少年の溝を軽く蹴る少女


「やっぱり効果抜群だったね死んだふりは」


血だらけの少年は何事もなかったかのように起き上がった


「イヴァンおまえ、よくそんなの持ってたな」


少年が懐から赤い液体の入った袋を取り出す


「魔物の血液って高く売れることがあるから持ってきておいたんだよ、まさかここで使うとは思わなかったよ」


魔物の血液は魔石とかの錬成に使われることが多いから、よりLvの高い魔物の血液はそれだけで高く売れる


「ドア開いたし、ほかの盗賊達に気付かれる前に逃げましょう」


「慎重に逃げよう」


盗賊退治のはずがとんだ脱出劇だな


イヴァンとミレイユは盗賊達に見つからずになんとか洞窟の出口へ向かった


「この洞窟、道が入り組んでるんだな」


「そうだな」


「・・・なあ、この道で本当にあってるのか?」


「この道で合ってる」


自信満々に彼女はそう答える


「ここに来たことがあるのか?」


「・・・この洞窟は私と友人の隠れ家みたいなものだったからな」


「え?じゃああの小屋って」


「私と友人の隠れ家だ」


「その友人って今は何してるの?」


「・・・・・」


彼女は黙ったままだ、何かまずいことを言ったかもしれない、多分言えない訳があるのだろう

あまり詮索してはいけないか、何か別の話にしよう


「・・・・・」


何も思い浮かばない


「…ほら見えてきたぞ、出口だ」


洞窟の先から光が見えた


「ようやくこの暗がりから抜け出せる」


俺は安堵した


しかし、後ろから声が聞こえる


「おいガキども」


俺とミレイユは驚き後ろを振り向く

そこには盗賊のリーダーらしき人物が現れた後ろに盗賊を連れて


「お前らはもう買い手が見つかったんだ、おとなしくもといた小屋に戻りな」


男の目が蛇のようにこちらをにらみつける


「特にそこの嬢ちゃん、お前には聞きたいことがたくさんあるんだ」


盗賊のリーダーはミレイユを指さし言う


「お前たちにはもう言ったじゃないか!」


彼女はそう答える


「ごまかしてんじゃねえよ、俺らがなんでこんな森を拠点にしてるのか、お嬢ちゃんには伝えたはずだろ?」


こいつらは何を言ってるんだ・・話についていけないイヴァン


「この洞窟のどこかに魔人級アイテムを隠してるっていう情報があるんだよ」


魔人級?なんだそれ


「そいつがあれば俺は魔王になれるんだ・・だから嬢ちゃんに聞いてるんだぜ?」


「知らない!私は数年この洞窟にいたがここにはそんな大それた代物はない!」


「それじゃあこいつがどうなってもいいんだな?」


そう言い盗賊のリーダーは下っ端に何か命令した


「きゅうぅ」


「き・・・狐?」


下っ端が持ってきたものは狐の子供であった、しかし俺が知っている狐ではなかった

尾は6本あり毛は真っ黒だったのだ


「スゥ!」


ミレイユは狐の名前を呼んだ


「やっぱりこの狐はお前のペットだったな」


リーダーの男がそう言うとミレイユは怒りをあらわにした


「違う!スゥは私の友人だ!スゥを放せ!」


「この狐が彼女の言っていた友人か・・・」


だからあの時黙ったのか、狐が友人なんて言ったら気味悪がられると思ったから


「放してやってもいいが・・その代わり・・場所を案内してくれるよな?」


「・・・・わかった・・・話せばスゥを開放すると約束しろ!」


「もちろんだとも」


リーダーの男は歪な笑みを浮かべながら言った








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