第3章~少女と一緒に監禁されました~#2
宿へ着き荷物を置いて一息ついた
「イヴァンちゃん、あたしこれからちょっと用事があるから、一人でこの町の観光をしてらっしゃい
お金はこの袋の中に入ってるからね」
俺は師匠から金貨の入った袋を貰った
「どこに行くんですか?」
「ちょっとした友人に会うだけだから安心なさい~」
「あ!それともあたしがいなくて寂しいの?」
「いやそこは全く」
食い気味に言う
「なら安心ね、それとくれぐれもこの街の森へ近づかないこといい?」
「森って師匠と馬車で見たあのきれいな森の事ですか?」
「そうそう、あそこの森はねぇ最近になって盗賊の根城があるみたいなのよ」
盗賊かぁ、なにかお宝盗んでそうだなぁ
「いい?あたしが帰るまでは絶対にその森へは行かないこと!」
いつもよりも食い気味にいうなこの人は・・・
「わかりましたよ」
「それじゃああたしそろそろ行くから、森へ行くこと以外は楽しんできなさい♡」
「はーい」
「ーーーこの森がそうなのか」
見た感じ神秘的な森にしか見えないんだけど
「本当にこんな森の中に盗賊なんているのか?」
森の入り口に入る
「・・・・・・・・」
一人の少女がこちらを見ているのに俺は気が付かなかった
「奥まで来たけど・・・盗賊なんていなかったな、」
期待してたんだけどデマ情報だったのか?
「はあ・・こうなるんなら街で屋台巡りするんだったな」
ここにいても意味ないしさっさと帰りますか・・・・・・
後頭部から急に激痛が走った
「あ?」
地面がどんどん近づいてくる・・・
「結構良い商品が手に入ったぜ」
俺はそこから意識を失った
「ーーーお・・・い・・・・・おい・・・」
「んん・・」
「おい・・・起きろ・・・」
誰かが俺を呼んでいる・・・
「ん・・・あれ」
目が覚めるとランプが一つの暗い小屋の中にいた
「やっと目が覚めたか」
どうやら俺を起こしたのは彼女らしい
「っ!頭痛い・・」
「まあ無理もないさ、後頭部を打たれたからな、じきによくなる」
たんこぶのできた後頭部を抑えながら彼女を見た
「・・・!君!服はどうしたの!」
なんと彼女は下着姿だったのだ、年齢は俺と同じなのに大人っぽい下着をつけていた、しかし彼女は隠す気なんてさらさらない、堂々としていた
「別に気にしない」
「いや俺が気にするよ!」
そう言い自分が着ている上着を脱いで
「これ着てくれ、その状態だと話ができない!」
後ろを向きながら渡そうとした、確かに見たい気持ちはあるが・・・だ・・・だめだ!・・俺にはそんな度胸はない!!
「大丈夫だそれにそれを脱ぐとお前が寒くなるだろう?」
「いいから着ろ!」
俺は上着を彼女の頭めがけ投げた、ちょうど彼女の頭の上に覆いかぶさった
「・・・ありがとう」
彼女はそう言って服を着始めた
「・・・そろそろいいか?」
「ああ、大丈夫だ」
その言葉を信じ俺は振り返る
「・・・・・」
「ん?どうかしたのか?」
彼女は俺の上着をズボンのようにして履いていた
「本気でいってる?」
「・・・冗談だ・・ウケを狙ったつもりなんだが・・・」
「早く着ろ!!」
何この子怖すぎ!
「ーーーえっと、それでここって?」
ようやく上着を着た少女に尋ねる
「ここは魔呪の森だ」
「魔呪?」
「この森はあらゆる魔法を封じ込める木が生成されている場所だ」
・・・・あぁ・・だから障壁が発動してたのに攻撃を受けたんだ
「そして私たちがいる場所はその森の奥にある小さな小屋の中に閉じ込められてる」
「ふーん・・」
やばいじゃん
「それで君は?」
「私か?私はミレイユ・ウェラー、お前の名前は?」
「俺はイヴァン、メリアド・イヴァンだ」
「イヴァン・・・」
彼女は俺の名前を言い無言になった
「なあ、俺たちって盗賊に捕まったんだよな」
「そうだな」
「ミレイユはなんで捕まったんだ?」
「ここに盗賊のアジトがあるって聞いたから興味本位で森に入ったら捕まった」
「何だ似た者同士か」
「お前もなのか、気が合うな」
・・・どうしたものか・・・
「幸い拘束はされてないから逃げることは可能だな」
魔法は使えないから剣術で何とかしないとだな
「・・・お前私の事変に思わないのか?」
「え?何が?」
「ほら、もっとよく見てみろ」
・・・冷静になってミレイユを見てみる
髪は金髪でロング、透き通った白い肌、身体つきは悪くない、胸は・・・ない・・・
そしてきれいな緋色の目
「・・・・あ!わかった」
「さあ言ってみろ!」
「胸がなi」
彼女は右ストレートを俺の溝に打った
「おう!!」
俺は腹を押さえてその場で転がった
「いくら私でも流石に胸のことになると手が出てしまうぞ?」
「ナ・・和ませようと思って」
彼女は少し不安な顔を見せる
「・・・本当にわからないのか?」
「・・・うん、ごめん」
「・・・私の事を知らない奴もいるんだな」
「そんなことより早くここから脱出しないと・・」
「まぁ慌てるな、私にいい考えがあるんだ」
「いい考え?」
「ちょっと耳貸せ」
「・・・・・・・・」
俺は彼女の考えを聞いた
「・・・でどうだ」
「いいんじゃないの?」
「よし!それじゃあ善は急げだ、作戦通りに行くぞ」